1日講習・全国出張!職長教育・安全衛生責任者教育ブログ

全国を渡り歩き、職長教育・安全衛生責任者教育を1日講習で行う愛知のRSTトレーナー。

3章 職長の職務 作業手順の定め方 その5

2017-12-12 13:01:42 | 日記
5 非定常作業における作業手順書


定常的または日常的に行われている作業については、比較的基準的な作業手順書が整っており、
事故や災害の発生を未然に防止することができている(もちろん作業手順書どうりという前提があるが)。
しかし、故障設備の復旧、部品交換のような保全作業では、時間的余裕もなく、作業の進行にともなって状況が変化をすることが多く、
事前に十分な検討や作業手順書を準備することは非常に困難である。
ところが、このような非定常作業で災害が発生する割合が非常に多く高い、そこで次に示す対応が必要となってくる。


(1)ある程度事前に準備ができる非定常作業の場合

点検、調整、注油、増締め、検査といった、一定の周期に行われるような作業については、前回の作業を参考にして、
ある程度の事前準備が可能となる。
このような場合は、基本的には定常作業と同じようにして要素作業を取り出し、定常作業で使用をしている作業手順書を利用できることが多い。
また、それぞれの特殊な作業ごとに、前回の状況を基に手順書を作成することも可能である。
このような場合に注意しなければならないのは、


1 安全装置の作業前の機能点検、安全柵の設置、注意標識の設置などの、誤作動を防ぐ対策を急所の中に入れる。
2 作業者の配置人員などの基準を作業手順書の作成とともに明らかにしておく。


(2)予期しない故障の復旧、補修工事のような場合
このような場合には、なるべく設備の停止時間をできるだけ短くするために、すぐに復旧や補修工事に取り掛かるようなことが少なくない。
しかし、このような作業の仕方をしてしまうと、準備不足による予想しなかった事態が発生をしてしまい、結果的に損害が大きくなることになる。


1 まず、関係者が集まり、作業の進め方のフローチャートを作る。特に、上下作業や複数の作業者が同時に作業をするような場合には危険が倍増をする。
どちらが優先的に仕事を進めるかを、当事者間でよく調整をする。

2 自分の仕事の範囲が決まったら、作業の流れの中で、どの要素的な作業で危険が大きくなるかを評価する。
3 そして、大きな危険が予想される要素的作業については、大まかな作業の分解と急所を考えて、ツール・ボックス・ミーティングで作業者と話し合う。
4 特に、危険または有害性が予想される場面では、職長自身が立ち会っての直接指示・指揮することも必要である。
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3章 職長の職務 作業手順の定め方 その4

2017-12-12 10:17:22 | 日記
4 教育と管理


作業手順書は、実際に作業の現場で実行をされてこそ、はじめてその目的を達成したと言える。
実行されるためには、現場の作業者を指導や教育をしたり、次の(1)~(3)の管理が必要とされる。


(1)新規就業者に対する教育
新規就労者が、いきなり熟練を要する作業や危険度が高い作業につくことはないと思う。
ところが、職場に以前からいる人達から見たら、会社内の常識で判断できるような初歩的な作業の中で新規就業者がケガをする場合が少なくない。
このような場合、新規就業者に対してかんたんな作業を「見よう見真似」で覚えさせることが多く、
新規就業者も「この程度のことでいろんな質問をしたのでは申し訳ない」と遠慮をしてしまい、正しい作業の方法を理解しないまま覚えしまい、
間違った作業方法を身につけてしまうことになる。


基本的ないくつかの要素作業を選んで手順書をつくり、それに基づいた教育を実施したのなら、作業手順書の使い方も習得して、
また教える人による個人差もなくなり、以後の教育も効果的に実施できると期待される。


(2)ベテラン作業者に対する教育
ベテラン作業者は、職場の中心となって作業をする人達である。自分の仕事のやり方に誇りと自信を持って作業をしている。
このような人達に仕事のやり方を変えさせることは、それなりの工夫が必要になる。
何らかの問題が発生して、その作業手順を変えたいときは、
作業分解の段階から参加をしてもらい一緒に手順書を作成をし、さらに、他のメンバーの教育まで担当をしてもらうような配慮をするとよい。


(3)管理
手順書を作ったら、まずは関係者の納得と上司の承認を受けておくことが必要である。
また、「作業手順書は一度作ってしまったら終わり」ではなく、その後の変化、たとえば設備、原材料や技術標準の変化などに対応していき、
時には見直しや改善が必要である。

さらに重要な作業については、期間を決めて定期的なチェックをすることが重要であり必要である。
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