赤ガエルのボンヤリ日記

クルマもカレラ、自転車もカレラ、
すべて前世紀生まれの乗り物を愛する、クルマバカオヤジの中身うすーい日記です。

マンガを読むということ

2005-03-09 00:49:40 | こんな本を読んだ(マンガ編)
 40過ぎてまたマンガを読むようになった。きっかけは以前も書いた古本屋めぐりだ。古本屋といっても都市部のような専門的な古書店は近くにない。あるのは大手チェーンのブックオフやその類似店。ベストセラー、コミックはたくさんあるが、例えば趣味関連のちょっとひねった書籍はめったにない。神保町あたりだとジャンル別専門店があり、クルマ関連専門店もあったはず。いいよなあ、うらやましい。
 めったにはないのだが、たまたま何かの拍子でクルマの貴重な本が店頭に出た場合、下手に専門古書店に出回るよりもずいぶん安い値付けがされている場合がある。マニア向けの価値ではなく、単なる売れそうにない古本とだけ思われるからだろう。なお僕の住む土地は「日本のモータウン」とでも呼ぶにふさわしい地域で、クルマ業界関係者も多く住んでいるためその分クルマ関連本が古本として出回る可能性はないわけではない。したがってまれにではあるが珍しい(高価な)本を手に入れられることもある。(その1例は以前紹介した)

 さて、ブックオフやその仲間達をのぞいていると、いやでもコミック本コーナーやその脇を通っていくことになる。ここ20年ほどマンガを読むことから遠ざかっていたので、いまどきのマンガ事情にはうといのだが、たまに昔おなじみだった作品とかが目にとまると、ちょっと手にとってみたりもする。

 思えば20年ほど前、当時はスピリッツが仲間内では必読の書であり、ちょうど「めぞん一刻」がクライマックスを迎えようとしていた。毎週ゼミの研究室にはスピリッツが届きみんなで回し読み。他にも隅の暗室にはいろんなマンガ本が代々の卒業生の遺産として残され、ろくに勉強しないわれわれの時間つぶしの材料だった。
(そういえばこの間までうちの子供達はTVの「犬夜叉」を毎週一所懸命に見ていた。親子2代で高橋留美子のお世話になっているわけだ)
 中国からの留学生S君は、われわれ日本のボンクラ学生とは違って頭脳も意欲もびんびんに優秀なエリートだったが、同時にしっかりユーモアも持ち合わせ柔軟な頭脳の持ち主だった。「わたしはゴルゴ13で日本語と世界情勢を学習しました」というだけあって?見事に本国政府から見て「好ましからぬ」人間になってしまったようだが、いまは立派に日本で大学助教授を務めている。それにしてもせっかく国費で送り出した留学生が、わけわからんマンガの悪影響?で祖国にも戻らず日本の学生教育に従事しているようでは、中国政府にとっては大きな痛手ではなかろうか。なにせ当時の中国の国費留学生が毎月受け取る生活費は、為替換算すると小平国家主席の公式報酬よりずっと高いという話だった。ひょっとすると党の公安関係部署では「さいとうたかを」の狙撃依頼案が練られていたかもしれない。

 一昨年のある冬の日、近所のヴィレッジ・ヴァンガードのクルマ本コーナーに、ラリーカーの透視図を表紙に描いたマンガがあった。東元昌平の「SS」という本だった。手書きのPOPには「読ませる!大人のクルママンガ」みたいなことが書いてあった。東元といえばその昔バイクこぞーだったころ「キリン」という作品を読んだことを思い出す。4巻までが一つのエピソードで、これもなかなか面白かった。どうやらそこから延々と続いて今では20何冊にもなっているらしいが、僕は4巻までしか読んでいないのでその後の内容は知らない。「キリン」はスズキのカタナ1100に乗る中年オヤジが、東名でポルシェ911のオヤジと勝負するというお話。当時は自分がスズキRG250ガンマのオーナーだったので、バイク乗りの視点で見ていたのだが、今ではなぜか自分が911オーナー(のオヤジ)だ。偶然とはいえ時の流れを感じたりする。その場で立ち読みOKになっていた1巻に目を通し、そのままブックオフへ直行となった。
 「SS」のストーリーについてかいつまんで言うと、かつてWRC参戦のために開発されたが、ルール改変でお蔵入りになってしまった幻のGr.Bモンスター「三菱スタリオン4WDラリー」を、おなじくWRCデビューしそこなったラリードライバー(今は整備士をしているオヤジ)が復活させ、現代の高性能マシンどもをバッタバッタと打ち負かしていく、というもうまさにオヤジ向け痛快自動車オタクマンガ。自分が年を取っていくという自覚と焦燥感が、未消化のまま残っていたオヤジのファイティングスピリッツを再び燃え上がらせる。ライバルとして登場するのもオヤジたちだし、自らオヤジ道ばく進中の僕としてはピンポイントで突き刺さる1冊だった。たちまち全巻9冊をそろえ、ひさびさのマンガ耽読とあいなったのだった。

 この1冊がきっかけとなり、03年後半の「SS」から04年上半期の「最終兵器彼女」04年下半期の「MONSTER」「PLUTO」と僕にとってのヒット作が続くことになる。ひさびさに垣間見ることになったマンガ界は、かつてのマンガこぞーを立派なマンガオヤジに復活させてしまうことになった。また時間見つけてこれらの作品への感想なんかも書けたらいいなと思っている。

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1 コメント

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Unknown (失笑)
2005-03-11 01:16:26
浦沢直樹はともかく、高橋しんは意外ですねぇ。



買い続けてるマンガは木城ゆきとの銃夢(ガンム)だけですが、お勧めはしません(^^;;



http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087825760/qid=1110471152/sr=1-6/ref=sr_1_10_6/250-3413283-5921812



ちなみに、アマゾンの頁は検索結果のURLだとエラーになりますね。

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