とくおかレディースクリニック~ブログ~

日々、徒然なるままに、書き込んで参ります。
どうか宜しくお付き合い下さい。

4月の看護部・検査部便り

2011年04月11日 | 看護部・検査部便り
4月の看護部・検査部便り


皆様、こんにちは

ようやく寒さも落ち着き、桜が開花しだす季節となりましたね。
しかし、今だに余震の不安などから解放されることはありません。
被災地では多くの方々が、苦しい生活を余儀なくされています。

先日、ある患者さんからこんなお話をお聞きしました。
その方は、流産をされてしまった時だったのですが、
「震災のことを思うと、本当に辛い。私の赤ちゃんも亡くなってしまったけれど、
被災した多くの人々の事を思うと、悲しいなんて言っていられない。」と、
おっしゃられていたのです。
人の悲しみは、決して大小で計れるものではありません。
この方の悲しみが、被災した人々の悲しみより軽いものであった訳ではないと思います。
ようやく授かった命を失ってしまった悲しみは計り知れない程に大きいはずです。
この言葉の中に、この方の他者をいたわる慈愛の心を感じ、感銘を受けました。

今回の震災では、過去に新潟や阪神など各地の震災で被災した人々が、
率先して東北の方々の救援にあたっている話を耳にします。
人は、悲しみや苦しみを経験するごとに、強く優しくなっていくのだと思います。
痛みを知っているからこそ、他者の痛みにも気付き分かち合うことができます。

不妊治療をされている皆様は、日々様々な苦悩と向き合っておられると思います。
毎月の生理は、「小さな流産」と呼ばれることがあります。
期待して予感していた、愛しい命の誕生が、生理の訪れと共に消え去ってゆくことは、
それ程に悲しみや悔しさを伴うものであると思います。
それが毎月繰り返されることによって、心が疲弊してしまうこともあるでしょう。
周りの人を、羨ましく妬ましく思ってしまうこともあるかもしれません。
こういった黒い感情は、決して悪いもではありません。
少なからず誰しもが抱く感情であると思います。
しかしこれらの感情は、ひとつの通過点であると思います。
悲しみや苦しみを経験した皆様だからこそ、
授かった我が子に、より深い愛情を抱き、強い母親となられるでしょう。
また、治療をしていく中で夫婦の絆がより深まった、
女性として人として成長した、とおっしゃられる方々もいます。

当院に通われている皆様にとって、日々の治療がいずれ人生の糧となれば…
そのような思いと共に、治療に携わらせて頂いております。
明るく豊かな未来の日本の礎となっていく、新しい命の誕生を、
これからも全力でお手伝いして参りたいと思います。

最近では、放射線のことなどでも質問を頂くことがあります。
もし、不安なことなどございましたら、いつでもお声掛け下さいね。


とくおかLC 看護部・検査部スタッフより
とくおかレディースクリニック

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