いま全国的に普及しているAEDについて、一般人がこれを使用することは厳密に言えば「医師法違反」なのである。これは事実である。しかしそうすると日本国内では医師以外使用できなくなるので、ここで緊急やむをえない場合は第三者が傷病者の生命、財産を管理することが許される「緊急事務管理」の法律を適用したのである。つまりAEDのボタンを押すたびに「医師法違反」をし、同時に「緊急事務管理」を適用するという二重構造をなりたたせたのである。つまり面倒な法整備をまったくすることなくAEDを運用させたのである。このAEDの法解釈を議論しているときに判明したのであるが、「緊急事務管理」という法律は一般人に対してのみであり、医師に対してはそれが非番時で無償の行為であったとしても免責されないことが明らかになった。
極端に言えば医師というものは、己が死ぬまで24時間365日継続して医師であることを義務付けられているのである。こりゃあ、やっかいである。業を背負っているとしかいいようがない。

