Everyone says I love you !

弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

安倍首相はフィリピンのドゥテルテ大統領に、法律無視の麻薬撲滅戦争を止めるように申し入れるべきだ。

2016年10月26日 | 海外の話題

マニラ・ケソン市刑務所内のバスケットボール場で眠る受刑者たち。定員800人の施設は数千人の受刑者であふれ返っている。



 2016年10月25日、フィリピンのドゥテルテ大統領が訪日し、安倍首相との首脳会談が予定されています。

 安倍首相になってからはとんと聞いたことがありませんが、外交においては相手国の内政問題であっても看過しがたい人権侵害がある場合にはこれを問題にし、場合によっては貿易の制限を設けるなどの制裁を加えるような「人権外交」が必要になります。

 そして、日本が法の支配を言うのであれば、同大統領の麻薬戦争が手続き無視の「超法規的」なものになっていることに対しては、きっちり物を言わなければなりません。

 ドゥテルテ大統領は大統領選挙でも、薬物問題が深刻な社会問題となっている中、「麻薬を半年でなくす」と公約し、就任後は大規模な麻薬犯罪の摘発を行っています。2016年6月末に大統領に就任してから約4か月の間に出頭してきた麻薬中毒者などの数は70万人以上に及ぶといいます。

 どうしてそれだけの出頭者が出たのか。



 ドゥテルテ大統領が繰り出す「麻薬撲滅作戦」では、摘発などの際に抵抗もしていないのに、警察官が銃で容疑者を撃つようなケースも後を絶たず、4000人近くが殺害されたというのです。

 しかも、フィリピン国内の拘置施設は、薬物関連で出頭してきた容疑者たちであふれかえっています。「殺されるくらいなら」と自首する人が相次いでいるためです。

 こうした強引とも言える摘発の仕方に、国連人権高等弁務官事務所が「法で認められていない処刑だ」と批判するなど、国際社会からは反発が高まっています。

 いくら麻薬犯罪撲滅のためでも、法の手続きに則らなければただのリンチなのです。

 こうした圧力を同大統領は口汚く批判しており、訪日直前の訪中時にアメリカとの決別を口にしたのも、フィリピンのこのような人権問題を批判されたことに憤激してのものといわれています。

 日本もドゥテルテ大統領に迎合せず、批判すべきものは正面から批判して、真の法の支配を目指すべきです。


南シナ海で中国と対抗するべくフィリピンと協力するつもりだったろう安倍首相ですが、ドゥテルテ大統領ははやばやと中国と手打ちをしてしまいました。

それでも安倍首相は南シナ海の法の支配とか言い出して、またいっぱいバラマくんでしょうね。

よろしかったら大変お手数とは存じますが、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!

人気ブログランキングへ人気ブログランキング

ブログランキング・にほんブログ村へほんブログ村

Amazon 社会・政治・法律

Amazon Kindle ベストセラー

Amazon タイムセール商品


 

 9月5日、マニラ市内のスラム街では、22歳の輪タク運転手Eric Sisonさんの遺体が棺に横たわり、その近くをヒヨコが行き交っている。地元の伝統にのっとり、彼を殺害した者の良心をつついて責める象徴として放されたのだ。写真はSisonさんの棺。マニラ首都圏パサイ市で8月撮影(2016年 ロイター/Erik De Castro)

マニラ市内のスラム街では、22歳の輪タク運転手Eric Sisonさんの遺体が棺に横たわり、その近くをヒヨコが行き交っている。地元の伝統にのっとり、彼を殺害した者の良心をつついて責める象徴として放されたのだ。

ソーシャルメディアで先月拡散された携帯電話の動画は、Sisonさんが殺害された瞬間を捉えたものだと言われている。現地の当局者によれば、このとき警察は、マニラ首都圏のパサイ市で麻薬密売人を捜索していたという。

新聞の報道によれば、この動画は近隣の住民が撮影したもので、「撃たないでくれ。降伏する」と叫ぶ声に続き、銃の発砲音が聞こえる。

ボロボロの家屋のあいだを走る悪臭を放つ水路の脇に置かれた棺の近くには、「Eric Quintinita Sisonのために正義を」と訴えるポスターがあり、手書きで「過剰殺戮。Ericのために正義を」との文言が添えられている。

わずか2カ月前にロドリゴ・ドゥテルテ氏がフィリピン大統領に就任し、麻薬密売業者に対する戦いと、広く蔓延する覚せい剤メタンフェタミンの乱用撲滅を宣言して以来、こうした殺害事件が急増している。しかし、このポスターのような抗議の印はめったに見られない。

ドゥテルテ大統領の血なまぐさい粛清作戦を阻む者はほとんどいない。

7月1日以降に殺害された人の数は、先週2400人に達した。約900人は警察による摘発作戦のなかで殺されたものであり、残りは「捜査中の死亡」だ。人権活動家によれば、これは自警団による超法規的な殺害を婉曲に表現した言葉だという。

今回の取材では、ドゥテルテ大統領の執務室からは直接のコメントを得られなかった。

<攻撃される反大統領派>

ロイターの取材で明らかになったのは、殺害事件が圧倒的に多いため、警察の内部監察局(IAS)と人権委員会(CHR)による調査もごく一部にしか及んでいないこと。そして、目撃者が恐怖のあまり進んで証言しようとしないため、多くの事件を不当な殺害であると立証する望みがほとんど無いことである。

他方、大統領の麻薬撲滅政策は広く支持されており、度重なる流血が恐怖感を煽っていることとあいまって、市民社会からの反発は抑えつけられている。超法規的な殺害に抗議するために先日マニラで行われたろうそくを灯して祈る集いには、ほとんど誰も参加しなかった。

死者数の増加にもかかわらず、パルス・アジアが7月に行った世論調査におけるドゥテルテ大統領の支持率は91%に達している。

事態を憂慮したカトリック教会が「汝、殺すなかれ」という戒律を思い起こすよう呼びかけているが、カトリック教徒が多数を占める国にもかかわらず、ほとんどニュースにもならない。新聞各紙は、最新の殺害事件についての息を呑むような報道を選好しているからだ。

ドゥテルテ大統領は、反大統領派の筆頭であるレイラ・デリマ上院議員に対する手厳しい攻撃を続けており、彼女が自ら麻薬取引に手を染め、運転手と不倫関係にあると批判している。

デリマ氏は先週ロイターの取材に対し、5歳の少女が頭部を撃たれる事件まで発生するという「狂気的」な状況を嘆きつつ、「このような事態を止めることができるのは大統領だけだ」と語った。

「いったいあと何件こうした巻き添え被害に耐えれば、われわれは本当にこの状況を嘆くことができるようになるのか」と訴える。

海外からの批判に関して、ドゥテルテ大統領は呪詛の言葉を織り交ぜつつ冷笑を浴びせている。

国連が殺害事件の急増を批判したことに対し、ドゥテルテ大統領は強い調子で反論し、今週ラオスで開催される東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の際に潘基文・国連事務総長と会談することを断った。

ドゥテルテ大統領は6日にラオスでオバマ米大統領と会談する予定だったが、「米国では黒人が無抵抗の意志を示していても撃たれている」と述べ、その米国の大統領から人権に関する授業を受けるつもりはないと明言している。

<「誰もが恐がっている」>

ドゥテルテ大統領の地元であるダバオ州の市場で14人が死亡する爆弾テロが発生したことを受けて、大統領がさらに弾圧を強める可能性がある。

警察はこの爆弾テロについて、過激派組織「イスラム国」とのつながりのある過激派グループ「アブサヤフ」(これについてもドゥテルテ大統領は撲滅を誓っている)の犯行と見ているが、大統領は麻薬に対する戦争によって他の敵を作りつつあり、今回のテロによって、大統領暗殺計画についての噂が取り沙汰されるようになった。

ドゥテルテ大統領は爆弾テロを受けて、「無法状態」を国中に宣言した。これは、軍による検問やパトロールによって警察支援を認める措置だ。

同大統領は、22年間にわたりダバオ市長を務めるなかで築いてきた強引な犯罪撲滅モデルを、驚くほどのスピードで全国に広げていった。

人権団体はドゥテルテ市長時代のダバオにおいて数百件もの不審な殺害例を記録しており、ダバオ氏では暗殺部隊が何の刑事責任も負わずに活動していたと述べている。一部で「パニッシャー(仕置き人)」と呼ばれるドゥテルテ大統領は、超法規的な殺害を命じていることを否定するが、そうした行為を批判していないのは事実だ。

現在フィリピン国内では、麻薬密売人の容疑者リストが地域の有力者から警察に提出されており、コミュニティのなかに恐怖感・不信感が増している。

政治家は、タイプを問わず皆沈黙しており、デリマ氏が主導する上院による調査も、法案を提出できるだけで、現場で殺人を止めることはできない。

<監察官は手一杯>

IASを指揮するLeo Angelo Leuterio主任警視は、警察が関与した発砲事件の調査はすべてIASが担当していると話す。だが、監察官は全国でわずか170人程度しかおらず、IASが対処できるのは、日々報告される約30案件のうち、30%に過ぎない。「IASはボロボロの状態だ」とLeuterio氏は言う。

IASのトップは独立性を確保するために文官であることとされているが、Leuterio氏は、ドゥテルテ大統領の地元であるダバオで13年のキャリアを積んできた警察官だ。同氏は、自分は公明正大であり、これまでに不正行為を理由に何百人もの警察官を解雇してきた実績があるという。

一方CHR側では、7月1日以降に発生した2000件以上の殺害事件のうち、調査しているのはわずか259件である。14人で構成される法医学チームは手一杯であり、狭苦しいオフィスで、超法規的な殺害の容疑を調べている調査官は、わずか12件の調査書類しか処理していない。

CHRは、最大の障害は、証人を見つけることが難しい点だという。

警察は29日、マニラの人口稠密な極貧地区であるトンド地区で、麻薬密売の容疑者に対して発砲したと記者団に発表した。

ロイター記者が、1部屋しかない容疑者の家を調べたところ、マットレスに血痕が散っていた。記者は近隣の住民に「何発撃たれたのか」と質問した。その男性は「悪いね、君。私は銃声なんて一発も聞いていないよ」と答えて歩き去った。

(John Chalmers記者、Andrew R.C. Marshall記者、翻訳:エァクレーレン)

 

 

比上院議員、ドゥテルテを大量殺人や人道に対する罪で告発

2016年10月25日(火)17時00分
ジャック・ムーア

日本に出発するドゥテルテ(10月25日) Erik De Castro-REUTERS

<中国で歓待を受け、今夕訪日するドゥテルテを、人道に対する罪で国際機関に告発する動きがフィリピンで表面化。ドゥテルテの人権侵害を批判して関係を悪化させたアメリカの手前もある日本は、どう対応するのか>

 長年、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領の麻薬対策を批判してきたフィリピンの上院議員が、国際機関に対して「麻薬戦争」の本格捜査に乗り出すよう訴えた。麻薬撲滅の公約を掲げたドゥテルテが大統領に就任してから4カ月間で、3800人以上の容疑者が殺害された。

【参考記事】アブサヤフのテロに激怒、ドゥテルテ大統領がまた殺害容認か

 前法相で人権活動家のレイラ・デリマは、数百人規模の密売容疑者が裁判を経ずに現場で超法規的に殺害されていると伝わる「麻薬撲滅作戦」は、終わらせねばならないと述べた。その唯一の方法は、各国がフィリピンに制裁を課し、ドゥテルテと彼に近い議員らに対してICC(国際刑事裁判)が本格調査に乗り出すなど、国際社会が最も厳しい態度で臨むことだという。

「ICCは現時点で、すでにフィリピンの大量殺人に関する調査の開始や、人道に対する罪に問う可能性を検討し始めているべきだ」とデリマは英紙ガーディアンの取材で語った。

【参考記事】ドゥテルテは「負傷した司法省職員を射殺した」

 デリマは、麻薬戦争とその非道な麻薬撲滅作戦を正当化するドゥテルテのレトリックによって、国内では自警のための殺人は容認されるという意識が芽生え、暗殺部隊が麻薬密売容疑者や麻薬常用者らを標的にしていると言った。

「ドゥテルテの言い回しは、単に彼独特の語り口だとか、誇張しているだけだといって見過ごすことができない。それを耳にする国民の側は、大統領が発する言葉として真に受けているのだから」

解任され狙われる告発者

 デリマは麻薬対策に絡む大量殺人を糾弾するために公聴会を始め、上院の司法・人権委員長も務めたが、先月解任された。今、彼女は身の危険を感じている。先月下旬の下院公聴会の証言の中で彼女の個人情報が読み上げられてしまったからだ。きっかけは、ドゥテルテによる問答無用の取り締まりに対する批判の急先鋒となったことだ。

「数週間は自宅に戻れず、寝場所を転々とした。その後は家の様子を見に時々帰ったが、夜にはまるで泥棒のような気分になった」

「それ以上にひどかったのは、携帯電話番号が世間に知れ渡ってからというもの、2000件近くの憎悪に満ちたメッセージや殺害の脅迫まで受けたことだ」

【参考記事】ドゥテルテ次期比大統領、ジャーナリストは「死んで当然」

 デリマは、ドゥテルテが彼女を見せしめにすることで、彼自身に対する国内の批判や反対派を抑え込もうとしていると指摘した。確かに、名の知れた上院議員を吊し上げておけば、今後は国内の反ドゥテルテ派もおじけづいて彼に刃向うことができなくなるはずだ。

 麻薬戦争をめぐり、これまでドゥテルテは数々の発言で物議を醸してきた。先月下旬にはナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺(ホロコースト)を引き合いに、自身を「アドルフ・ヒトラー」になぞらえ、国内に300万人いるとされる麻薬中毒者を「喜んで殺したい」と述べた。

 さらにアメリカが裁判もなく容疑者を殺害するのは国際法に違反すると糾弾すると、ドゥテルテはバラク・オバマ米大統領を「売春婦の息子め」「地獄に行け」などと罵った

 

 

ドゥテルテ大統領の残忍な麻薬撲滅戦争を世界に伝える、フィリピンの報道写真家たち

 

【閲覧注意】この記事にはフィリピン国内で起きた殺人に関する刺激的な画像が含まれます。

2016年7月のある日、「フィリピン・デイリー・インクワイアラー」紙のカメラマン、ラフィー・レルマ(38)は夜勤に入ってわずか数分後に、マニラの路上で3人の遺体が発見されたと知らせを受けた。レルマは写真を撮るため外に出た。その後麻薬が押収され、数時間後に超法規的殺人があった。レルマにとってはこれが夜シフトに戻ってから初めての夜勤で、電話が鳴る頻度の多さにショックを受けたという。


武装した何者かに射殺された男性の遺体。2016年7月23日、マニラの路上。

レルマは15年前から報道カメラマンの仕事を始め、この10年はフィリピン・デイリー・インクワイアラー紙に勤めている。これまでのキャリアの中で、死者が出るような自然災害、複数の犯罪現場を見てきた。2007年からマニラで午後9時から午前5時までの同じ時間で勤務していたが、ここ数カ月は初めて仕事がきつくなったという。

「この1カ月だけで、1年で見るより多くの殺人を目にしました」と、レルマはハフポストUS版に語った。

レルマは、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が仕掛けた麻薬撲滅戦争が激化してきた7月の2週目に夜勤に戻った。ドゥテルテ氏が6月30日に就任して以来、警察と武装した自警団はフィリピン国内で少なくとも3600人を殺害している。当局によると、死者の多くは麻薬の売人や使用者と思われ、犯罪や覚せい剤の蔓延を防ぐために標的とされているという。


麻薬の売人と思われる遺体を調べる警察。遺体の顔はガムテープで巻かれ、「I’m a pusher(私は麻薬密売人です)」と書かれたプラカードが付けられていた。7月8日、マニラの路上。

フィリピンの報道カメラマンらは、急増する超法規的殺人を報道するため長時間働いている。マニラ首都圏で、彼らは毎晩警察本部の記者室に集まって情報を待ち、時にはまとまって現場に向かうこともある。彼らが撮影した写真は、ドゥテルテ氏の取り締まりで死者が出ている現実を世間に伝え、また増加する暴力行為を非難する人権団体にとっての証拠になっている。

路上に放置され、近くに「密売人」や「常用者」と書かれた即席の段ボール紙が置かれていることもある遺体の写真は、世界中で大きく報道されている。中には手足を縛られ、顔をテープで巻かれている犠牲者もいる。



【参考記事】2000人殺害でもドゥテルテ大統領を支持する"出稼ぎ国民"の声「本当はフィリピンで暮らしたい」


フィリピン国内の刑務所はここ数カ月で数十万人が出頭したため、定員を大幅にオーバーしている。警察によると、彼らの大半は恐怖心から出頭しているという。自首した人の大半はすぐに釈放されるが、マニラ近郊ケソン市の刑務所で撮影された写真には、過密状態で床に並んで寝ている受刑者たちが映っている。アメリカの人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」によると、場所が足りないため、受刑者らは順番に睡眠を取らなければならないという。


7月19日、マニラ・ケソン市刑務所内のバスケットボール場で眠る受刑者たち。定員800人の施設は数千人の受刑者であふれ返っている。

ここに、レルマが撮った1枚の写真がある。この写真には超法規的殺人の恐ろしさが集約されている。7月23日に撮影されたその写真には、一人の女性が涙ながらに夫の遺体を抱きかかえる姿が映っている。マイケル・シアロンさんは、何者かにマニラの路上で撃たれた。シアロンさんを抱きかかえているのは、妻のジェニリン・オライレスさんだ。

<iframe id="instagram-embed-0" class="instagram-media instagram-media-rendered" src="https://www.instagram.com/p/BIjQBFmDY1_/embed/?v=7" frameborder="0" scrolling="no" height="497" data-instgrm-payload-id="instagram-media-payload-0"></iframe>

レルマと一緒に現場にいたフランスの通信社AFPのカメラマン、ノエル・セリスによると、警察の立ち入り禁止テープのまわりに人々が集まってきたとき、オライレスさんは取り乱し、助けを求めて叫んでいたという。シアロンさんの遺体の横には「麻薬密売人」と書かれた札が残されていたが、オライレスさんは、夫はただの三輪タクシーの運転手で、ドゥテルテ氏に投票までしていたと語っている。

シアロンさんはその夜マニラで殺害された少なくとも6人のうちの1人だった。

レルマの写真はフィリピン・デイリー・インクワイアラー紙の一面に掲載され、すぐに地元メディアの間で「ピエタ」と呼ばれた。「ピエタ」はミケランジェロの彫刻作品。処刑後に十字架から降ろされたキリストを抱く聖母マリアの姿がモチーフになっている。オライレスさんが夫の遺体を抱く姿は、まさに「ピエタ」だった。ただ、初の施政方針演説の中でドゥテルテ大統領は、この写真を「メロドラマ」だと切り捨てた。

民間調査会社「パルス・アジア」が7月下旬に実施した世論調査では、大統領の支持率は91%で、少なくともその時点では多くのフィリピン人が彼の厳しい政策を支持していることがわかった。ドゥテルテ氏は、8月下旬の殺害に関してフィリピンの上院から調査を受けるなど、ここ数週間で政治家やメディアからの厳しく追及されることが増えたが、これに対し大統領は自身の麻薬撲滅戦争を擁護し、批判を激しく非難した。

大統領選挙期間中にドゥテルテ氏は「この5年間で犯罪件数が2倍になったフィリピンに秩序をもたらす」と有権者らに訴えた。国連が2012年に実施した調査によると、フィリピンは東アジアで最も覚せい剤使用者が多かった。


フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は自身の麻薬撲滅戦争を擁護している。

ドゥテルテ氏はここ30年間の大部分にわたってダバオ市長を務めた。犯罪を厳しく取り締まったことから「パニッシャー(私刑執行人)」とも呼ばれていた。また犯罪者を排除するために死の部隊と呼ばれる自警団を組織したことで、人権団体の標的になることも多くなった。

ドゥテルテ氏がダバオ時代からやっていた権力行使による政策は、今フィリピン全土に適用され、警察や自警団による殺人が爆発的に増加している。

マニラ首都圏で活動するレルマら報道写真家にとって、殺人を記録するために現場に急行する夜はとても疲れるし、きついものだという。フリーランスの中には週7日働いて殺人を報じている人もいる。

レルマは「知らせを受けた殺害現場すべてに向かうことはできない」と語った。あまりにも件数が多く、広範囲にわたっているためだ。しかし毎晩フィリピンで実際に起きていることを人々に見せることは大切だと考えている。

「私たちは自分の仕事をし、記録しなければなりません」と、レルマは語った。「これは歴史の一部です。フィリピン人にとって暗黒の歴史になるかもしれませんが、私たちはこの仕事を続けなければなりません」

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

 

 

よろしかったら大変お手数とは存じますが、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!

人気ブログランキングへ人気ブログランキング

ブログランキング・にほんブログ村へほんブログ村

Amazon 社会・政治・法律

Amazon Kindle ベストセラー

Amazon タイムセール商品

 


コメント (15)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 経産省の有識者会議。福島第... | トップ | 橋下徹氏の「あの時僕が原発... »
最新の画像もっと見る

15 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
今回のタイトルは、安倍への皮肉なのかな www (バードストライク)
2016-10-26 18:44:53
ドゥテルテに
「法律無視の麻薬撲滅戦争をやめろ」
と申し入れよ、と・・・

自分の国で非道・不法な行いをしている安倍に、そんな真っ当な申し入れをする資格など無い(怒)!

最近わたくしは、「4ートラベル」読者投稿の旅行記にはまっております。写真が多く、自分の絶対行かない国の旅行記を居ながらにして楽しめるのがいいですね。

で、マークしているある読者の投稿から。


http://i.4travel.jp/travelogue/show/11168616

【 アジア治安 不信任決議案 フィリピン
2016 】 投稿者・ Sting boy

しかし? この お国は 何処へ向かっているのでありましょうか〜?
それは 麻薬組織や その上層部の 取り引き人 そして 末端の 売人まで 政府が 一掃作戦を 実施して 警察に 殺害命令を 大統領特異命令で 指示して しまった 新大統領!
良いのか? 良くない のか?

2016 年 9 月の 時点で 既に 2400人 3000人 もの 麻薬人間を 殺害して しまいました。
警察が 手の 届かない 所は 殺し屋を 警察が 雇っても 良いと言う 政府! 自警団だ!
家庭の主婦の おばちゃん が これから 原チャリで 麻薬人間を やりに 行くと言う! 銃を 片手に! 生活が かかって いる 自警団の おばちゃん!

さらに そして 政府が 報奨金も 出すと言う! 組織の上層部の人間殺害の場合には1000万円 組織の売買に 関わる人間は 400万円 末端の売人などは10万円 更にダバオの市長時代に 殺人も指示したと言う 大統領!
良いのか? 良くない のか?

しかし 麻薬人間に 麻薬犯罪患者に いつも 善良な市民が 昔から 迷惑しているのは?
事実で ございます。
ただ、 この大統領? アメリカちゃん とも お付き合いを 止める とも おっしゃって〜! 新大統領さん 叩かれて いるけれど?

ん〜しかし わたくしは 支持 致します。 この 大統領さんを!
この お国 麻薬が 無くならなければ 貧困も 無くならないので あります。
(抜粋。適当に改行しました)


「麻薬があるから貧しい」んじゃなくて、安定した職もなく貧しいから、麻薬に関わるんじゃないか?
逆だと思うんだけど。

ただ、タイなんかもそんな昔でない、せいぜい 2, 30年前は北部国境地帯は大麻栽培、麻薬製造で有名で、クンサーという軍閥みたいのが牛耳っていた危険地帯だった。(今、どうしてるんだろう? 武装解除したのか、死んだのか )

売春、エイズ蔓延、未成年者の人身売買と性産業への強制など、目を覆わしむる人権蹂躙が横行していたが、今はエイズはかなり落ち着き、未成年への搾取も大っぴらには出来なくなったようである。

フィリピンは周辺国に比べても、ものすごく貧しいらしいのだ。
ドゥテルテの麻薬売人撲滅政策への支持率が高いのは、フィリピン人が日本人と同じぐらいバカだからなのかもしれないが、貧しくとも犯罪に手を染めずに生きている庶民が、心底迷惑しているからなのかもしれない。

日本にいるから、わからない。
もちろん、ドゥテルテのやっていることは酷いと思っていますが。
返信する
ドゥテルテって、長谷川豊に顔、似てない? w (バードストライク)
2016-10-26 19:23:49
再びフォートラから、同じ投稿者の記事。

http://i.4travel.jp/travelogue/show/11128650

【 実録 真夜中のマニラ クバオ 血を売る男 2016 】
2016/05/04 ~ 2016/05/06
Sting boy さん

あなたは この真夜中の クバオを 歩いた事は ありますか? そして あなた 血を 売った事は ありますか? わたくしの 友人は 売って おります! 真夜中の クバオ! それは もう どうしようも ない ノーマネー シティ なのでありました。
...............................全て実話で どうにも 貧しくてね〜 誰か お願い 助けて! 彼らを! 頼むから〜

エリア: マニラ(フィリピン)


> ここは 真夜中のフィリピン マニラで あります! ここでは 欲望に渦巻く 金持ちの人々と 救いようの無い貧困に あえぐ者たちとの間に 大きな誤差が生じ! 決して永遠に 交わる事が出来ない 経済格差に よって隔離されてしまった 人と人 との絆が 離ればなれに 眠っているので あります。
そして 私は 知ってもいるのでありました。
いったい何故フィリピン女性に シングル マザーが 多いのか? それは 宗教によって 中絶を拒否され、 産んだところで 男はもう いないと言う 経済的に 非常に厳しい現実から 男は全てを捨て去り 逃げ去って行ってしまうからであります。悲しいけれど....//


夜中なのに活動(バスターミナルで物を売ったり、屋台を出したり)する人々。
道端で転がって睡眠を取る人々の姿(子ども含む)。
夜明けとともに増えてくるジプニー。
騒音と排ガスの臭いが伝わってくる写真と文。
煤けた町。
貧しそうな、いやリアルに貧しい人々。

投稿者の友人はケガをしたため働けず、売血で家族を養っている。
一度の売血で約1800円を手に入れ、それで10日間暮らさなければならない。
ケガをしているからこそ、養生して早く治さなければならないのに。(日本でも昔、山谷労働者などの血を買っていたというが)
Sting boy氏は彼にお金を送ったことも何度かあったが、そんなことでは解決しない、構造的な問題があるという。

職があって、毎日働きに行ける人は幸せなのだそうだ。
庶民には、本当に金がないのだとこのエントリに限らず、繰り返し書いている。
だから、何らかの物売り、屋台などの日銭商売をやらざるを得ないのだと。
そして、路傍の少年を指して、

> 私は こういう 少年を なんとか してやりたい! 出来るなら 救ってあげたい。若くて 未来と 明るい将来が たくさん ある若者なのですから! なんとか? 手を 差しのべて あげなくては!
優しい 日本人 でも 良いですし、圧倒的経済的ちから の ある 日本政府でも 良い! 日本国内の 問題が 少しでも片付いたならば こんな周りの 国々に 少し目を向けて 助けて あげなければ なるまい! オリンピックが開けるような 豊かな 日本で あるのだから!

と締めくくっているのですけど、わたくしは恐ろしい予感に震えるのであります。
フィリピンの姿こそ、近未来の日本ではあるまいか、と。

ここ20年、経済成長もなく、言論の自由も自ら投げ捨て、人権までも安倍一味に全権委任してしまおうとしているのですから。

原子力発電所も動いているし、破滅的プレート地震も直下型地震も必ず来るのですから。

年金制度も破綻し、労働基準法も葬り去ろうとしているのですから。

TPPで国のかたちを変え、外資が好きに活動できるようにし、医療制度もガラッと変えてしまおうとしているのですから。

それを国民が見逃しているのですから。

自分の権利を自分で守る気概もないのですから。
返信する
連投失礼 www (バードストライク)
2016-10-26 22:08:33
みゃひゃひゃひゃひゃ〰〰〰〰!!!

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161026-00000065-reut-cn

[東京 26日 ロイター] - 来日中のドゥテルテ比大統領は26日、安倍晋三首相との首脳会談で、中国との間で棚上げした南シナ海問題について、「いずれ語らなければならない問題だが、いまそれを語るべきときではない」と語った。

その上で、「ときが来たときには日本の側に立つ。安心してほしい」と述べた。


♪ い〜〜つだろね、いつだろね?
その時って、いつだろね?

安倍政権が崩壊したときかね?

主様の言う通り、日本から金だけ引っ張っていくドゥテルテでした。
安倍よりずうぅっと賢い www
フィリピンの東大卒か?
返信する
無法地帯 (リベラ・メ(本物の))
2016-10-27 08:44:24
もう何と言って良いか…。完全に無法地帯化していますね…。
返信する
ドゥテルテ大統領の狙いは正しいと思いましたよ。 (jonah)
2016-10-28 06:10:29
どうも、アメリカは、フイリピンの国力を弱める手段に麻薬を使っている節がある。アメリカはアヘン戦争を引き起こした英国の血筋が濃い。傀儡政権を作ってその国を支配するのがアメリカの手口。どうもアメリカを支配している金持ちは白人種族でなければ奴隷もしくは僕が正当だという白人崇拝主義の疑いがある。そうでなければTPPなど出て来ないのだ。
オバマはその隠れ蓑の働きしかして来なかった。
だから、安易にヒューマンライツウォッチの主張を信じてはならない。安易にアカはあかんなどを信じではならない。
正義を求めるなら、それは目先ではなくもっと大元で見なければならない。
というのは、その狙いが、
「公義(十戒)と公平と憐れみ」
にあるかどうかで正しいかどうかが判断されなければならない。
この狙いで判断すれば、
一つ、儲けの公平な分配を求める共産主義は絶対的に正しく、
二つ、儲けを独り占めする資本主義、新自由主義は絶対的に間違っている。
と見なければならない。
というのは、物価の値上げや為替の変動、それに利率の低下は貧乏人を作る手段ですぞ。これはまた格差差別を拡大し戦争を作り続けるコースです。
というわけで、私たちは目先気だけではなくその先に
一つ、「公義(十戒(二つの「せよ」と八つの「するな」の戒め))」
二つ、「公平」(公義が平等に施行されているかどうか)
三つ、「憐れみ(貧しいものが切り捨てられていないかどうか)」
が見えるかどうかで正しいか正しくないかを判断しなければならない。
この線で行けば安倍や橋下は真っ黒焦げですよ。そして、旧約聖書に遵うイギリス、アメリカは信用できないのだ。「目には目を」は、弁償の掟であって仕返しの言い訳にはならないからです。
返信する
乞うご解説 (バードストライク)
2016-10-28 11:34:28
> というわけで、私たちは目先だけではなくその先に
一つ、「公義(十戒(二つの「せよ」と八つの「するな」の戒め))」
二つ、「公平」(公義が平等に施行されているかどうか)
三つ、「憐れみ(貧しいものが切り捨てられていないかどうか)」
が見えるかどうかで正しいか正しくないかを判断しなければならない。//

このへん、興味あります。
投稿者のヨナ氏は、きっとクリスチャンなのでしょう。
もう少し詳しく知りたい。

ご当人はもちろん、リベラ・メさんとか、クリスチャン、非クリスチャン、どなたでもいいですから、もう少しご解説
please!

(暗い紫のバックに紫の文字。承認番号が読みにくい。グーよ、改善せよ。)
返信する
【要らざる口出し】 (三角四角)
2016-10-28 22:32:37
 世界でも麻薬に付いての対処の仕方には国によって様々な違いが在ります。
 ヨーロッパやアメリカは比較的緩い対応、アジアや中南米は厳しい対応です。
 何故厳しいかと云えば、麻薬に因り国民が苦しめられたり、マフィアが蔓延ったり、
治安が極度に悪化するからです。
 欧米は麻薬に因り国が傾く程酷い目に遭った事はありませんから、オバマ大統領も呑気
な事が言えるんです。
 日本も麻薬で国力が低下する様な目に遭ってないから、上から目線の勘違いをするの
です。
 世界の国々は国情の違いにより其々の問題を抱えています。 それを無視して日本の
やり方を押し付けるのは、無礼で傲慢だと思います。
 独立国家の主権を侵す、内政干渉は控えるべきです。
返信する
これはネタ? (時々拝見)
2016-10-29 00:10:26
「独立国家の主権を侵す、内政干渉は控えるべきです。」
沖縄でどうぞ。

こういう時はUSAに従ってもよかろうと思いますが、バイコクにならない時は、べつなのでしょうか?
返信する
三角四角さんへ (kei)
2016-10-29 09:05:06
日本が南シナ海問題に口を出すことこそ内政干渉だと思いますが、これについてはどうお考えですか?
返信する
【日本は半独立国家】 (三角四角)
2016-10-30 10:34:10
 日本は軍事的にも政治的にもアメリカに従属しています。

 よって、日本が独立国家に成る為には、軍事的に独立する事が肝要です。
 それには第一段階として日本人全員が日本が半独立国家である事を認識する事。
 第二段階として日本人全員が軍事力を増強する必要性を理解する事。
 第三段階として日本人全員が軍事力増強に伴う不利益を甘受する覚悟を持つ事が、日本
が完全独立国家になる為の必要十分条件です。

 空母打撃群、核ミサイル搭載の原子力潜水艦、爆撃機、固定式・移動式ミサイル、
スパイ防止法、軍法会議設置(改憲が必要)、ポジティブリストからネガティブリストへの
変更(自衛隊が出来る事を幾つか書いて其れ以外一切出来ないとする取扱いから自衛隊が
出来ない事を幾つか書いて其れ以外全て出来るとする取扱いに変更する事)等が必要です。

 米軍に日本の防衛を頼るのは、言わば、他人への依存症のある大人です。
 軍事力増強もせずに、米軍出て行けと言うのは、言わば、お子ちゃまです。
 どちらを選ぶのかは勿論日本国民です。

返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

海外の話題」カテゴリの最新記事