稲敷資料館日々抄

稲敷市立歴史民俗資料館の活動を広く周知し、文化財保護や資料館活動への理解を深めてもらうことを目的にしています。

今年度の市内小学校による資料館学習が一段落…

2013年02月15日 | 日記

昨年の11月15日の柴崎小学校を皮切りにスタートしました
市内小学生の「昔の暮らしと道具」に関する資料館での
調べ学習が、2月13日のあずま東小学校の来館で、予約を
いただきました分につきまして、無事終了いたしました!


ご来館いただきました小学校は、訪問順に…
柴崎小4年、高田小3年、柴崎小3年、江戸崎小3年、太田小3年、
あずま北小3年、あずま西小3年、鳩崎小3年、君賀小3年、
あずま南小3年、古渡小3年、沼里小3年、あずま東小3年、
のみなさんで、総勢361名が資料館に学習に来ていただきました!


たくさんのご来館、誠にありがとうございました。


今シーズンの小学生のみなさんの見学につきまして、
当館では一つのテーマを設定しました。

そ・れ・は…

条件付き「おさわりOK!」です!

ということで、バスに乗ってはるばる来館してくださった小学生
のみなさんに、

今日だけは特別よ!
職員の見てる所で!
そっと、やさしくね!

というお約束をした上で、「おさわり」していただく
大サービスをしちゃいました!

これは昨年の学芸員専門研修で国立民族博物館の広瀬浩二郎先生の、
さわって知る物のおもしろさ、「触文化」という考え方や、博物館
が来館者に「触学・触楽・触愕」の機会を提供できる
ユニバーサル・ミュージアムというユニークな「手学問」の実習に
触発されての事です。

広瀬先生は、全盲の学生で京都大学の一般入試を合格された最初の
方だということで、実習では「手で触れる学習」の有用性を熱心に
語られ、触って学ぶ、触って楽しむ、触って愕く、ということを
博物館に取り入れるにはどうしたらよいか?と日夜楽しい研究を
続けておらます。


それでは、みなさんの「触学・触楽・触愕」がどのような感じだった
のか、写真でお伝えいたします。


普段は立ち入り禁止の第二展示室の昔の民家復元コーナーも
今回はこの通り、そぉ~っと入ってもらいました!


お釜で炊いたご飯を入れる「おひつ」とそれを入れる保温用の
「おひつ入れ」。ワラは中が空洞になっているので、空気の層が
できて保温効果があります。


背中に背負ってるのは、「しょっかた」とか「背負いはしご」と
呼ばれる道具。これに薪などをくくりつけて背負って運びます。
ここではワラは、クッション(緩衝材)として、重い荷物で肩や
背中に堅い木が食い込むのを和らげてくれます。


ぼっち笠(釜井笠)をかぶってパチリ!頭頂部のぽっちの形に
制作された地域独特の形があるそうです。こちらは市内の釜井地区
のもの。


これは「火打石」を打っているところ。
みなさん、マッチも擦ったことがあまりないご様子でしたが…
火花が飛ぶと大喜び!


女の子は、機織り機に興味深々のご様子…。
織り姫様になったつもりで…
足でペダルを踏んでタテ糸を大きく開いて…
杼(ひ)はありませんでしたがヨコ糸を通して…
筬(おさ)でトントンと締め込みます。


戦いすんで、日が暮れて…
今回、「蓑」も希望する小学生に羽織ってもらいました。

何分、古いものですから、小学生のみなさんが、
「やさしく!大事に!」扱ってくださっても多少はイタミます…。
ちょっとくたびれちゃいましたね。

ゴミも出ます…。

しかし、「蓑」などは、奥会津地方では、今でもお年寄りの方など
雪かきの際には着用しています。

資料館には、同じ資料でもいくつかのストックがありますし、
今ならまだ修理可能なものもあります。

今シーズンの「おさわり」体験学習の成果と反省点を検討し、
また、来年以降の小学生のみなさんの学習方針を考えたいと思います。


つづく…

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