大きな世界の小さな部屋

まぁ色々とヲタ趣味に関した話題をうんたらかんたらと…あと動物ネタなんかも。

人工機械獣群 セカンドステージ 04

2012年07月24日 10時42分20秒 | 玩具その他
さて、前回までネオBLOX三種“ラプトイエーガー”、“ステゴガンツァー”、“ブラキオラケーテ”をご紹介してきましたが、今回のレビューを始める前に少しお話しておくことが有ります。



以前ご紹介した旧ゾイドBLOX“マトリクスドラゴン”と“キメラドラゴン”の様に、ネオBLOX三種は合体ギミックが有ります。
BLOXですから無茶な合体も出来ますけど、この場合はオフィシャルで用意された合体モードが有ると解釈して下さい。


上記二種も単品版と合体セット版とで二種が販売されました、ネオBLOXも同様で共和国セット(未購入)と帝国セット…
つまり恐竜ネオBLOX三種がセット販売版が存在します。私がレビューしたものはセット版で、定価約3000円だったもの
を投げ売り価格1500円で購入したものです。ネオBLOXって不評だったのですよ…。


ちなみに単品版とは成形色が異なり、コクピットブロックのキャノピー色が単品版ではクリアイエローでは無くクリアパー
プルで、本体のレッドとパープルの成形色がセット版ではメタリック調だったものが、単品版では普通の単色になってます。


ゾイドBLOXでの最大の欠点は、BLOXのジョイント受けが軟質キャップを使っている事から来る“保持力の弱さ”。あの手
この手で対応していましたが、ネオBLOXから上記の新ブロックが導入されたのはこれまでのレビュー通り。確かに保持
力は上がりましたが、BLOXの強みは“クセの無い正方形なのでどんな形にも組める”事、なのに上記三種はこんな形状
でちゃんと組めるの?とちょっと心配。


かくして完成したのが、この合体形態“グランドラーゴ”!マトリクスドラゴンとかとほぼ同価格帯なのに、これデッカいです。正しくは、デッカい
よりも“長い”と言った方が正解ですか…ご覧の通り首が長くて尻尾も長いので、置き場には困りますねこれ。大型化したのは良いんですが、
ブラキオラケーテのレビューでも触れましたが本体がデカくても足が細いので、その辺のバランスが悪いです。


バックビュー。先ほど触れた長い尻尾はこちらでご覧下さい…中央にラプトイエーガーの尻尾、左右にブラキオラケーテの尻尾と首から成る長い尻尾
が有ります。四肢が細くてバランスが悪いのは上記の通りですが、合体BLOX共通の欠点“本体がデカくても武器が小さい”も相変わらず健在なので、
武器の面でもやっぱりバランスを欠いているんです。


ご尊顔拝見…ベースはラプトイエーガーで、その両脇にパーツを付けてシルエットの差別化を図っています。こう言った
処理はマトリクスドラゴンやキメラドラゴンでもやって欲しかった処理なので、ここまで来て漸く実現しました。


では、各パーツの使用率について。
まずラプトイエーガーですが、両足と肩アーマーのみでそれ以外は全て使用しています。中々良い使用率です。


続いてステゴガンツァーですが、こちらは頭+首、足首二つ、そして尻尾。ラプトイエーガーほどではありませんが、こちら
もこれだけ使用していれば充分でしょう。頭と尻尾は、それなりにクセの強い所なので残ったのでしょう。


最後にブラキオラケーテ…こちらはちょっと残念。でも旧ゾイドBLOXに比べれば、格段に使用率は上がっています。ただ、
四肢はステゴガンツァーと共通パーツなので、その部分だけはステゴガンツァーとパーツ使用率が入れ替わる事も有りま
すね。何せどっちも同じパーツですから。


胴体はこの様な構造になっていまして、合計8つのブロックはこの様に連結されています。最初は不安でしたけど、これ
だけ上手い形になってれば充分じゃないですか。ステゴガンツァーやブラキオラケーテで不満だった、“ぷっくり膨らんだ
腹部”もちゃんとそれっぽい形になってますし。ただ、やっぱり正方形の旧BLOXほど自由度は無いでしょうね。


真横から見るとこんな感じで、やっぱり尻尾が長め。そして腹部も適度に膨らんでいて、単体での欠点が解消されてます。


TFと比較してみると、縦幅はほぼ同じですがやはり体長にエラい差が有ります。まぁ、直立と四足とじゃ一概には比較できませんけど…。


旧BLOXの合体機がこれ位の対比でした、価格はほぼ同じなのにネオBLOXの大きさったら。


先程長い長い言いましたが、逆に胴体の横幅は思ったより狭いです。この辺もバランスが悪いなぁ。


可動はネオBLOXだけに良く動きます。詐欺関節はほぼないも同然ですし、よくグネグネ動きます。首、首根本、肩、膝、前足首、腹部(何重
ものボールジョイントで接続されています)、股関節、膝、後ろ足首、尻尾根元のみ、そして左右の銃器付尻尾もご覧の通り前方に向けられ
ます。ただ、せっかくの可動性も大型の四足型ゾイドだと限られてきて、動くだけで上手いポーズが取れない、宝の持ち腐れになってますね。
突進ポーズとかやっても似合わないし。あと、可動性が向上したと同時に細かいパーツ分割は旧BLOX譲りなので、動かす度に動いて欲しく
ない場所まで動く事が有るので、その辺がちとストレス溜まりますね。でも細かいパーツを組み合わせるゾイドBLOXのコンセプトを考えると、
これだけ動けば大したものです。


首を見てみると、こちらもラプトイエーガーをベースにしていますが、そこにステゴガンツァーのパーツを装甲として付けて
あります。こうする事で首が太くなり、ラプトイエーガーのシルエットを崩しています。


武器は毎度お馴染み“バイトファング”、でもここはラプトイエーガーと配置と言い形状と言い全く変化が無いですね。
まぁ口ですから。


ラプトイエーガーでは手に付いていた“マルチプルランチャー”ですが、グランドラーゴだと頭部側面に配置されます。これも
また、ラプトイエーガーのシルエットを崩すのに貢献しています。それと同時に、武器として使用しても違和感のない場所に
配置されてますね。


二本の“ストライクレーザークロー”と鉤爪状の“チェイスクロー”、こちらはラプトイエーガーと全く変化なく、そのまま使用
していますね。あまり面白味が無い。恐竜ネオBLOXでは最も大きい足首パーツではありますが、やはりグランドラーゴ
の巨体に比べると小さく見えます。


“地対空誘導ミサイルポッド”、ブラキオラケーテとほぼ同じ場所に配置されていて、形状的にも全く変化が無いです。
しかも元々がミサイルポッドとしての説得力に欠ける、単なる箱も同然なので、こちらもあまり面白味は無いです。


“ロングガンツァーキャノン”、ステゴガンツァーの武器ですがこちらもそれ同様に側面に付いているので、いまいち面白味
が有りません。ただ、コクピットブロックに直結されているのが違う点です。ミサイルポッドもそうですけど、デフォで何らかの
外装パーツを付けてパワーアップ感を演出するとか、もしくは長さを延長するとか、そんな工夫が欲しいです。そうでもしな
いと、もう何度も言ってますがブラキオラケーテの巨体に負けてしまってますから。


尻尾は中央の“スマッシュテイル”、もちろんラプトイエーガーのものです。しかし、それよりもブラキオラケーテの特徴は
両脇から伸びる長い尻尾!こうしてみると、ブラキオラケーテの首と尻尾だけでなく、脚部パーツも使ってますね…長い
わけだ。BLOXの特性を生かし、元からあるパーツを組み合わせて違うシルエットを形成する方法論、こういうのを武器各
種にもして欲しいんだけどなー。


先端に付いているのはブラキオラケーテの“高射機関砲”、これをサソリの尻尾みたいに前方に曲げれば砲撃姿勢が。
これはグランドラーゴに合体しないと出来ないので、こんな“合体ならでは”の武器演出が欲しいのですよ。
でもまぁ、最後の最後でやってくれたのだから良しとしましょう。全く無いよりはマシマシ。


総評としては、見た目はそんなに悪くないです。ただ恐竜が合体してドラゴンに!でも四足型では取れるポーズが限られてくるので、上記の通り折角の可動性が宝の持
ち腐れ。そして合体形態がドラゴンモチーフなのもこれで三回目、パラブレード+デスレイザー=デカルトドラゴンを入れればもう四回目です。流石にバカの一つ覚えで、ユーザーにも飽きられていたらしく“合体してドラゴンに!”って最大の売りが逆効果だったのでは?これだったら、こっちももう飽き飽きですが、出来の良いティラノサウ
ルス型にでも合体してくれた方がまだマシですよ。仮にそれをやったとしても、よりによってネオBLOX三種中二種が足の小さい四足恐竜では、オレ合体で二足恐竜を作
ろうにも恐らく無理でしょう。前足に比較的大きいラプトイエーガーの足首を使ってますけど、これだってグランドラーゴの巨体では小さく見えますし。
ただ、逆に大きさは値段相応で文句は無いですね。


ネオBLOXのコンセプトを見てみると、“可動性とカスタマイズ性の両立”、これは上手く消化されているかと。ただ、胴体を構成するブロックの形状にクセが有って、やはり旧BLOXほど融通は利かないです。そしてネオBLOX単品ではそれほど気にならないんですが、ブロックが合体するとあちこちがグネグネ動きすぎて、ピシッとした姿勢が決められないのは。旧BLOXでは、凸ジョイントの受けに軟質キャップを使っていた事から来る保持力不足、それを固定用ジョイントパーツを噛ませる事で解消していましたが、ネオBLOXではそんな工夫が無いので扱いにくいです。


双方を纏めると、“コンセプトは消化した、でもそれだけで期待通りのレベルには届かなかった”、つまり中途半端なんですね。ネオBLOXのコンセプト、確かにゾイドBLOXでの不満点の解消が大きく占められていました。その最大の不満点“保持力強化”と“可動性”は格段に向上しましたが、クセの強いブロック形状のせいで“カスタマイズ性”が低下してしまった。しかも…旧BLOXは通常ゾイドのカスタマイズパーツに使えましたが、ネオBLOXの年代になると新型の通常ゾイド自体が発売されなかった(ゴジュラスホロテック等の限定品を除く)ので、余計にネオBLOXの売り上げ低下に拍車が掛かった様です。



正規ゾイドは、途中から徐々に“正義の共和国=獣型、悪の帝国=爬虫類型(例外有り)”といらんカテゴリー分けをし始め(昭和ゾイドでは自由にやってたのにねぇ)、これが災いし新規開発ゾイドは肉食獣型と肉食恐竜型だらけになりゾイド失速に繋がりました。特にライオン型は見るのも嫌になるくらい沢山作られました…それでいてゾイドではメジャーなゴリラ型の新ゾイドは一切出ませんでした。でも、“ゾイドジェネシス”では今まで無かったオオツノジカ型“ランスタッグ”とクジャク型“レインボージャーク”が登場したのは、カテゴライズでモチーフが限定された事への、開発陣のささやかな抵抗だったのでしょうか。

陣営分けを描くには有効でも、結果的には製品開発の幅を狭めてしまったカテゴライズ…それを持ち込んでしまったのがネオBLOX最大の敗因かと。ネオBLOXは第二弾第三弾と続きましたが、それらは人気ゾイドをネオBLOXで作った製品で、これまで紹介してきたネオBLOXの様な完全な新製品は一切発売されませんでした。旧BLOXみたいに続いていれば、カテゴリー分けは兎も角他の欠点は解消されていたかもしれないので、ネオBLOXの失敗は当然と思う反面、勿体無い気がしないでも無いです。

秘めたる力は有った、だが結果は最悪だった。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ちょむ)
2012-07-24 23:17:34
ネオブロレビューお疲れ様です。

うちにもこいつらがいますが高級感(?)がイマイチな気がしてしまいます。大きさは満足なんですがパーツ一つ取ると残念というか...

それに明らかに子供が遊ぶには力がいるジョイントが多々あったり...

シリーズの終焉を見ているようで胸が痛いorz

これ以降はリボだったりHMMなど他のメーカーが頑張ってゾイドを存続させてくれている状況ですね。

タカラトミーがんばって!!
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Unknown (フォンタナ)
2012-07-25 06:07:45
BLOXのレビューいつも楽しく拝見させていただいております。
変形合体は男のロマンでもありますが、これほどデザインを欠くドラゴン型も無いかもしれません。なので僕は小ブロックを何個か追加して同じグランドラーゴのパーツでブラキオサウルス型を作りました。

http://zoidsawakes.xxxxxxxx.jp/custom_GROUNDRAGO.html
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ゾイドBLOXから上手く繋げられませんでした (ALE)
2012-07-27 15:26:05
>>ちょむさま
ゾイドBLOXを継続させるためにスタートした新シリーズですが、
新しく導入した新規ブロックはもちろんの事、それ以外に理由も
有ると思うのですよ。ゾイドBLOXの場合、序盤でも結構な種類が
出せたものですが、同じパーツ流用をやっている筈のネオBLOXが
レジェンドBLOXと同時進行とは言え、ここまで弾数が少ないって
のはちょっとおかしいです。噂だと後半は一人で作ってたとか…
いや、あくまで噂ですよ噂?BLOX開発チームじたいが縮小されていたのかも。

>>フォンタナさま
初めまして、当ブログ管理人のALEと申します。
ネオBLOXの弱点に、“本体ブロックを細かく分割出来ない”点が
挙げられます。だから、こんな蛇みたいに細長い体型になってし
まったのかなー?と考えてます。仮に横に広げたとしても、この
程度の数じゃ形にはならないかもしれませんな。

そちらのブラキオサウルスも拝見しましたけど、最初見た時
はウルトラザウルスみたいだなー?と思いました…続いて画像
を見てみると、やっぱり意識して作っていたのですね。
しかし、やはりブラキオラケーテの頭部そのものの小ささはどう
にもならなかったみたいで。私も後にアップ予定のカスタマイズ
編でブラキオラケーテをブラキオサウルスのイメージに近づけて
みたので、そちらも見て頂けると幸いです。まぁその内に。
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