本にはいろいろあるが、歴史的事実に関していい加減では困る。
先日コンビニで「戦国時代の舞台裏」青春出版社を買ったのだが、その中に身長の話が出ている。そこに石田三成の遺骨から156cm位であったろう(医大の教授の話)と記載されていた。それはおおむね事実であろうと思うが、それに対しこの筆者(歴史の謎研究会という変な集団だが)が「当時の平均身長から見ても小柄だったようだ」と書いている。
この時点で、17世紀(1600年代)の平均身長がそんなに高いのかとすぐに疑問を持った。筆者はさらに、徳川家康が155~158cm、伊達政宗も160cmに足りず、背が低い武将としてあげている。調べるまでもなく、私はおかしいと感じた。気になったので調べてみると、しっかりしたデータのある戦後の1948年の成人男子の平均身長は158.2cm。それ以前のものは文献や遺跡などから古代縄文時代から昭和20年初めまでは、155cmから160cmの間なのだ。これは想像や憶測ではなく事実なのだ。それから言えば、この本に書かれている「背が低い」というのはなんら根拠のない事になる。
こうゆう本はこうしたたったひとつの虚偽の内容からすべてが信用できなくなるのだ。いくらお手軽に読むネタ本にしても事実とは異なる事を書くのはひどい!まぁ、青春出版社自体がろくな本を出していないからこの程度のレベルなのかとも思うが・・・。
マスコミを単純に信用してはいけないというひとつの事象だ。少なくともおのれの見方で内容を咀嚼しなければいけない。場合によっては信用はおけてもいろいろと意見が分かれるものも多いのだ。