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Rock Climber 洋楽レビュー

Rock、HM/HR、Alternative、Jazz、ラーメン

ラール・エ・ラ・マニエール(フレンチ、銀座) 

2010-07-11 13:51:31 | 食・レシピ

銀座のラール・エ・ラ・マニエールに夜、行きました。

 

まあ1万円であのボリュームと工夫、なによりそのやる気と気概が気持ちいい、気分の良くなるお店でした。

 

まずはじめのアペリティブにビーツとオレンジのジュース。

 

そしてオードブルがほどよくしんなりさせてある辺りから気が利いています。

 

次の前菜の野菜盛り合わせから結構なバラエティ感を堪能でき、実量以上のボリュームを感じます。

おくらって生で食べれるんだ、って思いましたが。

 

パンは新丸ビルのポワン・エ・リーニュから取り寄せ、すべて温めてあって、トマトやメイプル、コーンなど甘めのものからバラエティに富む非常においしいもので、おかわりも持ってきてくれます。

 

次にムール貝のスープが大きな皿にきました。メレンゲを焦がした表面がアクセント。

 

次の来たのが、ハモと燻製ハム、ゆり根、とソースを絡めて、一口でほおばると、チーズのこげとスモーキーなハムと全体があいまってやはり非常にうまい。

 

さらにオマール海老、蕪に後からトマトコンソメのスープを注ぎ足す一皿。添えてあるなすのピューレと混ぜていただくと、非常にうまい。 

 

グラスワインの値段がわからないので、こわくて白ワイン一杯でここまで粘ったが、まだ魚介の皿とお肉の皿が一皿ずつあることを確認し、赤ワインを一杯追加。

 

スモーキーでさっぱりとした赤ワインと合う。 

 

全体通して、素材の味わいと絶妙なこげ感、火のいれ具合のバランスのとり方、が料理の大きな特徴になっていることに気づきます。

 

食事ラストは、わらに鶏肉を丸ごと包み込んで焚き染めた焼き物。

なべに入った状態で、同時間帯のお客にテーブルを回ってお披露目。

 

手羽部分と胸肉、もも肉の3部位がそれぞれ出て、濃厚なわらの香りと肉汁ソース、甘めのマッシュポテトのピューレといただく。ぎりぎりの香りの濃厚さでした。

 

これでおなか一杯、というところで小さなデザート、にんじんジュースにパッションフルーツ、ジンジャー入り、で口直し。

 

次に来たのが、なんと今組み上げたばかりの巨大なミルフィーユ、大きさと豪快さにびっくり。鳥もそうですが、その場の4組くらいのお客に切り分ける前に店に来る配慮がにくいです。

 

どのくらい来るかと思えば、結構な大きさで来ましたが、いただくとサックサクで軽いので、超すっぱいベリーのアイスクリームとぺロッといただけました。

 

かなり濃いコーヒーと合うこと。

 

で、さらに、ここで、試食ぐらいのサイズのクリームブリュレと温かいマドレーヌに焼き菓子2品。まあ、量を少なめにして、品数を増やし、サプライズ的にこちらの予想を超えてくる演出が、いいですね。そのあたりの気持ちというか気概に拍手というか。

 

これで、ワインの値段もグラス一杯2000円前後、で、こういう店ならまあそうでしょう、という範囲内。どれだけそこで持っていかれるかと思いましたが、全然普通。

 

というよりも、1万円でこの満足感はちょっとした驚きでした。

料理の内容、という以上に、何かシェフの気持ちに価格以上のものを感じた気がします。

 

焼き加減などの香りの濃さが、もしかすると人によってはギリギリのライン、かもしれませんが。

 

帰り際にご挨拶に顔をのぞかれたシェフはパリ帰りでまだ34歳とのことで、精悍でまじめな印象で20代後半にも見えましたが、これからもっと有名になられるかもしれませんね。

 

ウェイターさんが皆さん若いんですが、中にちょっとまあつたないというか、全体的にこなれた感が未だないのが、玉にキズでしょうが、お料理がそれを補って余りある、非常に満足な時間でした。

 

あ、あと時間でいえば、19時から食べ終わりが23時、トータル4時間で、皿が出てくるに応じて順調に食べてそれなので、ちょっと時間かかりすぎ、というのもフランス感覚でしょう、あやうく終電ギリギリでした。

以上。 

 

<<まんぞく度ランキング>>

一位:てんぷら近藤(和、銀座)

二位:ラ・ベットラ・ダ・オチアイ(イタリアン、東銀座)

三位:シェ・ヤマライ(広島)

四位:ジョエル・ロブション(フレンチ、恵比寿)、ラール・エ・ラ・マニエール(フレンチ、銀座)

五位:ラトリエ・ドゥ・グー(フレンチ、吉祥寺)、シェ・パルメ(フレンチ、渋谷)

六位:トリスケル(イタリアン、広島)

七位:ロス・レイエス・マーゴス(スペイン、代々木上原)、カサ・デ・フジモリ(スペイン、広島)

八位:サヴォイ(イタリアン、目黒)、ナプレ(イタリアン、青山)

九位:アルポルト(イタリアン、六本木)

十位:

サルヴァトーレ・クオモ(イタリアン、表参道、赤坂)

リストランテ・ヒロ(イタリアン、代官山)

メイハネ・トプカプ(トルコ、青山)

瀬里奈(新宿)

スーパーダイニングジパング(赤坂)

高瀬(代々木)

 

<番外編>

カリブ(広島・坂)

利久(牛タン、仙台)、旨味太助(牛タン、仙台)

 

<ハンバーガー満足度ランキング>

1.East Village(池袋東口)

2.Oatman Diner(池袋西口)

3.632(原宿)

4.ウエストパーク・カフェ(赤坂)

5.サニー・ダイナー(北千住)

6.ベーカー・バウンス(東京ミッドタウン)

6.クアアイナ(青山)

7.バーガー・キング


アークティックモンキーズ

2007-05-03 13:52:39 | 食・レシピ
ワン・フロム・ザ・モダン ワン・フロム・ザ・モダン
価格:¥ 2,541(税込)
発売日:1999-09-02

<ブリティッシュロック vol.2>

アークティックモンキーズ 「I Bet You Look Good On The Dancefloor」(2006年11月UK)

1. The View From The Afternoon

2. I Bet You Look Good On The Dancefloor
3. Fake Tales Of San Francisco
4. Dancing Shoes
5. You Probably Couldnt See For The Lights But You Were Looking Straight At Me
6. Still Take You Home
7. Riot Van
8. Red Light Indicates Doors Are Secured
9. Mardy Bum
10. Perhaps Vampires Is A Bit Strong But..
11. When The Sun Goes Down
12. From The Ritz To The Rubble

13. A Certain Romance

正直1stをきいただけの状態では、そこまでの良さは感じられずにいた。しかし先日2ndを試聴して、さらにグルーブを増してソリッドになった音を聴き、ツェッペリンの後期のサウンドを連想し、すこしまじめに取り合わなくてはならない気がしてきたので、1stを振り返ってみる。

全世界で200万枚。日本でも10万枚。オリコン入りはボンジョヴィ以来。まず彼らがなぜそんなにうけるのか。まずイギリスでブレイク前にバンドの友人が音源をインターネット上で流したモノが大受けしたという事態。その事実をもってレコード会社と契約しシングルが2曲初登場1位となり、本アルバムも大成功。

インディーズ音源のダウンロードは山のように出回っているので、そのこと自体が理由ではない。音の特徴として言えるの

Whatever People Say I Am, That's What I'm Not Whatever People Say I Am, That's What I'm Not
価格:¥ 1,567(税込)
発売日:2006-02-21
は、パンク並みに早くコンパクトな楽曲、ほとんど全ての曲がつんのめるようなギターカッティングのリズムで性急なテンポをつくっていること、それでいて昔のパンクの単調で一辺倒な感じとは違いメロディーのバリエーションが多彩なこと、たまに入るコーラスも含めてポップさの完成度はファーストとは思えないほどで、その辺があまり老成しすぎて小さくまとまったブリティッシュロックが陥りがちなスケール感のなさに片足つっこんでいる印象があった。

又、出身のシェフィールドという町のやさぐれた日常をあくまで若く青臭い感情、少しの正義感とやけくそ感を自分の言葉で物語的に言葉を費やしてうまれてるストーリー性、曲の途中で転調が効果的に入りストーリーに抑揚を生み出していること、あと若いのにハスキーな声がトレインスポッティングの主人公達のような個性を感じさせストーリーテラー役として効果的に働いていること、以上のいくつかの要素が同時に鳴らされたときに、独特のグルーブが生み出されているようだ。それは今までのブリティッシュロックと一線を画するオリジナリティをもち、パンクとも、はたまたツェッペリンのリズムとも違うものだ。

アークティックが世に出る前夜の2000年代のイギリスの状況はまず米国産のストロークス、ホワイトストライプスによるガレージリバイバルがNME誌の扇動でひとつの動きとして英国産のリバティーンズを生み、それを要素として取り込んだ上でのポストパンクとしてポップロック、ダンスロック的要素をもったフランツフェルディナンド、カイザーチーフス、カサビアン、キーンといったバンドが100万枚レベルのセールスを生み出し始めた。そこにでてきたのがアークティックであり、チャート的にも第二次ブロットポップといわれるまでの動きを見せている状況である。

妙に完成度の高い曲構成やメロディーには、破綻のなさや小さくまとまっているという印象もぬぐいきれない。さらに、あくまで相対的にシーンを見たときに、これほどの完成度と価値の可能性を感じさせる片鱗をもっていて、かつ若さと勢いをもち、ブリットロックの流れの真ん中を行くバンドが見あたらない、そのためにメディアに時代の盟主だ、と持ち上げられすぎている面も否定できないだろう。そうでなければ日本でこの音が10万枚というのは説明がつかない。日本のファンの耳がそんなに良いとは思えない。しかしメディアの期待の強さがほかのバンドとは違う、それだけのポテンシャルと根っこをもっていることは確かだろう。2ndを試聴してそれは感じた。サマーソニックのヘッドライナーも完璧にこなすだろう。

メディア主導とマイスペース配信のDIY精神の絡み合いで進んでゆくこれからのシーンの中心にアークティックが居続けるのか、どんな成長を見せ、影響をもたらすのだろうか。