日記のようなもの

不思議に思うこと、思いついたことを記録しています。

普段着

2013-03-24 16:41:32 | 日記
わたしは、服に関しては、ほとんど興味がない。以前はスーツやジャケットも着ていたものだが、仕事柄、現場もあり、普段は作業着でとおし、冬ならこれに防寒服のスタイルだ。子には、父さんは腹も出てないんだから、よい格好をすればいいのにと言われている。

ある日、私の父が訪ねてきた。その姿を見て私は、「もう少し格好よくすればいいのに。」と言っていた。
父は、腹が大きくでているため、普通に服を着こなすことが難しい。普通にズボンを履けば、ズボンは腹で下がるのだ。その日は大きなお腹の下にだらりとした紺色のスウェットパンツ、上にグレーのパーカー、さらにオレンジの雨合羽を羽織り、たすきがけにショルダーバッグを持っていた。なんとも言いようがない感じなのだ。
普段、子達の言いたいことがこの日少し分かった。格好は気を付けた方がいい。

ただ、まだ着れる服を捨てるのが嫌なのだ。私の服は、20年以上を経ているものも多い。少々の汚れはあるのだが、痛みは少ない。これを捨てて、見栄えがよいから代える。これができないのだ。見栄えのために使えるものを捨てることに抵抗がある。社会の人が皆、私のようならファッション業界は成立しないだろう。
車についても同じだ。まだ乗れる車を5年経ったから乗り換えるという考えが嫌いなのだ。うちの愛車は20年を超えても健在だ。ディーラーの担当は、車検の度に新車のカタログを用意し乗り換えの案内をしてくれるが、毎回、これを断っている。「車が可哀想だから」と言って断るのだが、私の担当も可哀想に思う。

物を大切にしながら格好良く、今ある服でこれをしようと思う。元が20年前の服が多いので、格好良いとは言えないだろうが、少なくともおかしくない組合わせにはできるだろう。

当たり前の構図

2013-03-20 11:24:32 | 日記
今朝、ケロリンの風呂桶がなくなるとテレビで騒いでいた。銭湯にある黄色のプラスチックのおけだ。
これまで、誰も気に止めていなかったのだが、無くなると言うと騒ぎ出す。町の映画館が無くなる時もそうだ。誰も見に行かないから、無くなるのだが、いざ無くなるというととたんに騒ぎ出す。
マイケル・ジャクソンもそうだ。亡くなったとたんに騒ぎ出す。失って初めて、不便さに気がつく。大切さに気がつく。
普段あることに私は、気づかない。普段にあるということは、図の背景でしかない。私は図を見ることはできるが、背景に気がつくことがない。私は、背景を見ていないとは言えない。背景が普段どおりであれば、それに気がつかないのだ。背景に異常を感じた時、その時に背景は図へと変化する。そしてその異常さがクローズアップされる。
これが、だめだというのではない。私の生活はこの当たり前の構図に埋め尽くされているのだ。そして、そのことに気づかないままに暮らしている。全てに気づくことは論理的に不可能なことだ。私の関心が右にいけば、左は見えないのだ。背景の一部を図にすると、これまで図であったものは背景へと変化する。私が、何かに気がつくことは、何かを失っているだろう。

カタカナジャパン

2013-03-09 07:53:56 | 日記
父 キングダムって、アニメ版は、だいぶスポイルされているね。
子 スポイルってどういう意味
父 アニメでは、人が切られたり、吹っ飛んでいくところとか魅力的にできていないし、鎧もアニメではリアルに表現できてないし、主人公とか全然イメージと違ったよ。
子 いや、そうじゃなくて、スポイルの言葉の意味が知りたいの。
父 ここに豆腐と牛肉の炊き合わせがあるけど、この美味しいそうな料理の煮汁をスポンジか何かで吸い上げて、とても不味くしてしまう感じかな。
子 それ使い方あっているの。
父 スポンジ云々は、違うけど、意味や使い方はあってるよ。
子 分かりにくいね。普段、日本語でやたらとカタカナ使う人は教養がないとか言ってたよね。リテラシーがけしからんとか、何たら。
父 情報読解力のことだね。あれは、ベネッセの宣伝だね。ベネッセが宣伝に使う前は、こんな言葉使う人いなかったし、情報読解力という言葉さえ無かったからね。何でも間でもカタカナを使って、知らない方が恥みたいに言うのは止めてほしいね。
でも、スポイルは普通によく見るカタカナのように思うけど。カタカナ使わない日本語も難しいね。教養が邪魔してしまうよ。
子 カタカナを使う人は教養がなかったんじゃなかったの。
父 いや、シニカルな冗談だよ。また、カタカナ使っちゃた。
子 普通にしゃべれないのかい。
父 いや、皮肉な冗談だよと言うべきだったね。これを繰り返していくと、たいへんな作業になるね。プロパガンダなんか難しいね、政策的宣伝くらいかな。テレビやパソコンなんて、もはや無理だしね。カタカナもどこかで、しっくりとした日本語になるんだけど。
子 いつかは、リテラシーも日本語になるんじゃない。
父 これは、ムリだと思うよ。日本人に、そんな能力は向いていないんだよ。一人ひとりが情報を読み解く力なんて持ってたらやっかいだよ。経営者にしたら、そんな能力は労働者は持たない方がいいとさえ思っているんじゃないかな。どちらかと言えば、日本では本当のところは欺瞞したい。
美しい国ニッポンとか言ってた人の美辞麗句に浮かれているけど、実際のところは原発事故の反省もないしね。こんだけ汚染されても気がついていないからね。みんながそうするから、同じ方を向いていよう。日本人のリテラシーは、むしろ空気を読む能力だと思うけど。
子 父さんは、侍ジャパンも嫌いだもんね。
父 呼び方が嫌なんだよ。もともと日本人のほとんどは農民出だろ、どう考えても侍じゃないけど。農耕民族百姓ジャパンを誇りに思えばいいと思うけど。侍のような支配階級の生活を支えているのが百姓ジャパンだし、現代なら労働者ジャパンなんだけど。どうして侍ジャパンとか煽動に乗ってしまうんだろ、ニッポンチャチャチャ的に皆が同化してしまうんだろうね。
子 リテラシーがないからじゃない。
父 やっぱり。