
私は旅が好きで日本各地の旬と味を求め旅したものである。
そのなかで一番憧れ、目指したのは北の大地北海道である。
それも札幌周辺でなく道東の帯広から東に向かう海岸線、その途中には憧れの霧多布岬があってどうしてもみたかった岬のひとつでした。
礼文から南下して道東のユースホステルに泊まりながら、
旅したときに纏めた作品がこの長編、言わば過去の切れ端に書かれた一枚かな。
列車の窓から

起点はこの東の町のしょぼくれた駅から
街の駅のように混雑する事なく
数人が数時間に一本走るか走らない列車を待っている
私もその内の一人
古ぼけた駅舎が旅発ちの起点
鉄路には草が伸び
生気の剥げ落ちたホームの先に港が見えて
洒落の消えた駅から
私は古ぼけた列車に乗り東の岬を目指す
鈍い出足
下りて押したくなるような出だし
草の伸びた鉄路の上をガク・・ゆれながら
列車は次の駅に向って走る
窓から色褪せた山野が見え
小川に架かる橋の上をガタンゴトン・・ゆれながら走る
海が見え隠れする
薄汚れた窓に夕日が差し込んで
私の顔を夕日が染める
落陽
・・・
山野が夕日に染まり激しく燃えている
やがて陽が落ち辺りを闇が支配して
空には満天の銀河
失くした街の星空
再び出合えないと思っていた銀河の広がり
改めて北の空の美しさを知る。

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