rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

甘い香りのする羽蟻の夜

2012-07-09 20:45:30 | 生き物たち
羽蟻が、明るい社交場を求めて、網戸に群がっている。
ときには、より強い光源を求めて、部屋の中に入り込む輩もいる。
部屋の中に入ってしまった羽蟻は、仕方がないから捕殺する。
すると、えもいわれぬ甘く蠱惑的な匂いがするのだ。
たとえるならジャーマンアイリスの香りが、その匂いに近いだろうか。
ところが、今日、羽蟻を潰さなくても、その香りが網戸越しに漂ってきた。
甘い匂い、つまりフェロモンを撒き散らしていたのだ。
夏の宵に、必死で群れ集う羽蟻たち。
命の交合。
今日は、蜩も啼き始め、キリギリスもかまびすしい。
夏の夜は、命のざわめきに満ちている。


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