今回ご紹介するのは、キメラBLOXより“ロードゲイル”。少し間をおいてのキメラBLOX新型機となりますが、今回のモチ
ーフはモンスター“ガーゴイル”で、従来のキメラBLOXの様に二種生物のミックスではありません。結果的にはゾイドに
は珍しい人型になっており、二足恐竜型とはまた違ったカッコよさ。
バックビュー。ちなみに初代ゾイドにもグリフォン型“バトルクーガー”やペガサス型“オルディオス”がいたので、モンスタ
ーモチーフなのは特別問題ではありません。大体、ゾイドに多いドラゴンモチーフだって立派なモンスター系ですから。
そしてこのロードゲイル構造が実に面白く、実に“ゾイドBLOXらしい”仕上がりとなっています。
ご尊顔拝見…うわ、見るからに悪そうな顔。ヒールの魅力もまた良し!しかしこの顔、キメラドラゴンよりドラゴンっぽい顔。
価格は約1500円で、バスターイーグルより少し下の価格帯です。中型BLOXってトコでしょうか。一度箱を変えて再販され
ましたが、今回レビューするのは初期版です。そしてハピネット企画限定で、ホワイトとレッド成形色の“セントゲイル”が
存在します。
ロードゲイルはキメラBLOXの中でも特殊でして、無人機として開発されたキメラBLOXは、結果的には制御不能な暴走ゾ
イドと化しました。で、ロードゲイルをそのキメラたちの長に据える事で、キメラたちを制御する為に開発された機体です。
テレビアニメ“ゾイドフューザーズ”にも登場し、ゾイドシリーズは製品設定とアニメ設定がリンクしていないのが特徴で、ロ
ードゲイルもアニメのオリジナル設定として単なるゾイドとして描かれていました。OPでも一瞬とは言え派手に目立ってた
のですが、出番は意外に少なかったらしいです。
では、ロードゲイルの構造を見てみましょう。体型からバスターイーグル同様の八連BLOXを使っていると思ったら、意外
に単品BLOXを連結して胴体を構成しています。
バスターイーグルから導入された“保持力強化策”、その第二弾がロードゲイルに見られます。肩と腰に付いた黒いパー
ツ、これは大型ボールジョイントです。バスターイーグルのラチェット関節パーツ同様、BLOX接続用に凸ジョイントが二つ
設けられており、これにボールジョイントを嵌め込む形です。ラチェット関節は縦回転だけで横に開けない弱点が有りまし
たが、こちらはボールジョイントなのでその弱点をクリア。BLOXを支えるにはやや心配ですが、BLOXを使用していないパ
ーツなら充分に保持可能です。保持力強化策はラチェット関節とこのボールジョイントの二種類が導入されましたが、最終
的に定着したのは後者の方でした。
ロードゲイルの腕構成を見てみましょう。中央から右腕左腕でとなっていて、中央のくの字型に曲がったオレンジ色をした
パーツが腕の芯になります。くの字に曲がっている部分が肘ですが…ハイそうです、ゾイドBLOX名物“動きそうで動かな
い詐欺関節”です。その芯に周りのパーツを付けて腕を構成する訳ですが…おや?なんか各種パーツに既視感が…?
続いて脚部。構造的には一緒で、中央の大きなオレンジパーツに各種パーツを付けて構成します。
しかし…こちらもなんか既視感が…?
バスターイーグルと比較…デカっ!
バスターイーグルが価格約2000円でロードゲイルが約1500円、これが500円の差なのか!?
自称フル可動のゾイドBLOX、最初っから可動なんぞ期待しては居ませんが一応触れます。首の付け根、肩、手の武器、
股関節、足首が可動します。右腕の鋏状武器と足首以外はボールジョイントです。あ、翼もボールジョイントで可動します。
一見動きそうなんだけど、肘と膝が固定なんで上手いポーズが取れません。
ロードゲイル最大の特徴は、キメラBLOXには珍しくコクピットブロックを持っている事。つまり、パイロットが操縦しキメラ
たちを指揮するんですね。しかしロードゲイルもキメラBLOXの端くれ、キメラの特徴である“高い凶暴性”は健在であり、
そのせいでエースパイロット級の腕で無いと扱えない暴れ馬になってしまったとか。ライガーゼロもそうですけど、そんな
暴れ馬設定ゾイドって結構いますよね。
背中を見てみると、ロードゲイルのシルエットを形作っている翼が。ブラウンのクリア成形ですが、この翼も既視感が…?
このパーツ、フライシザースの翼をクリア成形にしたものじゃないか!爪が別パーツにもなってるし、機銃も付いてるし!
背中中央に有る翼接続用パーツ、これもフライシザースのものと同じです。そしてその下には、なんとデモンズヘッドの
背鰭が。これがロードゲイルの面白い所で、部分的にキメラBLOXのパーツを用いているのです。
それでは、今度は武装のご紹介。BLOX名物武器“なんとかファング”ですが、今回は“ヘルズファング”なる名称が与え
られています。よく見ると、口の中に穴が開いてますね。ここからビームでも出してくれたら嬉しいんですが、残念ながら
そんな設定は無し。
“エクスクロー”、肩に付いたクローだそうですが、これどうやって使うんでしょう?
ザクのトゲ付肩パットみたいに、タックルする時に使うんでしょうか?そしてこれ、フライシザースの足首ですね。
“マグネイズスピア”、これはデモンズヘッドのものと同じ。あちらは角でしたが、こちらは手持ち武器の様に配置されて
います。元々武器名称が“スピア”なので、そこから来た着想でしょうか?でもこの形状、スピアじゃ無くてランスでは。
“エクスシザーズ”、こっちも分かり易く元はフライシザースの頭。しかし、中央の黒い新規造型パーツが取り付けられ、
代わりにフライシザースの顔パーツが削除されています。それが無いだけでも、完全に顔に見えなくなっているのでこれ
は上手いアレンジ。ただ、これ火器っぽいデザインなのに武器設定が無いんですよね。
両手パーツは左右対称なので、武器をそれぞれ付け替える事も出来ます。当然二個買いすれば、両手に同じ武器の
装備も可能です。BLOXって安いし、そんな事をしやすいのも利点です。
脚部には“マグネクロー”、この足首もデモンズヘッドのもの。ですが、そこから上のオレンジ色のパーツはフライシザース
の足ですね。しかし、外側の足首と脛を連結しているオレンジ色の穴が二つあるパーツ、これはロードゲイルで追加された
パーツです。成形色も違い、それぞれ異なるパーツを組み合わせているので、一見元になったパーツが分からない様にな
っています。
尻尾は“マグネイズテイル”、これもデモンズヘッドのパーツ…ただし取説には、デモンズヘッド使用時とは逆さに付ける
様に記載されています。ここまでロードゲイルを見てきましたが、新造パーツにフライシザースとデモンズヘッドのパーツ
を組み合わせて構成されています。ですから、後にシェルカーンとディプロガンズのパーツを使ったキメラBLOXが発売さ
れると当時思っていたんですが、それはありませんでした。
総評としては、元々ゾイドBLOXの利点は、“自由な組み換えが出来る”、そして開発上のメリットは“BLOXは共通なのでその分は安く開発できる”事です。それを利用し、
新規パーツに既出パーツを盛り込み完成したロードゲイル、ゾイドBLOXのそれぞれの利点を上手く活かされています。それでいてモンスター型ゾイドとしてもよく纏まった
デザインですし、既出パーツの使い方が上手いのでデモンズヘッドとフライシザースをすでに持っている人でも、損した気分にはならないでしょう。あと、新規ボールジョイ
ントも加点要素。ゾイドBLOXの利点を最大限に生かした、実にゾイドBLOXらしい面白い製品ではありますが、可動部を増やすまでは手が回らなかったみたいですね。
かっこいいんだけどなー。
ロードゲイルは当時から欲しいなぁと思いつつ手を出さずにいて気づけばプレミアで6000円(!)
今では4倍の値段がついております。
はぁ再販されたらこぞって買うのになぁ...
キット的にはデカすぎたデモンズ頭よりも使い勝手の良さそうな顔が印象的ですね
これがあったら良い組み替えが思い浮かびそうですねぇ
当時いつ売り場に行ってもバスターフューラー共々必ずあったものですが。
頭部も適度にドラゴンぽくて使い勝手は良いのですが、小さいドラゴン作る
ならまだしも、中型サイズになると小さいですね。あと、頭部形状がちょっと
だけディアントラー(未所持)に似てます。
撮影こそしてませんが、フライシザースとデモンズヘッドが有れば
両手の武器を揃えられますね。