バイデン米大統領は11月の大統領選から撤退すると表明した=AP
バイデン米大統領が21日、11月の大統領選から撤退すると表明したことを受けて、各国首脳らはバイデン氏の決断を尊重する姿勢を相次いで示した。同氏のこれまでの功績をたたえる声や、大統領選後をにらんだコメントも目立った。
ウクライナのゼレンスキー大統領は「バイデン氏のリーダーシップに感謝している。歴史上、最も激動の時期に我が国を支えてくれた」とX（旧ツイッター）に投稿した。
同氏の選挙戦の撤退をめぐり「我々は今日の厳しくも力強い決断を尊重する」と言及した。
ゼレンスキー氏は「米国の継続的で強力なリーダーシップが、ロシアの悪が成功するのを阻止するよう切に望む」とも強調した。
同氏は19日、トランプ前大統領と電話で協議し、ウクライナ和平の方策を話し合うために直接会談することで合意した。
トランプ氏が再選するシナリオへの備えをにわかに進めている。
イスラエルのネタニヤフ首相は23日、バイデン氏と米国内で会談する。
ネタニヤフ氏は訪米を前に「戦時下でイスラエルのためにしてくれたことに感謝する機会になる」と語った。
その上で「米国民が誰を次期大統領に選んでもイスラエルは中東における最も不可欠で、最も強い同盟国であり続ける」と話した。イスラエルメディアが伝えた。
英国のスターマー首相はXを更新し、「バイデン氏の決断を尊重する」とした。「これまでと同じく（残りの任期中に）米国民に何が最善であるかにもとづいた判断を下していくだろう」と発信した。
ドイツのショルツ首相は「彼のおかげで米欧の協力は緊密になり、北大西洋条約機構（NATO）は強くなった。米国は頼れる良きパートナーになった」と述べた。
カナダのトルドー首相も「バイデン氏の行動はすべて彼の愛国心によるもの。カナダ国民のパートナーであり真の友人だ」とする声明を出した。
ポーランドのトゥスク首相は「世界を安全に、民主主義を強固にしてくれた」と謝意を示した。撤退の判断については「人生で最も難しい決断だっただろう」とバイデン氏の気持ちをくみ取った。
バイデン氏はウクライナ侵略を続けるロシアに制裁を課すなど厳しい対応をとってきた。ロシアのペスコフ大統領報道官は現地メディアに対し「米大統領選はまだ4カ月先で、多くの変化は生じうる。事態の推移を注視していく必要がある」との見方を示した。
中国外務省の毛寧副報道局長は22日の記者会見で「米国の内政問題だ。コメントしない」と述べるにとどめた。
2024年に実施されるアメリカ大統領選挙に向け、現職のバイデン大統領やトランプ氏などの候補者、各政党がどのような動きをしているかについてのニュースを一覧できます。データや分析に基づいて米国の政治、経済、社会などに走る分断の実相に迫りつつ、大統領選の行方を追いかけます。
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