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オランダvsブラジル 【決勝トーナメント ベスト8】

2010年07月03日 | ワールドカップ(南アフリカ大会)
■ オランダ代表に必要なもの

◆ ブラジルとオランダ
今大会のブラジルは盤石の強さで勝ち上がった。死のグループを突破し決勝トーナメントでは同じ南米のチリを撃破。
ブラジル国内では賛否があるようだが、安定した守備力とルイス・ファビアーノを中心としたアタッカー陣がチームを上へと導いたと言っても過言ではない。

オランダは世界中のサッカーファンを魅了するスペインとは異なるパッシング・スタイルを披露する。いわゆるトータルフットボールの代名詞と言っていいオランダ。

◆ 今大会オランダ代表への印象
私がこの両者のW杯での戦いを見たのは、94年と98年。いずれも好ゲームだった。両大会のベスト3に入っても良いと言える内容だった。いずれもブラジルが勝利をしたのだが…

今回のオランダ代表について言えば、上記の2大会のチームほどタレントに個性が強くないように感じる。もちろん、良い選手は同じくらいいるが、どこか物足りないと思っていた。ただ、逆に言えば、個性が強くない分、お家芸の「チーム内紛」が起きていないのではとも思う。どこか皮肉な話だが…

◆ ブラジルが先制するも…
前半完全にブラジルのペースだった。というか、オランダはチンチンにやられていた。まるで日本がオランダにやられたように。ボールを繋ぐという余裕すら失い必死にタッチラインにボールを吐き出すプレーをしていた。
ブラジルが前半10分、ロービニョのゴールで先制をした。オランダのCBが空けたギャップへロビーニョが入り込み、中盤からパスが出た。ちなみに、オランダのCBはブラジルのFWの動きに引きずられてスペースを空けているという、典型的にCB崩しである。

以前から当ブログで書いているが、ブラジルは前半20分くらいまでは全力で先制点を奪いにくる特徴がある。これは今回のセレソン同様、守備的と言われながら94年大会で優勝したチームでさえ同様だった。この辺はブラジル・サッカーのメンタリティなのかもしれない。ちなみに、94年のセレソンも守備的と言われていたようだが、ベベット、ロマーリオの2トップ、また今回スタッフとしてベンチに座っているジョルジーニョ(鹿島にいたね)などがいた。ちなみに、ジーコはフタッフとしてチームに帯同していた。

話を戻そう…前半はほとんど良い所なしのオランダを凌駕した。前述の通り、過去のチームと比較すると個性の弱さを感じているオランダは、後半もこのままブラジルにやられるであろうと思っていた。ところが、フットボールの怖さ、ある種チームの脆さと言ってもいい部分をブラジルはさらけ出した。

◆ 傾いたパワーバランス
後半8分、公式記録ではオウンゴールだが、オランダのクロスボールがブラジルのネットを揺さぶった。そして、この1点で両者のパワーバランスが逆転した。

前半を見る限り、ブラジルの強さは前回大会以上だと感じたし、堅実ながらも要所要所で非凡なテクニックを見せていたブラジル。一方、オランダは組織としてもチームとしてもどこか緊張感と疲労を感じさせるものがあった。頼みの綱のロッベンもあれだけマークされていれば、良いプレーをしろ!という方が酷な話だ。個人的な見解だが、オランダはこのクラスになると致命的な問題を抱えている。それは、ファン・ペルシーの1トップである。歴代のオランダのFWと比べると凄みに欠ける。ニステル・ローイ、ベルカンプ、クライハートなど、過去のオランダ代表にはその時代の一線級のFWがいた。

ところが、同点になった途端、ブラジルは冷静さを失った。逆にオランダが息を吹き返した。
そして、後半23分に逆転ゴールを決めたオランダ。

全体的な動きの質などでは、決してオランダが良いとい訳でもなかったが、それ以上にブラジルのリズムが崩れた。一度崩れたリズムは、残り時間全く取り戻すことが出来ず、下手なアマチュアバンドのようなリズムで試合を進め、ついにフェリペ・メロの退場劇で絶対王者としての姿はなくなっていた。

◆ オランダに必要なもの
個人的には、それほどオランダ代表が良かったとも思えない。スピーディーでワイドなオランダのフットボールこそがオランダ代表の代名詞だと思う。オランダの御大、クライフの言葉を借りれば「美しく勝利せよ!」。しかし、オランダらしい様式美はなかった。しかし、結果を出した。

実は、この結果がオランダ代表に必要なのかもしれない。毎回、優勝候補の一角に挙げられるもののサッカー・ファンの期待を裏切ってきたオランダ。この代表チームには、様式美よりも結果が必要なのかもしれない。次の相手は、ウルグアイ。劇的な勝利で勝ち上がった古豪である。試合を見る限りウルグアイにはどこか泥臭さと共にフットボールファンを惹き付ける魅力を持っている。そして、何よりも勝利へ対する強いメンタリティを持っている。

多分、今回のブラジル戦のような試合内容であれば、敗れると思う。

「オランダらしくない」必死の姿が見てみたい。勝利を渇望する者の姿を見てみたい。グループリーグ第2戦で戦った国のように。
不細工でも勝利に対して死にもの狂いで挑む戦いをしたらオランダ国民も「美しく勝利せよ!」という言葉以外のものを感じ取るかもしれない。

最後まで読んで下さって、ありがとうございます。
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P.S.
今夜は、アルゼンチンvsドイツ。
こちらも86年、90年の決勝で戦った両雄。アルゼンチンが勝利して、パラグアイvsスペインでスペインが勝利してスペインvsアルゼンチンを見てみたい!
そして、決勝は…オランダvs○○○。

皆さんは、決勝のカードはどこがいいですか?!

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2 コメント

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プロのアマチュアバンド (CSKA352)
2010-07-07 19:04:12
この試合見逃した。
ブラジルの強さの秘訣は、個人の強さ・センス・スキルなどのほかに、徹底された分業があると思っています。
トータルフットボールでは非とされるような、4人攻撃6人守備のような攻守分断。
最初はマエの4も守備を前でするのでプレスが効く。
疲れると分断するけど相手も疲れてる。後ろの5,6人で壁作って跳ね返しながら休養十分のスーパーな前4人が、決定的な仕事をする。

戦術的にはつまらないサッカーも結果でリードして余裕が出ると個々が遊戯と技術披露をして面白くまとめる。

でも今回それができるチームが他にもあった。
オランダがそう。6人守備、4人攻撃な上にピッチをワイドに使ったポゼッションというお家芸がある。
美しくないオランダが優勝するときがきたのかも知れない。
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コメントのお返事 (コージ)
2010-07-07 22:43:05
CSKA352さん

こんばんは。
オランダに関しては同意です。
この試合は、前半と後半のブラジルの変貌ぶりは不可思議でしたよ。なんだろ?ここまで変わるって思うほどオランダが同点にした後のブラジルの変貌ぶり。前半を見て寝た人はブラジルの圧勝を予想したであろうくらい前半は、オランダがチンチンにやられていたんでね。
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