




トミー青山は30年前に出現した元祖アスリート女子レスラーだった。入学したばかりの中京大学を中退し、全女に入門。早くから負け知らずのエリートで、メキシコ遠征で多くの必殺技をマスターした。新人時代から得意にしているジャイアント・スウイングは、ライオネス飛鳥以前の代表的な使い手。ヒップアタックも同期のジャガー横田より早く公開した。そのジャンプ力の高さを見てほしい。十八番はクイーン・スペシャルと呼ばれた変則ボディプレス。リング中央からコーナーに駆け上がり、倒立した勢いでプレスする。トミー以降の使い手はいない。圧巻なのはトップロープを越えたプランチャだ。あまりに早すぎて、ピントが合わすタイミングを失ったほど。不世出の名レスラーだった。