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Rock Climber 洋楽レビュー

Rock、HM/HR、Alternative、Jazz、ラーメン

Death Cab For Cutie と Death Angel と浜田省吾

2015-08-16 13:33:34 | グランジ・オルタナティブロック

最近買った中では、Death Cab For Cutieの新譜、Death Angelの過去の名作ActⅢがよかった。



期待したSimply Redの新譜はがっかりした。
気が抜けたコーラのよう。

浜省の新譜もよかったのでベストアルバムも買ってしまった。

 

 



 


アリス・イン・チェインズ

2010-08-29 02:37:31 | グランジ・オルタナティブロック
Facelift Facelift
価格:¥ 723(税込)
発売日:1990-09-04

Alice in chains「Facelift」1990年US
 
アリス・イン・チェインズ「フェイスリフト」
 
1. We Die Young
2. Man In The Box
3. Sea Of Sorrow
4. Bleed The Freak
5. I Can't Remember
6. Love, Hate, Love
7. It Ain't Like That
8. Sunshine
9. Put You Down
10. Confusion
11. I Know Something (About You)
12. Real Thing
 
Jerry Cantrell(G)
Sean Kinney(Dr)
Layne Staley(Vo)
Mike Starr(B)
 
 
当時アリス・イン・チェインズを聴いた時のゾクゾクする様な出会いの衝撃は忘れられない。
 
何か未知の地下世界が広がっているような気がした。
 
  
それでいて、どこか痛快な気がしたものだ。
 
それは普段の生活では表に出せない気持ち、抱えこんだ劣等感や敗北感、
悔しさとか、反発心とか、なにくそとか、自分への失望と期待とか、世間への逆恨みとか、そんな暗くて鬱屈した塊が心の大部分を占めていたあの頃。
  
ダークサイドな負のうっぷんが、若い猛烈なパワーのエンジンだった頃。
 
 
そんな気持ちが、そのまま音になったような彼らのロックに出会った驚き。
 
まだこの1stではメタル寄りハードロック寄りの色が強いですが、その分、勢いがあります。
 
2nd以降ではもっとじっくりと腐っていくわけですが、ここでは何より大切な性急さがあります。
 
 
ちっぽけな僕を、はるかに追い越して、おいていかれそうな猛烈な音とキレで圧倒するような勢い。
  
もう一度、ロックという未知のものに出会い直したような、そんな衝撃でした。
 
 
自分の中で抱え込んでいた、隠しこんでいたものを、これでも喰らえとばかりにぶちまけてかつ、それが世間を圧倒してしまう事の痛快さ。 
 
そんなのありか、と。
   
 
それまで聞いていたLA系メタルやブリティッシュメタルや、メインストリームにとって、変わりつつあったスラッシュメタルでもくみ取りきれない非マッチョな負の音。
 
 
アリス・イン・チェインズやニルヴァーナやパールジャムが、音楽性は違えど、同じグランジという言葉でくくられることに意味があるとすれば、そういう精神面の共通性は、たしかに僕の中ではあったと思います。
 
同じ気持ちの部分を、彼らの音楽で、救ってもらったと心底思っています。
 
 
今でも、時にはそういう気持ちが顔をもたげることはあります。
 
仕事で精神的に戦っていれば、そういうこともあり。
 
 
そんな、何とも言えない気持ちを抱えて帰る道すがら、彼らのリフとかが、
頭の中でリフレインしている自分がいます。
 
ああ、あの音を聞く必要がある。あの音が今、必要だ。
 
今では、それが一つのバロメーターになっている気さえしている。
 
どうなんだ自分、と。
  
 
僕にとって、大切な部分を支えている、間違いなくそういう音の一つです。
 

"Man in the box"

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"We die young"

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ダーティー・プロジェクターズ「ビッテ・オルカ」2009US

2010-08-16 21:01:38 | グランジ・オルタナティブロック
Bitte Orca (Ocrd)

Bitte Orca (Ocrd)
価格:¥ 1,265(税込)
発売日:2009-06-09

 

 

 

Dirty Projecter「Bitte Orca」2009US
 
ダーティー・プロジェクター「ビッテ・オルカ」

1. CANNIBAL RESOURCE
2. TEMECULA SUNRISE
3. THE BRIDE
4. STILLNESS IS THE MOVE
5. TWO DOVES
6. USEFUL CHAMBER
7. NO INTENTION
8. REMADE HORIZON
9. FLUORESCENT HALF DOME


デイヴ・ロングストレス(G/Vo)
アンバー・コフマン(G/Vo)
ブライアン・マックーマー(Dr)
エンジェル・デラドゥーリアン(Kb/B/Vo/Samples)
ナット・ボールドウィン(B)
ヘイリー・デックル(Vo)

 
ニューヨーク郊外ブルックリン発、エール大出身の超インテリによる新星バンド。
 
古くはヴェルヴェット・アンダーグラウンドの時代からアート系ロックを育んだ土壌でもあるNY。
 
パンクやHIPHOPを生み出した街でもあるNY。
 
そして今やバトルズやMGMT、TVオン・ザ・レディオら、真に革新性を持った個性的かつ特徴を持ったバンドを輩出する街。
 
 
クールで、インテリジェントで、テクニカルで、音響的で、音楽的な切り口から全く新しい音楽を生み出し続ける。
 
しかしそのインテリジェンスがどこか楽観的なPOPさへつながっていくのが時代の気分。
 
 
しかし同じPOPでサイケでも一味違う。
 
 
すべての音が逆回転しているような奇妙な音のパズルのよう。
 
音の破片ひとつひとつが鋭利なガラスの破片のような様、それがPOPに繋がってゆくさまはビョークとも共鳴する一面か。
  
 
人間的なぬくもりがあるようで、どこかマネキンがうたっているような無機質感が漂う。
 
湿った感傷はない。
 
70年代の宇宙映画を見ているような、不思議な感情を湧きおこさせる女性コーラス。
 
 
しかしその奇妙な音の連なりが、いつまでもそこに引きずり込まれていくようなポップな癒しの音になっていることに気づくころには、
もう彼らの術中にはまっているということ。
 

前作でUSハードコアの雄にしてカート・コバーンらグランジの教祖ブラックフラッグの名盤「ダメージド」を彼ら流に
料理したアルバムを出したり、本作中でHIPHOP(その後Rootsと共演)やR&Bやソウルの要素が感じられたり、とやはりさまざまな
音楽と時代を潜り抜けた今でしか生まれえなかった音であり、デイヴ・ロングストレスという人の才能をもって料理された新しい地平。
 
 
同時に思うのは、こんなに奇妙な音しかリアルに聞こえない我々について。
 
POPさは社会の鏡。
 
それをつむぐDirty Projecters。
 
この奇妙さが、今や業界の注目株の筆頭。
 
それは我々自身のデッサンか。
 
その筆力、眼力、アプローチの妙。
 
傑作でしょう。 

 
"STILLNESS IS THE MOVE"

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"TEMECULA SUNRISE"

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TVオン・ザ・レディオ「ディア・サイエンス」

2010-05-05 18:50:49 | グランジ・オルタナティブロック
ディア・サイエンス ディア・サイエンス
価格:¥ 1,980(税込)
発売日:2008-09-24

TV on the radio「Dear Science」2008年US
ティーヴィー・オン・ザ・レディオ「ディア・サイエンス」
 
1. Halfway Home
2. Crying
3. Dancing Choose
4. Stork and Owl
5. Golden Age
6. Family Tree
7. Red Dress
8. Love Dog
9. Shout Me Out
10. DLZ
11. Lover's Day
 
Tunde Adebimpe(トゥンデ・アデビンベ)(Vo)
Kyp Malone(キップ・マローン)(Vo/G)
Gerard Smith(ジェラード・スミス)(B/Key)
Jaleel Bunton(シャリール・バントン)(Dr)
David Andrew Sitek(デイヴィッド・シーテック)(G etc.)
 
 
ニューヨーク ブルックリンを拠点にする彼らは、今や実験的で先鋭的な音の発信源ともいえるニューヨークにおいて、最も影響力を持つグループのひとつになりました。
 
メンバー5人のうち4人が黒人、もちろんヴォーカルも黒人。
アフリカンでトライバルなリズムをエレクトリック、かつ重厚に複雑に絡めながら、大胆かつしなやか。
 
既成の枠から自由でポップな、ソングライティングのセンスを見せつけます。
 
その雑多な様は、かのプリンスを彷彿とさせます。トライバルでエレクトリックな感じはピーター・ガブリエルを想起させます。ファイン・ヤング・カンニバルスなんて名前も思い出しますがどうでしょう。
 
 
主要メンバーで唯一の白人、デヴィッド・シーテックはかのマッシヴ・アタックの新作やスカーレットヨハンソンのデヴューアルバムをプロデュースするなど時の人。2008年4月NME誌で音楽の未来を担う50人の一位。
 
デヴィッド・ボウイもトレント・レズナーもファンと公言し前座に抜擢するなどMusician's Musicianだったのが、本作によって世間的な評価も勝ち得た、と言える作品です。2008年のRolling Stone誌、SPIN誌でBest of 2008 albumに選ばれています。
  
フロントをつとめるトゥンデは俳優としてもアン・ハサウェイがアカデミー助演女優賞にノミネートされた「レイチェルの結婚」で相手役を演じるなど大活躍です。
 
 
さて1曲目は、まさにピーター・ガブリエル的アフリカンでエレクトリカルでPOP、スケール感とサイケ感のある曲とビーチボーイズ的なヴォーカルの絡みがとてもカッコいい一曲です。
 
そして2曲目は、さしづめファインヤングカニバルズ?!的なバラードっぽい曲。ギターにサックスが渋い。ファルセットで歌い上げるまさにアーバン・ブルース。
 
3曲目はタイトルどおりアップテンポでPOPなダンスナンバー。雑多な楽器群が音の洪水のように押し寄せます。
 
4曲目は再びスローな曲。まるでプリンスのような濃密さ。
 
このあたりまでがとてもR&BでファンクでPOPなテイスト。
 
  
5曲目あたりから徐々にアヴァンギャルドに。楽器群とボーカルが一気にサビになだれ込むあたりは圧巻。音響オタクの面目躍如。
 
6曲目はリズムを廃したドリーミーでサイケな浮遊感満載の曲。とても憂鬱で素敵。
後半オーケストレーションが入ってくるあたりはまるでマーキュリー・レヴかスピリチュアライズド。
 
7曲目はエッジの効いたギターカッティングとボーカルとサックスの絡みがカッコいいハードなナンバー。後半にかけてキーボードとアフリカンなビートがタフなグルーヴを盛り上げます。
 
8曲目は名曲。自然で淡々とした歌が徐々に哀愁をただよわすレッチリ的ナンバー。もちろん音の洪水つき。 
 
9曲目はなんかアフリカンな雰囲気ただようミドルテンポのナンバー。堂々としたボーカルが風格さえ漂わすかと思いきや、恐ろしい転調というかテンポアップにアッパーを食らいます。かき鳴らされるギターとアフリカンリズムが異なるテンポで複雑に絡み合いながらグルーヴを巻き上げてゆく得意の形。
 
10曲目は女性コーラスが入り徐々に荘厳でゴシックな雰囲気になってゆく重厚なナンバー。
 
最後11曲目は現代版音の壁の祝祭のパレードのように幕がおります。
 
 
こうして振り返ると、雑多なようで、一本アヴァンギャルドな音へのこだわり、アフロで、ダビーで、アグレッシヴなところが彼らの核として、揺るがないところでしょうか。
 
本作では、それに加えてPOPかつソウルフルな魅力、盟友アンティバラスのメンバーによるファンキーなブラスなどが加わり、稀代の名作が出来上がりました。
 
  
彼らの音からはどこかインテリジェントな香りがします。
そのインテリジェンスから来る屈託のなさ、明るさ、伸びやかさ、のようなものがヴァンパイヤ・ウィークエンドら同時代のバンドと共振するところのような気もします。
  
時代や社会という重みを、軽やかに超えてゆける楽天的なインテリジェンス、それを可能にする伸びやかな才能。
 
こういう人たちが、どこへゆこうとするのか、そして時代を先導してゆくのかな、という感じがします。  
 
現在彼らは1年のツアーを終えて、1年の活動休止状態にありますが、今年後半あたりから動きが聞こえてくるんじゃないでしょうか。
 
彼らにとって本作は通過点、でしょう。
しかし傑作には違いありません。
 
時代を乗り越えられる可能性をもったアーティストによる、今の時代を強く感じさせる一枚でしょう。
 
 

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ザ・シンズ「ウィンシング・ザ・ナイト・アウェイ」 

2010-04-29 18:46:27 | グランジ・オルタナティブロック

The Sins「Wincing the Night Away」2007年US
シンズ「ウィンシング・ザ・ナイト・アウェイ」 
 
01. SLEEPING LESSONS
02. AUSTRALIA
03. PAM BERRY
04. PHAMTOM LIMB
05. SEALEGS
06. RED RABBITS
07. TURN ON ME
08. BLACK WAVE
09. SPILT NEEDLES
10. GIRL SAILOR
11. A COMET APPEARS
 
 
James Mercer(ボーカル、ギター)
Martin Crandall(キーボード、ベース、ギター)
Dave Hernandez(ベース、ギター)
Jesse Sandoval(ドラム)
Eric Johnson(ギター)

 
結局40万枚も売れた2nd「Chutes Too Narrow」に続く3枚目のアルバムがこちら。
  
前にレビューしたモデストマウスに見出され、ニルヴァーナで有名とはいえインディーズのSUBPOPから。初登場全米2位。2000年代のSUBPOPの新たな看板として、レーベルを支える

存在でしたが2008年にレーベルから離脱しています。
 
本作は2008年のグラミー賞で、「最優秀オルタナティブ・アルバム」(Best Alternative Music Album)にノミネートされました。
 
 
音の基調としては、ビートルズやビーチボーイズのようなハッピーでドリーミーなメロディアスな絶品のソングライティングが何よりも特筆されます。
 
カントリータッチ、フォークタッチ、ガレージなインディーズタッチの味付けが2000年代ならではのテイストもあり。海を連想させるところはモデストマウスとも共通するところです。
 
またポップセンス抜群の曲を歌いこなすほどよいハイトーンボーカル。
 
ますます細分化の一途をたどる今のロック界、多量発生する60年代的ドリーミングサウンドの中で、よいメロディを書けることがやはり何より強いということを証明しました。
売れるのも当然です。 
 
60年代的なポップメロディ、アメリカンなテイスト、インディーテイスト、そこにどこか繊細さを感じさせるボーカル。ところどころエレクトリックな作りこみが、フレーミングリップス以降って感じで、本作が丁寧に作りこまれた感じを伝えます。
 
捨て曲というものがまったくありません。
それでいて媚びた感じもないし、甘い感じもしないところが不思議。 
 
それは彼らの心のあり方が、素直に投影されたメロディだからかも知れません。
人生やら時代と自然に向き合う様。
 
ピュアともサーフポップとも称される彼らのメロディ。
小手先ではない彼らのアティチュードが、キレイなだけではない本物の爽やかさを生み出している気がします。
 
そうだとしたら、とても耳ざわりのいい彼らの音が、こんな時代を生きる僕らに投げかけているものは、とっても深いものだという気がします。
 
間違いなく、00年代の傑作のひとつです。

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