支那人、朝鮮人には、ご用心!
儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇
ケント・ギルバート○cKent Gilbert 2017
講談社+α新書 2017年2月
歴史で讀む 中國の不可解
岡本隆司
日經プレミアシリーズ 2018・10・9
孰れも、日本への 『支那人、朝鮮人には ご用心!』の 警鐘の書であり、平和ぼけ日本人への 啓蒙の書である。
我が水産廳職員を乘せたまま遁走する支那漁船。 海上自衛隊哨戒機に射撃管制レーダー(FC; fire control radar)を照射する南鮮海軍驅逐艦。
その他、尖閣列島の問題、從軍慰安婦、徴用工問題、等々、両國との間には 問題山積である。
この非常時に、今こそ 我々日本人が 心して讀まねばならぬ 必讀の書である。
著者 ケント・ギルバート氏は モルモン教布教士出身だけあって 日本の俗事を知り盡してゐる。
列擧されてゐる事例は 孰(いず)れも 我々日本人なら誰でも知ってゐる事柄だが、
ややもすると、日々の生活の中では忘れがちな事を思い起こさせてくれる。
余りにも時宜を得た指摘で、時として 「外人(がいじん)の あんたには言はれたくないよ!!」との惟(おも)ひもある。
後著の著者、岡本隆司氏は、京都府立大學文學部教授で、中國、朝鮮史が御専門であり、「不可解の支那民族」 を 語り盡してゐる。
目次を見てみよう。
序章
この國はなぜ傲慢なのか。
第Ⅰ章
歴史を知らずして隣國を語るなかれ。
1. 自他が轉換する論理
2. すり替わってしまった「属」概念 ― 沖縄領有權主張の根據
3. 歴史が語る中國とロシアのDNA
第Ⅱ章
かけ離れた體制
1. 「上から目線」の國
2. 國家權力に歴史が結びつく ― 「反日」の起源
第Ⅲ章
權力と腐敗 ― 構造的病理
1. 獨裁を生む構造 ― 皇帝から共産黨へ
2. 雍正帝も手を燒いた腐敗
3. 政權移行のパターン ― 明・清のあいだで揺れる中國共産黨
第Ⅳ章
經濟の時限爆彈
第Ⅴ章
解けない國内對立
1. 終わらない民族問題の深層
2. 香港と中國のねじれた關係
特別講義 ― 「失敗の研究」としての日清戰爭
終章
日本は歴史から何を學び、警戒すべきか
以上、ヘッドラインを見ただけで 内容の見當がつくだらうと思うが
就中、第Ⅰ章 第2項は 由々しき問題である。
「沖縄は支那の領土だ!」 と言われても、我々日本人には ピンと來ないが
琉球王國が 嘗て、滿洲女眞族が支配した 清王朝への朝貢國であった事實は
紛れもない史實であり、歴史學者である著者も、「その事實については、間然するところがない。」と言い切ってをられる。
しかし、その事を根據に 「沖縄は我が領土」だと言われても、唯々 當惑するだけである。 しかし、同じ論據を以て、 民族も宗教も違う チベットを始め 新疆ウイグル自治區、内モンゴル自治區、寧夏回族自治區を 自治區の名穪の下に 領有・併合、實効支配してゐる現實をみれば、安閑としてはゐられない。
筆者は、「同文異意」に由來する 『藩属國』の解釋、即ち 近代日本語から派生した 「属國」、「属地」を 支那語の「藩属」と同義だとするところから齟齬が生じたものだと指摘する。
一方では、昭和六年から十四年間存在した女眞族による滿洲帝國については その存在した事實すら 一切 認めようとはしない。 その頑なな態度は 恰も 樂浪郡、帯方郡の存在を 一切 無視する 朝鮮人にも似通う。
藩属國 = 自國領土 なりとすれば、沖縄にとどまらず、朝鮮半島も 越(ベト)南(ナム)
も 尖閣列島は固より 沖縄、果ては 「日出ずる國」日本本土そのものも 何れ自國領であると主張しかねない。 現に、九段線なぞと 大眞面目にわけの判らぬ事を言ってゐるのは、その前哨だと 警戒するを要す。
以下の 二著作もご参照;
日中漂流
ー グローバル・パワーはどこへ向かうか ー
21世紀は 「力の対抗」の時代なのか
毛利和子 岩波新書 2017
中国人には ご用心!
日本人は何も言うな、私が話す。
孔 健 三五館 2012
平成三十一年一月十一日 初稿