■ 決勝トーナメント ベスト8 |
アルゼンチン(0-4)ドイツ ・前半3分 ミュラー(ドイツ) ・後半23分 クローゼ(ドイツ) ・後半29分 フリードリッヒ(ドイツ) ・後半44分 クローゼ(ドイツ) |
■ マラドーナ・アルゼンチン敗退 |
◆ 戦術は、メッシ
私が子供の頃のフットボール選手のヒーローは、マラドーナだった。
みんながドリブルで相手選手を抜こうとし、神の手と言って手でボールをゴールへ押し込んでいた。
そのアルゼンチンの英雄マラドーナが率いた86年、90年のアルゼンチン代表と同じ時代に君臨していたのがドイツ代表(当時、西ドイツ)だった。当時の西ドイツにも魅力があった。前ドイツ代表監督のクリンスマンとマテウスの2トップ。Jリーグでの馴染みのある、ブッフバルド、リトバルスキー、その他ヘスラー、メラーなどなど。今大会のドイツも若手の台頭によりタレントは揃ってきているが、それでもあの当時のドイツ代表は、意外と!?個性派がそろっていた。
この試合、アルゼンチンを応援して観ていた。
結果は、0-4で敗退。
現代フットボールに逆行するようなフットボール。もっと極端に言えば時代錯誤と言ってもいい。アルゼンチンのSBはあまりオーバーラップせず4人のDFラインが自陣で守備を形成する。勿論、SBがオーバーラップも仕掛けるがそれがチームの戦術として明確に存在するというよりは、選手の判断に委ねている感が強い。そもそも中央からの崩しの仕掛けが多い。そして、プレスやゾーンの概念が明確に存在しない。日本代表で言われるような、プレスの位置(高低)や局面における人数の掛け方など…。まどろっこしい戦術や理論はない。
前線の3人能力とイマジネーション、そしてタレントで攻撃をしかける。そのバランスを中盤の3人が保つ。実際に中盤の間延びを見れば一目瞭然である。しかし、それを中盤もマスケラーノを中心とした個と少しのチーム力で守る。
例えば、厳格なDFラインとMFとの2ラインでゾーンを形成してプレスと共にチーム全体として守備を行うわけでもなく、ボールに対して近くにいる選手がプレスを仕掛ける。とにかく、ボールホルダーへ対して守備を行うというものであった。
ただ、こういうアルゼンチン代表は、個人的には楽しませてもらった。
明らかに、「戦術は メッシ」
いいじゃないか!非常に分かり易い。マラドーナが現役時代にそうだったように、攻撃のタスクの全てをメッシが担う。
チームが唯一、この戦術だけを共有している。
◆ 美学
試合開始早々のセットプレーからの失点。
その後、同点にすべく攻撃を仕掛けるものの後半に3失点。終わってみれば、4-0という結果だった。
そうそう、テベスの運動量、スピリッツ…監督であれば誰しも欲しがるものを持っている。
ところで、メッシのコンディションが良くなかったという報道もあるが、この時代に個の能力を中心にチームを作り戦うことに無理がある。
しかし、このマラドーナのいさぎよさ(戦術的なことが出来ないのかもしれんが)とクラシックなフットボールを楽しんだ。
同じ南米の王者、ブラジルが自分達の美学を捨てて敗れたことと比べれば、マラドーナ率いるアルゼンチンが時代錯誤とも言える自分の美学で真っ向から立ち向かった姿には好感が持てた。
マラドーナがあと4年率いて、次回のブラジル大会の決勝で、ブラジルvsアルゼンチンを希望する。そして、W杯での両チームの真の死闘ってやつを見てみたい。
◆ 新生ドイツも面白い
最後に…ドイツについても、
2年前のユーロのチームと全く違うチームに作り上げたレーブ監督の手腕には驚いた。イングランド戦でも書いたが、中盤のエジル、トルコ系の移民らしいがドイツ人らしからぬテクニックとセンスを持っている。そして、昔から堅守ではあったが、あまりなかった速攻とテクニックと攻撃時、ゴール前での流動性などは、過去のドイツとは異なる新しいプレーを見せた。
スペインやアルゼンチン、ブラジルほど個々のテクニックには突出してないが、正確なプレーとスピードと動き。
次戦でのスペインも苦戦しそうな予感。ただ、イングランド戦でもあったが、若さゆえなのか、相手が圧力をかけてきた時にチーム全体が軽くなる部分がある。そこでスペインが確実にゴール出来れば、案外ワンサイドゲームになりそうな予感。
最後まで読んで下さって、ありがとうございます。
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P.S.
先日、友人と話していたが、今では、「日韓戦」が昔のように熱いものが湧き出ない。
それは、両国共に視線が世界へ向いてしまったからである。
でも、昔のような「日韓戦」を見るチャンスが唯一ある。それは、ワールドカップの舞台での日韓戦である。
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世界大会ではあれだけですね。
ジーコ時代
戦術はシュンスケ!!
アルゼンチンはよくぞやってくれたです。
完全個人主義戦術で、攻撃も守備も一対一。
今流行の攻撃はタレント任せたけど守備は組織という妥協の産物でもなく、(私は好きだが)守備は一対一だが攻撃はトータルみたいな超戦術でもない。
お互いが邪魔せず、局面でその気があれば助け合うことができるようバランスにだけ気をつけた布陣。
一度こういうチームを見たかったんで面白かった。
そしてこういうサッカーはやはり組織サッカーに勝てないことを証明したドイツの変貌も見事。
かつてはマンマークとセットプレイで勝てばいい、だったのが、ゾーンDFと仲間を使い使われる美しいムービングフットボールをしている。
それも割り切って守り、攻めるドイツらしい実効的な形でモダン化している。
日本はオシムによってこのモダン化を進めたが、完成させる指導者がいないので、妥協型に戻って結果は出した。それだけ。
ドイツは英、アルゼンチンを倒した、アフリカやアジア・オセアニアも倒した。どうせだからスペインとオランダも倒してもらいたい。
今のスタイルには文句のないチャンピョンになる資格がある。
でも負けてもいい。コージさんが喜んでくれるだろうからね。
こんばんは。
CSKA352さんなら分かっていただけると思うのですが、完全な80年代的なスタイルのアルゼンチン。ある意味潔かったというか笑えた。
でもね、これがマラドーナ率いるアルゼンチン。もし、これが戦術志向が強くて、リアリズムを全面に出したら、つまらなかったと思うんですよ。えっ、マラドーナが!?みたいな。2014年の決勝でアルゼンチンとブラジルとの死闘を見てみたい。勿論、アルゼンチンはマラドーナ監督で!出来れば、現地で見てみたいって友人と話してましたw
ドイツは、はっきり言って近年の中では最高に素晴らしいスタイルだと思いますし、何よりもこのチームを作り上げたレーブって、結構すごいかも!