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選挙に欠かせないのは・・・「ニンニク」!

2010年09月15日 22時22分27秒 | 台湾日記

 日本でも、7月には注目の参議院選挙があり、また昨日は与党・民主党の代表選挙と、最近は選挙続きですね。

 こちら台湾も、11月27日には行政院直轄5都市の選挙を控えています。
(与野党双方の立候補者などはこちら国民党民進党

 この選挙は2012年の次回総統選挙の前哨戦とも、馬英九政権にとって事実上の中間選挙とも言われています。
 また5都市の人口は台湾の全人口の60%をカバーしている事から、地方選挙とは言っても、台湾の政治情勢を占う上で大変重要な選挙です。

 立候補者の届出は、今週一週間、13日から17日まで受付されます。
 これ、日本の場合はたいてい、注目される候補者は受付開始初日に届出を済ませるものですが、台湾の場合はかなりバラバラです。
 これは、メディアの露出度やライバル候補とのかけひきなどを計算しているという事もありますが、旧暦に則った縁起のいい日にちや時間を選んだり、また占いで決める、という場合も珍しくありません。

 という訳で、日本なら一日で終わってしまう「注目候補者が届出」というニュースも、台湾では受付期間中、小出しに(?)楽しむ事ができるのです。
 こうなると、この一週間毎日イヤでも目にするもの・・・それはズバリ「ニンニク」です!!

 中華料理によく使うニンニクで、候補者をもてなす??精力のつくニンニクで候補者を元気付ける??
 ・・・いいえ、どれも違います。

 「当選」は、台湾語で「凍蒜」と言います。ちなみに、これは元々の台湾語の発音に漢字を当てただけですので、「凍ったニンニク」という意味があるわけではありません。
 「当選」→「ドンスヮン(台湾語の「当選」)」→「凍蒜(当て字)」→「蒜の字と音に引っ掛けて、ニンニクを選挙当選の縁起物にしてしまえ~」という、何ともシンプルすぎる由来により、いつしか、支持者らが候補者にニンニクをプレゼントしたり、選挙事務所に大~~きなニンニクを置いておいたりする習慣がすっかり定着してしまいました。
 立候補者の届出を報じるテレビなどを注意して見ていると、各地方の選挙管理委員会に向かう候補者の後ろで、ニンニクやパイナップルなどを高々と掲げて、「凍蒜、凍蒜!!」と叫んでいる支持者などが目に入ります。

 ん??大蒜だけではなく、パイナップルも縁起物なのか??


パイナップルも選挙事務所によく鎮座している

 実は、台湾語と引っ掛けた縁起物はまだまだたくさんあるんです。
 パイナップルの台湾語は「旺来(当て字)」と言い、「旺」には、繁栄、繁盛、勢い、といった意味があります。
 「旺来」→「繁栄がやって来る」という訳で、実はパイナップルは、選挙に限らず、商売繁盛などと引っ掛けたおめでたい縁起物として広く知られています。

 もう一つ、よく目にする縁起物と言えばこちら。


イエス、大根です
(本当は縁起物としては葉が付いているものの方が好まれます)

 大根も言葉遊びの要領で、大根の台湾語は「ツァイタオ(当て字で「菜頭」)」。
 この大根の「ツァイタオ」という発音は、台湾語の更に別の言葉、「良い知らせ、吉兆」という意味の「好彩頭」の「彩頭」とよーく似ています。
 はい、とーっても簡単ですが、「発音が縁起の良い言葉に近い」というだけで、大根はみなに好まれる縁起物となっています。
 大根も、選挙だけではなく、様々なシーンで活躍する縁起物です。

 中国語はもともと、同じ発音で意味の異なる漢字を当てはめたりする、「知的な言葉遊び」の幅が広い事で知られています。
 台湾の場合は、台湾語という要素が加わるので、ゲン担ぎを重視する人々の生活文化とあいまって、その独創性は更に広がっているわけなんです。

 みなさま、今度日本で選挙があったら、ニンニクやパイナップル、大根などをご用意されてみてはいかがですか??(華)

9/15の「ようこそT.room」では、5都選挙の候補者届出の様子やこれら縁起物などの話題を、正しい台湾語発音付きでご紹介しています。
↓9/15の日付をクリック!
 

【オマケ】

台湾語から来たその他の選挙用語講座
「搓圓仔湯」

 ↑は、「湯圓」です。
 このお団子をこねる作業、小さい子供の頭を「いい子、いい子」となでるしぐさに似ていますよね。
 というところから、選挙を戦う者同士や、何らかの競争関係のある人同士の一方が、相手方にメリットのある交換条件などを持ち出して納得させ、参選辞退や寝返りなどを取り付ける、という時に、「湯圓のお団子をこねる」という意味の「搓圓仔湯」という表現が使われる事があります。

 子供の頭をなでて手なづけるのと、政治的な裏取引というのはずいぶん違う気もしますが、要は「相手を気分よくさせて自分の元に引き込む」という事のようです。
 う~ん、台湾の政治用語を理解するのはなかなか大変です。
 また新しいオモシロ用語を発見したらアップして行きたいと思います。


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1 コメント

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ニンニクとは! (万太郎)
2010-09-17 17:29:14
処かわれば品変わる、ですねぇ、ニンニクとは
何か候補者は中世のドラキュラ、悪魔祓いのようですね。
もっとも悪徳政治家は国民にとってドラキュラの様ですからね。

日本だと、「とんかつ」(=勝つ)や「目無しダルマ」(=念願成就すれば目を入れる)、神社の「お札」「お守り」、などですね。

候補者にしてみれば、日頃の悪魔祓い?をして、早く当選したいところなんでしょうかね。

ではまた





                                          
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