Landscape with a corn field near the sea
平地においての田舎暮らしでは、視界を占める空と景色の対比は3対2。
空を眺めない日はありえない。
ヤーコブ・ファン・ロイスダールは、17世紀のオランダの画家。
オランダこそ平地、低地の国、空は高く広大で、ずっしりと土地を押さえつけているかのようだ。
ロイスダールほど、空と雲を描いた画家はいないだろう。
どこまでも平らで、しかも海面より低い土地に住むオランダ人にとって空は、単なる景色の添え物ではない、景色と同等いやそれ以上の存在感を持ちえるのだ。
今日の夕方、中くらいの人を迎えに行くのに車を走らせていると、重そうな灰色の雲のわずかな隙間から、白く薄い高層雲とその奥にある薄水色の空が覗いていたのを見た。
幼い頃に見た、北の大地にある保育園帰りの夕空に似ていてノスタルジーを感じる。
そして、ロイスダールの絵を思い出した。
ロイスダールは、自分が立つ平らな土地よりも空をこよなく愛していた。
そうでなければ、景色より存在感のある空を描くことはないだろう。
なんとも勝手ながら、しかし敬愛を込めて「空の画家、ロイスダール」と呼ばせていただこうか。
Wheatfields
A Dutch Rural Landscape
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