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気まぐれ猫レオの日常。ついでに飼い主の日々雑記・・・。

いっちゃんへ

2013年08月05日 | Weblog
18年前に出会って、家族の一員になりました。
父と妹がもらってきた子猫。
シャムの血をひくグレーの産毛の子猫に、私たちはイチローと名付け、いっちゃんと呼びました。

子猫のくせに、野太い声で鳴きましたね。
我が家に来た初日は落ち着かなくて、ソファーの後ろに隠れて出てこなかったね。

シャム猫の血を受け継いでいたいっちゃん、みるみる美しい猫に成長しました。
特有のこげ茶色とベージュの毛並が本当に美しかった。
同じこげ茶色でまだらのない肉球も、鼻も。長いしっぽも。
瞳はきれいなブルーだったね。

それにしても、これでもかと自己主張するいっちゃんに、家族はいつも驚かされました。
小さな子猫がしっかりこちらの顔を見て、あれこれ要求するもんだから。
顔中が口になるくらい、大きく口を開いて、野太い声で訴えるいっちゃん。
大人になっても相変わらずで、
人間みたいだねと、みんなで言っていました。

外に出してほしいとき、母の顔をしっかり見て、連れ出すまで訴え続けたね。
それも、母にしか言わないのね。
母が根負けして、散歩に連れて行ってくれるのをわかっているから。

たまに脱走しましたね。
ひとしきり遊んだのか、戻ってくるのはいいのだけど、自ら脱走していながら、さも追い出されたかのように
ギャーギャー言いながら家に入ってきたものです。
私たち家族はあきれながらも、帰ってきたことに安堵するのでした。

外で拾った葉っぱをくわえて帰ってきて、自慢げに父に見せていましたね。
たまには獲物もね。女性陣からは大ブーイングだったけど・・・。

猫なんだけど人間みたいに意思表示するいっちゃんに、いつしか普通に話しかけていたような気がします。
猫に対する、という意識は薄くて。
だから家族でいっちゃんのことを話していても、実はしっかり聞かれているような気がして、
「いっちゃん、実はちゃんと聞いてるから、小言を言っちゃだめだね」なんて言っていました。

あるときは一緒にベランダに並んでお月見をしたね。
一緒にジャズを聴いたね。
一緒に階段のてっぺんに座って、パタパタ立ち働く母を眺めていたね。

父のことは一目置いていたみたいね。
怒られたら神妙な顔をしていたし、呼ばれれば二階からでも飛んできましたね。
母、妹、私は自分と同等以下?!どう思っていたのかな・・。



中年以降は意外や社交性を発揮して、我が家を訪れる方々のお相手をしていたいっちゃん。
丸くなったと言おうか。

私は結婚後家を出たけれど、実家を訪れると、帰りはかならず見送りに出てくれて。
自分の家の中でうとうとしていても、必ず出てきてくれたね。

そして晩年の生き様は本当に見事でした。
こんなふうに年を取りたいと思いました。

老猫だからそれなりに弱ってきてはいたけれど、その時は突然やってきて・・・、
最後のときが近づいたとき、やはり信頼する父の手にゆだねる形となりました。
父と二人きりのときに容体が悪くなり、
でも最後は自力で旅立ったいっちゃん。
立派な最期だったよ。

できればもっと生きていてほしかった。
大往生だとわかっていても、お別れは本当につらい。

当たり前だけど、子猫でうちにやってきて、家族それぞれみんなと同じくらいの年齢になり、やがて追い越されていきました。
ちびさんに接する感じから、兄弟、友達、同志、人生の先輩、いろいろな感情で接していた不思議な存在。

一緒に暮らした日々は家族の幸せな思い出の日々。
二度と戻ってこない日々。
私たちも18年重ねたんだもんね。

ありがとう。本当にありがとう。幸せでした。
またみんなで一緒に暮らそうね。絶対に会おうね。
大好きないっちゃんへ。


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