由紀さおり~高校最後の頃、ラジオから流れるのをいつも楽しみにしてた。なんときれいな、スキャットという言葉も始めて耳にした。寒い部屋でよく聞いたものだ。レコードを手にするまで顔も見たことがない。イメージはどんどん膨らんで自分なりの思いを描いた。
ジャケットを手にしてまったく違った。すごく日本的だ。僕が描いたのはショートカットの似合うボーイッシュな女性だった。それから40年以上が過ぎ再びクローズアップされ久しぶりにレコードジャケットを眺めて、スキャットを聞いている。不思議とあの当時のことを思い出している。
失恋の思い出だ。妻もそうだという。お互い顔を見合わせ笑った。
このCDに収められた、わすれたいのに I love how you love me いいなあ、久しぶりに聞いた。思い出した、モコ、ビーバー、オリーブだ。1969年、忘れられない時だ。