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REHA planning(リハビリ訪問看護ステーション東大阪)での日々の業務や、勉強会等の様子をお伝えしていきます。

アテトーゼ型脳性麻痺をもつ主婦の日常生活における工夫

2015-08-25 | 自主練習、姿勢調整

こんにちは、作業療法士の加藤です

本日は私が担当させていただいている利用者様で、アテトーゼ型の脳性麻痺を持つ主婦の方の、台所仕事における工夫の紹介をさせていただきます。

その前に、アテトーゼ型の脳性麻痺というのは、どのような症状なのかを少しかいつまんで説明させてもらいます。

「定まった姿勢を持たない」「筋の緊張が激しく動揺する」

 私たちが効率よく動くには、重力に負けずに姿勢を保っておけるくらいの高い筋活動力を必要としますが、あまり硬くなりすぎては自由に動けないため、高すぎず低すぎない、ちょうど良い筋の緊張状態を常に調整する必要があります。しかし、アテトーゼ型の方は、極端に高い緊張状態から低い状態へというように、筋緊張が激しく変動し、ちょうど良い状態を保つことが非常に難しいという特徴があります。

不随意運動

 自分の意図とは関係なく、勝手に体が動いてしまうことを不随意運動と言います。特にアテトーゼ型の不随意運動では全身的に体を捻じりながら、四肢を左右非対称に曲げ伸ばししてしまうような運動が生じることが多い印象です。

これらの症状は、自分で動こうとする際に、より強まりやすい傾向があるのですが、これらの症状をなるべく小さく(緊張の動揺の幅を少なく)したまま、台所仕事を実行していくための工夫を紹介させていただきます 

 1つめ

 

 電子レンジで熱くなった器を運ぶ際に、耐熱皿に載せて運ぶこと。

 熱さの加減として、ミトンで十分に対応できるとしても、「もしかしたら熱いかも」とか「ずっと持っているうちに熱くなるかも」といった不安な要素があると、それにより精神的な緊張が高まります。そうすると、特に障害を持っていなくても、自然と肩に力が入ってしまったりしますが、アテトーゼ型の方は、より深刻で、力が入りすぎるということにとどまらず、不随意運動なども強めることになりかねません。耐熱皿に乗せることで、確実な安心とリラックスが得られ、安全に器を運ぶことができます。

2つめ

立ち仕事は、お腹を軽くもたれさせて、腰を休めながら

 この方は、普段からの非対称な姿勢や運動のしわ寄せが、首や腰の左側にきやすい傾向にあります。このような局所的な筋の疲労は、より強い姿勢の非対称を生み、さらには筋緊張の動揺、不随意運動を強めることがあります。それを予防するためにも、機能的かつ楽な姿勢で行えるように、環境の設定を行うことも大事なことのようです。ジャガイモの皮むきなど、長時間の作業はダイニングで座って行うとの事でした

 以上、利用者様にご協力頂き紹介させていただきました何気ないですが、このような小さい工夫の積み重ね、体への気遣いが非常に大事なのだと改めて気づかされました。

 写真の掲載にあたり、ご本人様に了承を頂いております


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