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ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

セコイアの巨木を保護するための戦い:その後

2021-11-04 | 自然の中で

EPA

 

 

 

その筋の専門家によって立てられる効果的な消防や緊急時対応計画、および豊富な消火用水量は、カリフォルニアのシエラネバダ山脈にある巨大なセコイア森林が将来の世代のために安全に生き残られることを意味する。

落雷によって始まった9月9日の「ウィンディ・ファイア」は、セコイア国立公園で収束に至るまでに、ペイロン・セコイアとレッドヒルという小規模な森林で25,000エーカーを燃やした。

そこでは、消防隊は、地球上で最大樹木の「シャーマン将軍」などの有名なセコイア巨木の多くを、華氏1,200°F(約摂氏690°C)までの耐火性のあるフォイルで包んだ。

「幸いなことに、1960年代以降、国立公園管理局は多くの計画的野焼きを行なってきているため、実際の火災消火作業ははるかに簡素化しています」と、消防士長のジョン・ウォレスはこの日曜日朝に行われたブリーフィングで述べた。 「国立公園には無数の遊歩道があり、消防士にとっての仕事をする場所を与えています」と彼は付け加えた。

「巨木森林公園内の建造物、博物館、シャーマン将軍の木の周りのすべての構造物にはスプリンクラーが取り付けてあり、消防士はすべてが始動可能かを確認するために、これらのスプリンクラーをほぼノンストップで検査しています。そして今現在巨木森林でのすべての保護防護活動は非常に順調に行われています」と続けた。

セコイア国立公園へ旅すると、数千もの巨大な樹木が何年にもわたって多くの火に耐えてきたのだろうとわかる。

 

EPA

 

その樹皮は、巨大な海綿状の毛布のように、32インチの厚さで、炎から本体を保護する。事実、木は円錐形に蓄えられた種子を放出するために火災による火だけが生成できるレベルの熱を必要としている。

文字通りセコイアは炎の中で生まれるのだ。

しかし、気候変動による毎年のカリフォルニアの干ばつ状況や、それによって火災などの気象に関係する事象がさらに深刻になるという予測が重なると、木々自身がそれぞれ安全であることが重要になる。

CaliforniaTimesNewsカリフォルニア・タイムス・ニュースによると、600人以上の消防士がある時一斉に火炎と戦っていた。それらのほとんどの消防士たちは、「100巨大樹木森林トレイル」区域内で働いていたと言う。

 

 

セコイアとキングスキャニオン国立公園

 

こうした広大な大森林で起こる火災の消火作業、予防対策などは、膨大な時間とたくさんの消防士たちの活躍が必要とされ、例え鎮火に2ヶ月近くの時間を要したとは言え、再び「シャーマン将軍」と名付けられたセコイアを初めとする、ジャイアンツが火の手を逃れ、焼失を逃れたことはカリフォルニア州民やひいては世界にとっては良いことである。10月半ばに、突如として冷たい空気が海風に乗ってやってきて、また南からの低気圧が少なからず雨をもたらしてくれたことを感謝することしきりである。カリフォルニア・クラシックと呼ばれる晴天の蒼空の彼方にくっきりと冠雪のシエラ・ネヴァダ山脈を目にする度、感謝の気持ちが湧いてくるこの頃だ。

 

 

 


森へ行こう

2021-09-05 | 自然の中で

カリフォルニア州サンタクルーズのヘンリー・コウェル・レッドウッド公園にて

ちいちゃなちいちゃな孫息子たち。

 

 

今年も昨夏に続き、大火災でカリフォルニア州の森は燃えている。ネヴァダ州との境にあるレイク・タホ南の森林火災は、今日で何日目だろうか。鎮火はなかなか進まない。この火災による煙や塵芥は遥か東部州までへもたなびいていく。どうかこれ以上燃やされないように早く秋の冷たい空気になるように。

我が街から少し南東へ下がると、セコイア国立公園があり、その周辺で山火事が起こった時、公園の有名な「住民」である「ジェネラル・シャーマン」に燃え移らないことを人々は切に願い、消防隊もそうならないように防護したのはまだ記憶に新しい。ジェネラル・シャーマンは南北戦争時の北軍の将軍、ウィリアム・テカムサ・シャーマンにちなんで名付けられたセコイアデンドロンの巨木である。樹齢はおよそ2200余年で、1931年以来世界で一番大きな木と言われている。そんなところでの森林浴はどなたにもお勧めしたい。

 

シャーマン将軍のセコイア

 

さて、この夏、長女家族と次女夫婦は、別のカリフォルニア州のレッドウッドの森林公園やサンタ・クルーズの森林を訪問した。次女夫婦の訪ねた北部カリフォルニアの森林公園は、ビッグフット(サスカッチ)が俳諧し、多数目撃されたり、足跡が採集されたりして有名なところなので、二人が出かける前に、「それじゃ、ビッグフットの目撃写真の一、二枚お土産に撮ってきて頂戴」と頼んだ私。送られてきたのは、全然怖くない、ひどく次女の夫に似ているビッグフットだった。

 

 

Come forth into the light of things,
Let Nature be your teacher.

光のあふれる世に出て
自然を師となそう

と、かつて英国の自然賛美で知られる詩人ウイリアム・ワーズワースはその詩の中で書いた。文明開化が産業革命と手を取り合ってやってきた時代のワーズワースは、もうその時点で自然賛美を謳っていたのだ。

文明は確かに人に利便性と快適な生活を約束してくれるが、時にはあまりにそれが過ぎてもっとシンプルで純粋なものを欲するのが人間というものだ。そんな時ワーズワースの如くに、そして寺山修司の如くに、「書を捨て、町へ出よう」ではないが、「書を捨て、森へ行こう」となる。

特にパンデミック渦中にある今現在、新株ばかりふやすウィルスの森林を抜け出したい。ついでに私は書は捨てずに持参して森へ急ぎたいタイプである。そしてただの森ではなく、ビッグフットが出没する(希望的観測)レッドウッド森林へ行きたい。

ただひたすらレッドウッド・セコイアを見上げ、そばに座り、その香りを楽しみ、Darby O'Gill and the Little People(邦題:ダービーおじさんと不思議な小人たちー後に『四つの願い』となった)を大木の祠で待ってみたいものだ。

 

musingfromus.com

デイズニー映画化されたダービー・オギル

 

そんな森で木々から私が学びたいこととは:

  • 嵐を乗り越える強さ
  • 木々の社会の作成と協力の仕方
  • 束縛されない生活:自由
  • 独自性(針葉樹や常緑樹もあれば、広葉樹や落葉樹もある)を見つける
  • 適応と再生で自己回復
  • 背筋を伸ばして地に立つ:尊厳を持つ
  • 冬休み:休息
  • 持てる葉を広げて隠すものがない正直さ
  • 地に根を張り広める:自分の基礎を築く

 

それらを修めて、森から帰宅する時がきたら、もしかしたら、Covid-19は終息が早まり、誰もワクチンに対してああだ、こうだと争わなくなっているかもしれない。

あなたも書を捨てても、持ってでもどちらでも、とにかく森へ行こうではありませんか。