ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

シエラ・ネヴァダに寄せる −1−

2022-05-11 | アメリカ事情

scenicwonders.com

Yosemite

 

シエラネバダ山脈は、カリフォルニア州セントラル・バレー(サン・ワーキン・バレー)とグレート・ベースン(大いなる盆地=ロッキー山脈とシエラ・ネヴァダ山脈の間)の間にある。範囲の大部分はカリフォルニア州にあるが、ネバダ州やオレゴン州にも及ぶ。いわば、アメリカ大陸西部の「バックボーン」を形成するほぼ連続した山脈の連鎖である。

シエラは南北に400マイル(640 km)走り、その幅は東西に50マイル(80 km)から80マイル(130 km)の範囲で、アラスカとハワイを除く48州中の最高峰14,505フィート(4,421 m)のマウント・ウィットニー山があり、15の氷河、3つの国立公園(ヨセミテ国立公園、セコイア国立公園、キングスキャニオン国立公園)がある。体積世界一の巨木シャーマン将軍と呼ばれるセコイア、北米最大の高山湖タホ湖、一億年前の花崗岩が氷河によって削られたヨセミテにはかなり高くから落水するブライダル・ヴェイル滝もある。

Sierra Nevada

マウント・ウィットニーの夕日

sunset.com

 

シエラ・ネヴァダは、カリフォルニア州にとって、威厳のある美しい山脈であるだけではなく、水源としてシエラ融雪(降水も)は、麓だけではなく、サンフランシスコ・ベイエリアから南カリフォルニアに広がる各都市の2,700万人以上の人々に飲料水の一部を提供している。融雪は、セントラル・バレーの農業用水ともなり、昨今の旱魃は今夏は特にひどくなると懸念されている。

たとえば、ヨセミテ国立公園のヘッチヘッチー貯水池は、サンフランシスコの総水需要の85%を占めている。 シエラ高地を源流とするモコルムネ川は、イーストベイ(サンフランシスコ対岸のオークランド市周辺)の水の90%以上を供給しており、シエラ東部のオーエンズ・バレーはロサンゼルスの主要な水源となっている。

そのオーエンズ・バレーのマンザナールには、第二次世界大戦時、日系人収容所が作られ、遠くにマウント・ウィットニーが望めたという。このマンザナール収容所に関係のある話はこの次のブログに書く。

シエラ・ネヴァダの美しさはスコットランド人のアメリカのナチュラリストの草分けで「自然保護の父」と呼ばれる作家・植物学者のJohn Muir(ジョン・ミュア)、彼に感化され、国立公園の理念を確立させたセオドア・ルーズベルト大統領、新聞記者サミュエル・クレメンスが、今はゴーストタウンのボーディで、マーク・トゥエインというペンネームを思いつき、彼もこの山脈を愛した。ヨセミテ公園のハーフ・ドームは登頂しての絶景も、ヨセミテ・バレー全体の威厳に満ちたその美しさは、誰をも魅了する。

冠雪したシエラ・ネヴァダの峰々をフロントウィンドウ越しに眺めながら、フリーウェイを東に運転していくそんな時は、いつだって、思わず”How Great Thou Art!"と感嘆し、溜息をつく私である。そして、あの歌が脳裏に浮かぶのだ。

その歌は、讃美歌であるが、下に紹介するHome Free(ホーム・フリー)というアカペラグループは、カウントリー音楽が基本にあるが、壮大で荘厳な自然に神の創造を感嘆して賛美する歌は心に響く。 二番目のヴィデオは実際に教会合唱団によるものである。 どちらも素晴らしい。Home Freeは途中でIt Is Well With My Soulの一節を少し忍ばせている。

【注意】このヴィデオは歌が終わった後宣伝が入るので、そこでお止めください。

How Great Thou Art 輝く日を仰ぐとき

 

このヴィデオでは、Sissel(シソー)が最初スェーデン語で(この原曲スェーデンの讃美歌O store gud)歌い、英語でタバナクル合唱団と共に歌う。和訳は下に。

 

  1. 輝く日を仰ぐとき 月星(つきほし)眺(なが)むるとき 雷(いかずち)鳴り渡るとき まことの御神(みかみ)を思う 我が魂(たま) いざたたえよ おおいなる御神を 我が魂 いざたたえよ おおいなる御神を
  2. 森にて鳥の音を聞き そびゆる山に登り 谷間の流れのこえに まことの御神を思う 我が魂(たま) いざたたえよ おおいなる御神を 我が魂 いざたたえよ おおいなる御神を
  3. 御神は世人(よびと)を愛し 一人の御子を下(くだ)し 世人の救いのために 十字架にかからせたり 我が魂(たま) いざたたえよ おおいなる御神を 我が魂 いざたたえよ おおいなる御神を
  4. 天地(あめつち)造りし神は 人をも造り替えて 正しく清き魂 持つ身とならしめ給う 我が魂(たま) いざたたえよ おおいなる御神を 我が魂 いざたたえよ おおいなる御神を

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クイズとBooと

2022-04-08 | 私の好きなこと

アリゾナの夕暮れ (モンティ・ネヴェット撮影)

 

 

 

夫は自宅勤務で、私が仕事から帰宅する5時半から6時半の間に軽い夕食を取る私たち夫婦。 食後はカウチに二人して座り、7時からのJeoparday!という長い間続くクイズショウを30分。 カウチから「参加」して思いつく答えをそれぞれ口に出す。 このクイズは、答えが質問になっていて、回答者は、質問を回答する。 

Wikipediaに説明されているので、以下引用:「クイズは司会者が問題文を全文読み上げてからの早押し形式で行われる。問題文はほとんどが短文あるいは数個の単語であり、日本のクイズ番組で見られる『日本で最も高い山は何でしょう?』といった質問文形式ではなく、『それは日本で最も高い山です』といった答えの形で書かれている。回答者は『富士山とはどんな山でしょう?』のように質問文形式で回答する。」と、まあ、ややこしいが、1964年から続いているクイズ番組であり、昔から我が家では人気がある。

 

ABC.com

「1929年6月17日、この航空会社の最初の旅客便はダラスを出発し、シュリーヴポート、モンロー、そしてジャクソンに寄港しました。」

答えは「デルタ航空は何ですか」である。

 

そのテレビの前の床の犬ベッドにハスキーのBoo(ブー)が寝そべり、大好きなNylaboneという安全な齧りトイを熱心に齧っているというのが毎夜の定番構図。 

Booは今年初めから六週間に渡って毎月曜夜1時間のトレイニング・コースを取っていた。 驚いたことにクラスに来ていた神経質なコーギー犬ややんちゃなマルチース犬よりも、早くに飼い主の言うことを聞き、吠えることも、文句を言うこともなく、一応飼い主に従うことを覚えたが、習ったことをすぐ忘れるので、落伍犬(落語でも可)ではある。 ラッシーやベンジーやリンティンティンが目標とは思いつきも期待もしていなかったので、とにかく人を噛まず、脅かさず、飛び付かず、愛想笑いの一つや二つできれば、たいしたものだとする飼い主も飼い犬同様、ある意味落伍者ではある。

そんなBooは、Jeopardy!が終わるや否や、寝ていても、目を開けて私の傍へ来る。 その時点で、私は、「7時半だものね、Boo, もう行こうか?」と尋ねると、Booは跳ね上がるようにベッドから起き上がり、私と競争するかのようにガラージの自分の寝所へ向かう。 つまりBooのクレイト(檻)である。 

ガラージに置いてあるクレイトが大好きで、昼間外で遊び飽きると、パティオのドアをノックしてくる。 居間の犬用ベッドの時もあるが、そのまま真っ直ぐガラージへ向かうことが多い。 ハスキー犬は始祖の狼にも似て、デン(巣穴)のような環境を好むのか、夜間暗く静かなガラージのクレイトに入り、クレイト専用のカバーを掛けて貰って休むのをとても好む。 

朝は私が起こしに行くまで熟睡している。 坐禅をして、瞑想でもしていたかのような、妙に悟った顔つきで起きる。

お気に入りのガジガジになった齧り骨とボールを身近に居眠りするBoo

 

先回の健診(人間の)では、ウクライナのニュースを目にするたびに、やりきれなくなります、とぼやいた私に、主治医は言った。 「あなたはウクライナへの基金をし、また毎日ウクライナのために祈っていますよね。 それが今あなたの出来ることなのですから、なるべくニュースをご覧にならないようにしてください。 血圧は正常ですが、毎日ニュースをご覧になると、ひと月もしないうちに、不具合が見つかるようになりますよ。 人生は短いのです。 大切になさってください。」

その通りかもしれない。 ウクライナのために戦おう、とこの私がランボウのように銃を取ったところで、それを抱えて機敏に戦場を駆け抜けるなど自信はないし、第一今から武器の扱いを習ったとて、習得する前に理不尽な暴虐が集結するかもしれない。 せめてスパイダーマンに生まれていたらと地団駄を踏んでみても何にもならない。 第一蜘蛛の親戚にはなりたくない。 医師は毎日のんびりできる時間を少しでもお取りください、と言いながら私をドアまで送った。

だから夫とふたりでカウチでJeaopady!を見て、Booとしばらく遊び、クレイトに入れてやり、それからホレイショ・スパフォードの”It Is Well With My Soul"を聞きながら眠りに着くことにしている。 多くの避難民を思いつつ、どうぞその人々の安寧がこの夜あるようにと祈って。

下は同じIt Is Well With My Soulを英語、スペイン語、ロシア語、そしてウクライナ語で歌っている。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

魂の安寧

2020-04-15 | アメリカ事情

maxresdefault 

 

Horatio Spaffordホレイショ・スパフォードはシカゴで有望な弁護士であり、素晴らしい家族を持っていたが、たった4歳の息子を病で失くし、1871年のシカゴの大火災で家や財産の一部を一掃されてしまった。

 

深い絶望の中で、新しい出発をしなくては、と彼は考え、休養をイギリスで家族と共に過ごすことに決めた。ホレイショはまず彼の妻と娘たちを先に送ることにした。

 

ところが奇妙で皮肉な運命にあい、妻子の乗った船は別の船と洋上で衝突し、娘4人全員が失命し、妻だけが生き残った。

 

ホレイショは嘆きくれる妻を慰めるために直ちにイギリスに向けて出航した。 “It Is Well with My Soul”「わたしの魂は安寧」(邦題:安けさは川のごとく)という言葉を書いたのは、船が娘達の海難現場付近の洋上にいた時だった。。

 

数年後、スパフォード夫妻は、新しく生まれた子供たちと共に再び家族を持ち、アメリカのマスコミからThe Overcomers(克服者)と呼ばれるグループと一緒にエルサレムに引っ越した(2011年、Simon Sebag Montefiore著「Jerusalem:The Biography」を参照)。

 

スパフォード夫妻は、どんな宗教の徒(メソジスト教徒、ユダヤ教徒、イスラム教徒、末日聖徒イエスキリスト教会教徒、ヒンドゥー教、または異教徒などに関わらず)でも、苦しんでいる人を手助けるすることで伝説的な存在となった。

 

私の属する教会には、1846年4月にウイリアム・クレイトンによって作られた「恐れず来たれ聖徒」(当初の原題は、All Is Well「すべては善し」)という賛美歌があるが、これは日本基督教団の賛美歌集にも含まれた事がある。

 

人間としての苦悩が非常に似ているならば、それからの解放も同様という事だろう。メソジスト、ユダヤ人、イスラム教徒、末日聖徒イエスキリスト教会、ヒンドゥー教、異教の人々にとって、普遍的な慰めがIt Is Well With My Soulやその約50年前に作られたAll Is Wellにも見つけられ、人々は癒しを得るのだろう。

 

おそらく、クリスチャンの聖典では、聖霊が鳩として描かれているのはそのためであろうか。

 

これはCovid19奇禍にある世界中の人々のためにテネシー州ナッシュビルのスタジオ歌手たちが携帯電話でこの賛美歌を歌ったもの。

 

1. When peace like a river attendeth my way,
when sorrows like sea-billows roll;
whatever my lot You have taught me to say,
‘It is well, it is well with my soul.’

It is well with my soul;
it is well, it is well with my soul.

2. Though Satan should buffet, if trials should come,
let this blessed assurance control,
that Christ has regarded my helpless estate,
and has shed His own blood for my soul.

3. My sin – O the bliss of this glorious thought –
my sin – not in part – but the whole
is nailed to His cross; and I bear it no more;
Praise the Lord, praise the Lord, O my soul.

4. For me, be it Christ, be it Christ hence to live:
if Jordan above me shall roll,
no pain shall be mine, for in death as in life
You will whisper Your peace to my soul.

5. But Lord, it’s for You – for Your coming we wait,
the sky, not the grave, is our goal:
O trump of the angel! O voice of the Lord!
Blessed hope! Blessed rest of my soul.

1. 安けさは川のごとく 心ひたすとき
  悲しみは波のごとく 我が胸満たすとき
  全て 安し 御神共にませば

2. 悪しき者迫り来(く)とも 試みありとも
  御子イエスの血のいさおし ただ頼むわが身は
  全て 安し 御神共にませば

3. 見よ我が罪は十字架に 釘づけられたり
  この安きこの喜び 誰も損ない得じ
  全て 安し 御神共にませば

4. よし天地(あめつち)崩れさり ラッパの音と共に
  御子イエス現わるるとも などて恐るべしや
  全て 安し 御神共にませば

 
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする