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The Band 価格:¥ 1,927(税込) 発売日:2000-08-29 |
The Band 「The Band」1969年US
ザ・バンド「ザ・バンド」
1 Across The Great Divide (02:53)
2 Rag Mama Rag (03:04)
3 Night They Drove Old Dixie Down, The (03:33)
4 When You Awake (03:13)
5 Up On Cripple Creek (04:34)
6 Whispering Pines (03:58)
7 Jemima Surrender (03:31)
8 Rockin' Chair (03:43)
9 Look Out Cleveland (03:09)
10 Jawbone (04:20)
11 Unfaithful Servant, The (04:17)
12 King Harvest (Has Surely Come) (03:39)
13 Get Up Jake (bonus track, outtake) (02:17)
リヴォン・ヘルム - ds, madolin, vo
ロビー・ロバートソン - gt
リック・ダンコ - b, gt, vo.
リチャード・マニュエル - key, vo
ガース・ハドソン - key, sax
忙しくてなかなか書き込めませんでした。
久々の書き込みは最近また聴いていたザ・バンドの傑作で。
昔、ザ・バンドの音楽に出会ったとき、まだそれほど長くはないロックの歴史にこれほどの深さを感じさせてくれる音楽があることを知り、ますますロックという音楽の幅広さ奥深さに感動し、わくわくするような気持ちで、ロックにのめりこむきっかけになったことを思い出す。
反戦の歌、反体制の歌、アジテーションの歌に疲れ、ヒッピーのユートピアの夢は失望に変わりつつある時期に、古いアメリカの、南部の土臭い歌、が世界中のロックファンのハートを撃ち抜いたのは何故だろう。
ディランがバイク事故の後の隠遁生活の中で、まだホークスと名乗っていた後のザ・バンドのメンバーと地下室でセッションを繰り返したのは、それまでの批判の歌ではなく、その先にあるべき本来の自分たちの生きてゆく歌、だったのだろうか。
おそらくはディランに、自分の言葉で、オリジナルな歌を歌うこと、を学んだ彼らは、オルガンやアコーディオンなどといった楽器と南部のアーシーなフレーバーたっぷりの音を使って、自分たちの歌を歌い始めたのだと思う。
つまり、古い手段を使いながら、今のアメリカを生きるものとしての歌を歌ったのだろう。ニール・ヤング同様そんな役目を担った彼らがカナダ人ということはつくづく面白い。懐かしいような古くから馴染んだような音でいながら、実は誰も聴いたことのないアヴァンギャルドなオリジナルな音楽。アメリカ人ではなかったからこそ出来たアメリカ音楽の解体と再生だったのだろう。
地下室セッションの卵のような1stからさらに成長した本作2ndでは、完全にザ・バンドとしてのオリジナリティが確立された。まるで昔から歌い継がれてきたような歌。音楽の神が降りてきたような曲の数々。時代に求められた音楽を歌う使命をザ・バンドが与えられたかのような必然さえ感じさせるずっしりとしたアルバムである。
味わい深いボーカル、渋い節回し、オリジナリティに溢れた曲構成、すべてが地に足のついた全くもって正攻法のロックフレーバーに溢れていること、ロックミュージシャンとしての真っ正面からの実力に充ち満ちていること、そして歌詞も含めそられ全てが、大人のロック、とでも言えるような中身であることが、ミュージシャン受けするミュージシャン、特に英国流ブルースロックからいかに脱却するか暗中模索していた英国ロック勢、クラプトンからフリーからビートルズから挙げれば切りがないほどの、オリジナリティを求めていた世界中のロックに与えた影響は計り知れない。だれもが、これだ!と思わせれたはずだろう。20代でこの渋さと実力はやはり神が降りたとしか言いようがない。
ロビーロバートソンのギター、リック・ダンコのベース、リヴォン・ヘルムのドラムと土臭いボーカル、リチャード・マニュエルのピアノ、ガース・ハドソンのキーボード、それぞれが混然となって、シンプルなのに不思議な分厚さで全体としての音の厚みが生まれる。ゆっくりしたリズムの中から、揺るぎのないグルーブが生まれる。
ロックの旨味が凝縮された味わい深い作品、聴きかえすたびに何かを感じさせてくれる、不朽の名作、定番です。