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Reoっちの駄文(ふつーの日常をハードボイルドに)

金融、サッカー、ボクシング、映画・・・そしてその他でふつーの日常を、楽しく読めるようにハードボイルドな読み物風に。

『[リミット]』

2012-05-31 22:52:06 | 映画(ふつう。)
『[リミット]』
2010年 スペイン 主演:ライアン・レイノルズ


目が覚めると、そこは箱の中だった・・・暗闇の中、どうにかライターを探りよせ火を点けると、ポール・コンロイは自身の置かれた状況に凍りつく。手を縛られ、棺桶を思わせる箱に入れられ、地中に埋まっている・・・イラクで民間の配送会社のドライバーをしていたポールは、どうやら仕事中に拉致され、このような状況に置かれたらしい。今ある持ち物だけでどうにかこの状況から抜けようとするも、ライターとペンくらいしかポケットには無い・・・そんな時、突然箱の中で携帯電話が鳴り出した!命綱の携帯電話を手繰り寄せ、ポールはどうにかこの状況から逃れる方法を模索するが・・・


この映画、発想は凄く独特で、個性的で、興味深い。ハリウッドのアメリカ人俳優を起用(そしてほぼ彼のみの出演)しているが、製作はスペインの会社と監督。彼等は、なかなか興味深い映画を世に送り出したことになる。


この映画は、パニックとミステリーのコンビネーション的な作品だと思うが、一番の主題は暗闇及び閉塞感への恐怖の訴えかけだろう。地中に一人閉じ込められ、時間も限られた中、何が出来るか・・・希望はあるのか・・・自分の身に置き換えてみると、非常に怖い。そんなテーマを、そんな主人公だけにスポットを当てて、展開される。他の人も出てくると言えば出てくるのだが、全て主人公の携帯電話越しの声か、ビデオ。そんな演出の仕方からも、視聴者を感情移入させて恐怖感を植えつけようと言う狙いが見えてくる。


確かに、考えてみれば怖い。たまらないだろう。ただ・・・じゃあその恐怖感にハラハラドキドキと言った感情の動きが伴うかと言ったら、それは無い。なんせ舞台は箱の中と非常に限られている、起きる出来事と言えば、電話での会話ぐらいしかない。迫り来る危機感とか、絶望感が上手く伝わってきたとは思えない。


そして何より、エンターテイメント性を考えると微妙と言う他無い。何せアクションは望むべくも無く、常におっさんが狭い箱の中で右往左往しているのを観ているだけ。更に、誰がやったとかどう助かるのかと言うミステリー的要素に期待しようと思ったが、期待した最後の大どんでん返しも存在しない・・・まぁあるって言えばあるのかもしれないが、例えば電話の向こうの相手は思っていた人物ではなく実は・・・そして箱に入れられたのはただの拉致じゃなくてこんな理由が・・・的な驚きの真実もなかった。正直、終わり方には拍子抜けした。


とは言え、今まで観たことの無いような独特な世界観の映画なのは事実。ここまで大量に映画が作られている中、その個性は評価高いのではないか。観る価値は、あると思う・・・が、特別オススメはしない。


[10段階評価]
お薦め度:
★★★★★☆☆☆☆☆

英語の勉強にお薦め度:
★★★★★☆☆☆☆☆

トイレの必要なくて良かったな!度:
★★★★★★★★★★

おっさん一人電話と一緒に箱に詰めて、後はおっさん恐喝なんて・・・無理ありすぎだな!度:
★★★★★★★★★★★★


Reo.

『桜田門外ノ変』

2012-05-12 22:12:59 | 映画(ふつう。)
『桜田門外ノ変』
2010年 日本 主演:大沢たかお


時代の変換期を迎える江戸幕府、アメリカを中心とする外国の圧力に晒される中、政治をまとめる井伊直弼大老は列強の要求に屈しようとしていた。尊皇攘夷を掲げる藩主徳川斉昭を中心とする水戸藩の一部の面々は、そんな井伊大老を暗殺する計画を持ち、順々に藩を抜け江戸に集まっていた。井伊大老の登城ルートである江戸城桜田門の外での襲撃、その指揮を執る事になった関鉄之助は、季節外れの大雪の中、見事に計画を完遂する。そして倒幕の為に、示し合わせていた薩摩藩と合流しようと京都へ向かう関達だが、藩主徳川斉昭は実行犯の捕縛及び処断を決断し、仲間達が次々と自害もしくは捕縛される事を知る。更には約束したはずの薩摩藩は動かず、完全に四面楚歌となった関達は、それでも再起を誓い逃亡を続けるが…


300年続いた徳川幕府が倒れる明治維新、その契機の一つになった桜田門外の変を題材にしたこの映画だが、実はクライマックスと思われた暗殺劇は開始30分ぐらいで終わり、後の2時間に繰り広げられる逃走劇が映画のメインとなる。しかし…やっぱり桜田門外の変を題材にするなら、その暗殺劇がクライマックスになるべきだろう。その戦いはそこそこ盛り上がるんだけど、その後の逃走劇はどうしても地味で盛り上がりに欠けてしまっていた。いや、仲間達が死んでいく中、色々な想いを胸に頑張って逃げるんだけど、最後までクライマックスも無く、淡々と終わっていく。


逃走劇だけじゃなく、桜田門外の変に至った理由も、暗殺の後に紹介されるのだが、これもどうかな。いや、これまでの映画とは違いを見せ、暗殺よりその後を描きたかったのは分かるんだけど、やっぱり最初にその水戸藩脱藩者の想いを描かないと、戦い事態にも感情移入できない。知らない人達には、何で彼等戦ってんだ…的な。まぁ、総合的に観ても、この事件の知識が無い人には、ちょっと難しい映画かな。まぁそんな人は、この映画観ようと思わないと思うが。


この映画の狙いは、いざ暗殺をやり遂げたのに、その後の状況が思い通りにならない英雄の苦悩と悲劇を感動的に描こうとしたのだと思うが…いや、全然感情移入できず、感動できず、2時間半がやけに長く感じてしまった。で、結局結末は予想通りと言うか、一番当たり前の結果…残念です。


非常に盛り上がりに欠ける、エンターテイメントとは呼びにくい映画。いや悪い映画ではないのだが、面白いとか楽しいからは、程遠いかな…


[10段階評価]
お薦め度:
★★★★☆☆☆☆☆☆

英語の勉強にお薦め度:
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

藩邸の目の前なのに、なぜ誰も助けに来ない彦根藩!?度:
★★★★★★★★★★

襲撃実行犯の面々、怪しすぎだろう度:
★★★★★★★★★★


Reo.

『ガリバー旅行記』

2012-05-09 21:58:43 | 映画(ふつう。)
『ガリバー旅行記』(Gulliver's Travels)
2010年 アメリカ 主演:ジャック・ブラック


大都市ニューヨークの新聞社で働くガリバーは、しかし長年メールルームで手紙を編集者に配る仕事に就いている事により、自分に自信を持てずにいた。そんなある日、同じメールルームに配属された新人が僅か一日で自身の上司に昇進した事にショックを受けたガリバーは、勇気を出して前から気になっていた女性編集者ダーシーに声をかけようとする。しかし結局は勇気が出なかったまま、嘘を重ねる話の流れでダーシーが担当している旅行記の記事を試しに書いてみることになる。全くアイデアが浮かばないガリバーは、仕方なくガイドブックを全コピー…翌日、気付かずに記事に感銘を受けたダーシーは、ガリバーにバミューダ海域の記事をお願いする。良い顔をする為にその仕事を受け入れたガリバーだが、その旅の途中、嵐に巻き込まれるまま小人ばかりの国に漂着し…それはガリバーの不思議な旅の始まりだった。


憶えてるかフルストーリーを知ってるかはともかく、みんなが聞いた事はある『ガリバー旅行記』。そんな昔からの名作の映画化作品。個人的には小人ばかりの国に行った、っていう粗筋しか知らなかったが、おそらく原作にはそれほど固執してないと思われ、原作を全然知らなくても普通に楽しめた。基本的には旅行記と言っても小人の国で一人デカイ人間として生きていくストーリーなのだが、そんな大それた目的が無いストーリーにも関わらず、まぁ色々な出来事があって、1時間半飽きずに観られる作品だ。


この映画、何が良いかというと、テンポが良い事。どんな出来事も都合良く展開されていくが、テンポ良くどんどんストーリーが流れていくので、あっという間に時間が経つ。そしてそのテンポに、ジャック・ブラックのコミカルな演技にあっているので、なかなか楽しめる。


逆に残念なのは、一応子供向けでもある(と思う)ので、ジョーク的にあまりはっちゃけられずに、笑いはそこそこに抑えられちゃってる事。下品さの上限は立ち小便くらいなところに、最近のコメディには見られないそのクリーンが知られる。


あと、大きなメッセージを無理矢理に入れ込んだ感がある、最後のダンス。あれはアカン。面白くないし、拍子抜け。とは言え、総合的に見て、嫌いな映画じゃないけど。そこそこ楽しめるコメディだとは思う。


[10段階評価]
お薦め度:
★★★★★☆☆☆☆☆

英語の勉強にお薦め度:
★★★★★★★☆☆☆

もうバミューダ行きたくない度:
★★★★★★★★☆☆

でもメールルームでの仕事も悪くないと思うぞ度:
★★★★★★★★☆☆


Reo.

『グレート・ウォリアーズ/欲望の剣』

2012-05-04 21:44:36 | 映画(ふつう。)
『グレート・ウォリアーズ/欲望の剣』(Flesh + Blood)
1985年 アメリカ 主演:ルトガー・ハウアー


中世の西ヨーロッパ、とある城においてかつてそこを支配していた王アーノルフィニは、略奪し放題という約束にて傭兵の力を借りて城を取り返そうとしていた。傭兵マーティン達の力により城を取り返したアーノルフィニだが、傭兵達が自身の街を略奪するのに耐えられなくなり、傭兵部隊を率いた部下のホークウッドに命じて彼等を追放する。しかしその扱いに憤ったマーティン達は、たまたま見つけた聖マーティン像に導かれるままに、アーノルフィニへの復讐を企てる。その途上、マーティン達はアーノルフィニの息子スティーヴンの婚約者アグネスを拉致。アグネスを奪回すべく、スティーヴンは既に田舎に引きこもったホークウッドを復帰させマーティン達の追跡を開始するが…果たしてアグネスの未来と想いの行方は?そして、マーティンとスティーヴンに待つ未来とは…?


もう25年くらい前のかなり古い映画とも知らず、中世物という事でたまたま観たこの映画…歴史的考察はともかく、そのストーリーの重さや深さに、かなり感心した。この映画、シェークスピアや神話のような、人間の業の深さや欲望、そして自己中心的な考えや女性の複雑な恋心を描いている。言ってみれば登場人物全てが悪い人間で、これ程重く、暗く、裏切りに裏切りが重なるような映画はここ最近無いので、非常に興味深かった。こういうストーリー、重いけど嫌いじゃないので、なかなか引き込まれた。


ただ、人間の欲望をそのまま描いているので、戦闘シーンはもとより、裏切りや婦女への乱暴など、かなり視聴をお薦め出来ないシーンがある。まぁこういうストーリーの映画には止むを得ない事だと思うけど、当然万人にオススメ出来るわけではない。そんなところも、一昔前の映画らしくて良いって言えば良いんだけど。


シェークスピアや神話系なストーリーが好きな方は、この映画オススメ。派手さばかりに力を入れている、今現在ではなかなか観れないストーリー展開。ただ、あくまで大人の映画と言う事で…


[10段階評価]
お薦め度:
★★★★★★☆☆☆☆

英語の勉強にお薦め度:
★★★★★☆☆☆☆☆

ペストの影響早すぎやろ…度:
★★★★★★★★☆☆

女性の心は複雑や…度:
★★★★★★★★★★


Reo.

『噂のモーガン夫妻』

2012-03-09 22:15:14 | 映画(ふつう。)
『噂のモーガン夫妻』(Did You Hear About the Morgans?)
2009年 アメリカ 主演:ヒュー・グラント、サラ・ジェシカ・パーカー


大都市ニューヨークで、一方は不動産会社社長、もう一方は弁護士の成功した夫妻のポメリルとポール・モーガン。しかし二人は、夫ポールの浮気により別居中であり、ポールは復縁を希望しながらも距離を置いていた。そんなある日、久々の二人での食事の後に外を歩いていると、なんと路上で殺人現場を目撃してしまう。更に犯人に顔を観られた二人は、その後もその殺し屋から命を狙われる為、警察の協力により証人保護プログラムを利用しニューヨークとは離れた場所で、モーガンとは違う名前で生活する事になる。その場所とは、世界的な大都市ニューヨークとは遠く離れた、ワイオミング州のレイという田舎町で…都会での生活に慣れきった二人は、果たして田舎生活を楽しむ事が出来るのか?そして、距離を置いている二人の関係の行方は…?


都会住まいの夫婦が、田舎に居を移してお互いを理解しあい、仲を取り戻していく…粗筋を聞くと、まぁ普通に内容が想像できる、そこそこよくありそうな映画に思えるが…まぁ正直、ストーリー的には特別なものは特にない。ラブ・コメディというジャンルだと思うが、ちょっとロマンティック感に欠ける気もするし、クライマックスも盛り上がりに欠ける気がする。しかしそれでも、この映画は充分に楽しめる要素がある。


その理由は何といっても、ヒュー・グラントとサラ・ジェシカ・パーカーの演技。ヒュー・グラントは、その滲み出るソフトさと、優しさと、英国アクセントがかっこいい。このアメリカ人俳優にはないような独特な感覚と軽やかさは、やっぱり楽しい。そしてサラ・ジェシカ・パーカーは、『セックス・アンド・ザ・シティ』から想像してたような強くて、きつくて、厳しい女性ではなくて、とても可愛らしい女性を演じている。これまた、ギャップがあって、観ていて楽しい。


でもおれが一番気に入ったのは、田舎のウィーラー夫婦。もう田舎の夫婦そのものという演技で良い味出しているだけでなく、田舎住まいの魅力を存分に示してくれる。だからこそ、この映画の魅力が増している。個人的にアメリカの田舎に住んでいたからいちいち共感が持てて、凄く楽しめた。主演と助演、共に素晴らしい。


そんな感じで、ロマンティックさには欠けるが、そこそこ楽しめるラブ・コメディ。中年夫婦の恋愛という珍しさも含め、なかなか興味深い映画じゃないかな。


[10段階評価]
お薦め度:
★★★★★☆☆☆☆☆

英語の勉強にお薦め度:
★★★★★★☆☆☆☆

ヒュー・グラントのMぶりが共感持てるぞ!度:
★★★★★★★★★☆

レイのド田舎度:
★★★★★★★★★★★★


Reo.