”何事もよらず、一言 言わないと気がすまない人たちへ”
1996冬~神戸"TWEEDMATH"から届いた葉書。トラッドが好きだということをわかっているから書ける文章だ。
神戸、三宮高架下にあった時の"TWEEDMATH" オーソドックスなウィンドウディスプレイを懐かしく感じる。定期的にディスプレイを変えてウィンドウショッピングが楽しめた。
今のお店ではハンガーにかける、棚に並べるだけで、店にいる人、売る人たちに個性、主張がなく、ピリッとした緊張感がないし、ディスプレイにも創意工夫がない。
高校生のころ、メンズショップの扉をあけ、店の中に入るのに勇気が必要だった。デパートのVANコーナーとは一味違った緊張感があり、大人の世界への第一歩だった。店の人に教わったり、観察したりして自分のスタイルが築かれていった。
今はどうだろう?トラッドを極めるという"BROOKS"において「菱屋」を知らない世代に出会いびっくり、真のトラッドが伝わるはずはない。
当時の雰囲気を求めるのは贅沢なのだろうか。求めるのがいけないんだ、こんなものなんだと思ったほうがいい。
トラッドは突然、偶然にブランドの枠を超え私の前に現れる。「あなたが着てくれるのを待ってた」と・・・これがウィンドウショッピングの楽しさだ。