
今回ご紹介するのは、ネオBLOX系列の別カテゴリー“レジェンドBLOX”より“ゴジュラス”。
レジェンドBLOXとは、ネオBLOXで導入された可動式ブロックを使い歴代ゾイドを作るコンセプトのカテゴリーで、その第
一弾を飾ったのがこのゴジュラス。ゾイドBLOXでも限定品とは言えシールドライガーやジェノザウラーがあったので、歴
代ゾイドをBLOXで再現は常々して欲しいと思っていましたが、ネオBLOXでようやく実現しました。でゴジュラスですがプ
ロポーションは素晴らしく、少々腕が長い事に目を瞑れば紛れも無くゴジュラスです。

バックビュー。背中にキャノン砲が付いてますが、本来ゴジュラスには付いていない追加装備です。旧世代ゾイドでは
これとは別のキャノン砲と補助武装の付いた機体を“ゴジュラスMk-2”、平成ゾイドでは“ゴジュラス・ジ・オーガ”と呼
んでいました(設定では制御プログラムがMk-2とは違うので、性能的には完全に別物です)が、今回のゴジュラスは
補助武装の無い中途半端な仕様。後にレジェンドBLOXで上記のMk-2が発売されましたが、その際はちゃんとキャノ
ンも設定通りの物に変更され、補助武装が追加されていました。恐らく、キャノン砲付けないと見栄えがしないとかの
理由で追加されたんじゃないですか?いずれにせよ嬉しい限りです。ただ、今になってMk-2買っておけばと後悔…。

ご尊顔拝見…この四角い顔こそゴジュラス最大の特徴!地味ながらも特徴的なゴジュラスの面構えを、見事に再現して
います。よく見ると、従来の電動ゴジュラスにあった顎部分のゴムキャップも、抜かりなくディテールで再現されています。
平成ゾイドでは、アニメの主役機をライオン型“シールドライガー”が務めた事で影が薄くなりましたが、旧世代ゾイドではゾイドの代表格と言えば、このゴジュラスだったのです。初期の時点で共和国側には“ビガザウロ”、“サラマンダー”、“マンモス”等の多くの大型ゾイドが存在しましたが、その中でもゴジュラスは別格で非常に人気が高かったです。何故なら、大型ゾイドで二足歩行の肉食恐竜型はゴジュラスだけだったからです。性能でも初期共和国ゾイドでは最強クラスで、初期の帝国代表格ゾイド“レッドホーン”を上回っていました。ゾイドは当時“戦闘機械獣”の別名が与えられていましたが、攻撃的なデザインからその代名詞となったのが、このゴジュラスだったのです。
しかし、そんなゴジュラスにも転機が訪れます。それはゴジュラスのライバル機“アイアンコング”の登場でした。こうして最強ゾイドの座を脅かされたゴジュラスですが、不幸は更に続きます。ゴジュラスのみで編成された大部隊を当時としては最新型帝国ゾイド、“デスザウラー”にたった一機で壊滅させられたことで、ゴジュラス黄金時代は幕を閉じました。ゴジュラスの名誉の為に補足しておきますが、ゴジュラスが時代遅れになったのでは無く、デスザウラーがバケモノ染みた強さだったからです。しかしそれでもゴジュラスは人気ゾイドで、いくら脇役でもアニメと同時に展開された初期ラインナップにもゴジュラスは含まれていましたし、後に現代のゴジュラス“ゴジュラスギガ”が開発されました。旧世代ゾイドを支えた功労者は、時を越えても健在だったのです。

キャノピーはもちろん開閉可能で、中には旧世紀ゾイドでお馴染みだった金メッキパイロットが。そして頭部の大きさとパ
イロットのサイズ比を考えても、このゴジュラスはオリジナルより小型みたいです。しかし不満点も有って、ゴジュラスって
本来はキャノピー内部、コクピットで言う所のコンソールパネル部分にゴジュラスの目があるデザインでして…。つまりで
すね、キャノピーを閉じていてもそれ越しにゴジュラスの目が見えたんです。しかしレジェンドBLOX版ゴジュラスには、そ
の目が無いんですね。出来れば中のパイロットを固定する為にも、コンソールパネル=目を造型して欲しかったんですが。

同じネオBLOXを使用した、二足恐竜型ゾイドのラプトイエーガーと比較…身長はゴジュラスの方が低いですが、この密度の高さと言ったら。
ちなみに価格はゴジュラスが1029円、ラプトイエーガーが819円です。

キャノピー内の目と同様に、レジェンドBLOX版ゴジュラスの欠点がコレ。腕パーツですが、元々ゴジュラスは腕の短い
ゾイドです。なのにこのゴジュラス、妙に腕が長いんですよね…おかげで重厚なプロポーションが崩れてます。
しかしこの形状、どこかで…?

ここがゾイドBLOXからの伝統“パーツ流用の妙”で、実はゴジュラスの腕はラプトイエーガー(画像右)のパーツと同じものを使用して
います。画像で比較すると、腕本体は全く同じでしょ?

この辺りに来るとおざなりにされていたゾイドの多重装甲ですが、ゴジュラスはしっかりと完備されています。内部フレー
ムそのものは細身ですが、左右から外装パーツを被せる事で脛を太く見せています。しかし、この形状もどこかで…?

腕パーツとは違い、こちらは…取りあえずステゴガンツァーの四肢パーツでご説明します(同じ形なのでブラキオラケーテ
でも可)。太腿部分はステゴガンツァー前足の上部分、脛部分はステゴガンツァー後ろ足の脛パーツを使用しています。
そして、よく見ると脛パーツは前後が反転していますね。パーツは同じですけど、前足と後足それぞれをミックスする事で、
適度な長さに調整しています。この辺の処理は絶妙。

続いて尻尾。電動ゴジュラスも尻尾は曲がりくねった形状で固定されていたので、今回のゴジュラスが尻尾が固定でも
別に気にはなりません。むしろこっちの方が良いかも。

先端の武器は、左右から中央穴に差し込む形になっていて、自由に取り外せます。ここに別パーツ付けるのも有りですね。
しかし、この先端に穴の開いた長い尻尾、これって…?

ラプトイエーガーの尻尾ですねこりゃ。この様にこのゴジュラス、パーツ流用が多いのに見事にゴジュラスに仕上がって
るのは凄いですね。流用パーツでも腕の長さだけはいただけませんが。

続いて本体の構造、ブロックはこの様に接続されています。胸部、腹部、尻尾付け根にブロックが使われていますが、
よく見ると胸部と腹部の間に中継パーツが噛んでます。

これはゴジュラス用新規パーツで、ブロックにこれを挟みゴジュラスのプロポーションを作る為の物です。
左画像だと左右にボールジョイント受け、上側にボールジョイント。ひっくり返した状態の右画像では、中央に
も受けがあります。ゴジュラスのプロポーションを作るだけでなく、カスタマイズに貢献してくれそうな好パーツ。

可動はネオBLOXの特性はそのままに、唯一の前傾姿勢じゃない二足型ゾイドなので、ネオBLOXの中で最も動かしや
すいです。頭部と首の接続にボールジョイント、首、胸部、腹部、尻尾根元、肩ボールジョイント、肘が軸可動、手首、股
関節ボールジョイント、膝が軸可動、足首がボールジョイントになってます。可動するゴジュラスは前から欲しかったので
すが、レジェンドBLOXで漸く実現しました。ただ、胴体の前掛け状パーツがクルクル横回転してしまって、動くたびに正
位置に合わせなきゃならんのは面倒。あと、ゾイドBLOXなのでロール軸は一切ありません。そこは諦めましょう。

それでは武器の解説を。“ハイパーバイトファング”、バイトファングはゾイドBLOX名物でしたが、ゴジュラスは別格なのか
ハイパーが付いてます。でも理由は別にあり、元祖ゴジュラスの牙も同じ名前なんです。

“クラッシャークロー”、腕の長さもですが形状が全然違いますけど、こちらもオリジナルと同じ名称が付いています。
ゴジュラスの魅力は爪形状もあったので、この形は残念。オリジナルには右肘に“TRZ20mmリニアレーザーガン”、左肘
に“ARZ20mmビームガン”がありましたが、残念ながら今回は無し。

“2連装ヘビーマシンガン”、これもゴジュラスの定番武器。ゴジュラス本体の大きさと比較して格段に小さい、それから
推測するに恐らくは足元の歩兵を掃射する武器なのでしょう。付け根からジョイントで縦回転し、角度を変える事が出来
ます。尚、オリジナルだと名称が“70mm2連装ヘビーマシンガン”となっています。

尻尾の根元には“パノーバ20mm地対空ビーム砲”があります、こちらも根元から縦回転します。しかしレジェンドBLOX版
ゴジュラスには、この武器の名称が何故か記載されていません。

尻尾の先端に付いている武装、これ先端側を“マクサー多用途マシンガン”と言います。上側の太い部分はてっきりスコ
ープかセンサーと思ったんですが、これ“ADMビーム砲”と言ってれっきとした火器です。こちらも元祖ゴジュラスと名称が
微妙に異なり、マクサー多用途マシンガンは“マクサー30mm多用途マシンガン”、そして ADMビーム砲が“ADM30mm
2連装ビーム砲”となっていました。

背中に有るのが“ロングレンジキャノン”、上記の通りゴジュラスMk-2やゴジュラス・ジ・オーガをイメージした武装です。
しかし、それらに比べると火器そのものが小型化されており、上記二種のイメージで見るとやや物足りないです。こちらも
オリジナルは微妙に違う名称で、そちらは“ロングレンジバスターキャノン”又は“ゴジュラスキャノン”と呼ばれていました。
こうして見ると、どれも部分的に省略された名称になっていますが、これはBLOXだけに小型化されたからでしょうか?

ロングレンジキャノンを外せば、素のゴジュラスに近い姿になります。せっかくだから、電動ゴジュラスっぽいポーズを
取らせてみました。それにしてもこれが小型ゴジュラスなら、小型ゴジュラスとして開発された恐竜型ゾイド“ゴドス”の
立場は…?あれロールアウト当初はメチャクチャ強かったって設定ですけど。
訂正。コメント欄にある通りすがりの方からの情報提供ですが、ゴジュラスとゴドスのロールアウト時期が同年である為に
ゴジュラスを下にゴドスが開発された訳では無いです。ただ、ゴジュラス並みに強かったって設定が独り歩きした様です。

総評としては、恐竜型ネオBLOX各種での不満を全て解消した出来!ってのは言い過ぎですが、限りなくそれに近い出来かと。流用パーツが多い割にしっかりゴジュラ
スに仕上がっていますし、背筋を伸ばした二足恐竜なのでポージングもやりやすい、これは恐竜三種には無かった大きなメリット。そしてゴジュラスと言う人気モチーフ!
これで出来が悪いわけが無い!発売当時もこのゴジュラスは大好評で、どこのサイトでも神認定されていました。ただ惜しむらくは、ずれ易い前掛けパーツ、ロングレンジ
キャノンの小型化と腕形状の違い、そして腕火器の省略、キャノピー内の目かなぁ?その辺を踏まえても、可動ゴジュラスとしては会心の出来栄えでしょう。これを設計し
た人、多分ゴジュラスがめっちゃ好きだったんじゃないでしょうか?愛に溢れてます。Mk-2ならもっと楽しめますが、このゴジュラスでも充分お腹一杯です。
使いまわしパーツに対して見た目のゴジュラス感が魅力的過ぎます
このシリーズだとなんだかムラサメライガーだけ怪しいクオリティでしたが他はよかったと思います...ほんとなんであいつだけ酷かったのか...
そりゃ価格帯は微妙に違いましたけど、腕の長さに目を瞑ればゴジュラス以外の何物にも
見えないので、十分に合格点です。本当、半分以上は既存のパーツなのに、よくここまで仕上
げたものです。ムラサメライガーは購入してませんが…流石にあれを買う気にはなれませんでした。
四肢が使い回しなのは仕方が無いにせよ、脛パーツが無いから貧弱に見えてしまって。
それはRZ版ゴドスの設定で「小型ゴジュラスと呼ばれる程の戦闘力を持つ」というモノですね。
ちなみにLBシリーズは「発掘された昔のゾイドコアにブロックスのボディを与えて復活させたモノ」なので
LBゴジュラスはゴジュラスを小型化しようとして開発されたものでは無いです。
コクピットブロックが小さくなった分、ネオBLOXを使用して作った小さいゴジュラス型ゾイド…
とまぁそんな意味で小型ゴジュラスと便宜上言っただけです。
だから私も、設定上これが実在する小型ゴジュラスとは思ってません。
で、オフィシャル設定を少し調べてみたのですが、確かにゴジュラスとゴドスのロールアウト年月は
ZAC2030年、同年にロールアウトされてますね。
となると…同時開発であってゴジュラスの量産型では無かったと。
いやいや、これは失礼しました。早速訂正しておきます。情報提供に感謝します。