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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

落ち目で文楽補助金凍結も解除 支持率低下に悩む橋下市長に、起死回生のウルトラQを指南する

2012年10月04日 | 橋下維新の会とハシズム

 

 次世代の指導者として頭角を現したかにみえた橋下大阪市長が率いる政党「日本維新の会」の人気に、早くも陰りが見え始めたといわれています。

 2012年7月から8月にかけて行われた世論調査では、同党の母体である地域政党「大阪維新の会」の支持率が民主党を大幅に上回ったといわれ、私など暗澹たる気持ちになっていました。

 ところが、フジテレビや同系列のフジニュースネットワーク(FNN)が、首都圏での「日本維新の会」に対する支持率を調査した結果、2012年9月2日に14.7%だった支持率は、13日に9.4%、20日には4.8%と、急速な下落傾向となりました。

 いやいや、これは首都圏だけのことと気を引き締めていたのですが、読売新聞が9月17日に行った世論調査では、同党に対する支持率は2%!で、自民党(21%)や民主党(15%)を大きく下回ったというので、一時期の維新バブルは少なくともいったんはじけたかに見えます。

 橋下市長自身は

「まだまだ下がっていく。実像に だんだん近づいてきているのではないか」「今までは二大政党に対する不満が維新の会への応援になっていた」「メンバーもちょっと浮かれていたところがある。積極的な応援を受けることができるようにならないといけない」

と動揺をひた隠しにしていますが、早くも、維新の会にすり寄って入党した国会議員たちが離反の動きを見せています。

 文楽いじめもしつこすぎるとさらに人気を落としますから、公開意見交換を行なって辛うじて面子を保ったうえで、とうとう補助金凍結を解除しました。

 今回は、そんな橋下維新の会を長い間、生暖かく見守ってきた維新ウォッチャーとして、維新の会の威信低下の原因を分析し、不倫スキャンダル脱出法に続き、支持率回復の必殺ウルトラCならぬG以上のウルトラQを伝授したいと思います。

女性問題に悩む橋下徹大阪市長に「コスプレ不倫」スキャンダルの危機管理を徹底指南!補訂版

 

 さて、橋下維新の会、実際何が悪かったんでしょうか。橋下氏の権勢の淵源はテレビで圧倒的に報道されることにありますから、分析の視座を「テレビ映り」に置きたいと思います。

1 原発再稼働反対と行っていたのに再稼働容認に寝返ったクルクル王子ぶり、コスプレ不倫がばれたことはダメージにはなりませんでした。不倫の際の逃げっぷりは見事で、私も指南した甲斐がありました!?

2 「竹島を日韓共同で管理すべき」と主張したことで「国家観のない政治家」として攻撃され、共同管理とは国際司法裁判所の判決が出るまでの利用のことだけとか、クルクル王子ぶりを発揮したのもいつものことですから、批判しているのはネットウヨクだけのことですし、橋下市長には大して堪えない話だと思います。

3 「大阪維新の会」を母体とし、全国政党「日本維新の会」を結成するに当たり、既成政党に所属していた国会議員9人を迎え入れたが、無能感ありありだし、まあ、これはイメージ悪いですね。とくに、公開討論会で、殿のおっしゃる通り、とばかりに誰も物を言わないから、橋下氏の独演会みたいになったのにはテレビも白けたみたいです。

4 その他、橋下維新の会に集まってきている人も、無能で傷物ばかりだった。これは意外と効いていると思います。特に、東国原元宮崎県知事の評判は極悪です。

橋下日本維新の会は英語表記で「復古の会」。道理で、昔の名前が出ています。

(安倍総裁のおじいさん、岸信介元首相のイメージ)



5 安倍自民党総裁の誕生はどう影響したのでしょうか。これについて、政局分析では他の追随を許さないkojitaken氏は「やっぱりな。「安倍晋三総裁選出」は「維新の怪」にとっては「最悪の結果」w」の中でこう分析されています。

 同じ極右の、いわば「同志」である安倍晋三が勝ったのだから、橋下にとっては万々歳だろうと考えるのは、あまりにも短絡的な浅慮だ。物事を考える時には、一人一人の人間がどんなことを考えているだろうかと想像をめぐらせる必要がある。

 朝日新聞が8月15日の一面で大々的に報じた、「維新の怪」が安倍晋三に党首就任を打診した件や、橋下や安倍らの日頃の言動からして、安倍晋三は「維新の怪」の代表程度で満足する人間ではなく、自らを自民党総裁、ひいては内閣総理大臣にふさわしい人間と考え、自らのカムバックは当然だとうぬぼれていたことや、橋下は橋下で安倍晋三を含む誰の下でも絶対に働きたくない人間であることを考えれば、自民党総裁選は安倍晋三と橋下徹の戦いでもあったことは明らかであり、安倍晋三はそれに勝利し、橋下は敗北したのだ。「維新の怪」の支持率低下が言われる今日この頃だが、私はこれは一時的なものではなく、今後「維新の怪」は長期低落への道を歩むだろうと予想している。

 何度でも繰り返すが、今後も橋下「維新の怪」に対する警戒を怠ってはならないけれども、今後の日本にとって最大の脅威は安倍晋三にほかならない。

 これは卓見だと思いますし、安倍氏より橋下氏のほうが手ごわいと思っている私は、むしろそうなればいいとさえ思います。

 ただ、私はいきなり維新の会が第一党になるのは無理だとしても、安倍自民党と橋下維新の会と公明党がいずれ連立政権となる可能性もあるし、そうなると日本の最大の危機だと感じています。たとえば、安倍自民党ががまたもとトチって単独過半数が取れないその時に、村山首相のように小よく大を呑み込む橋下政権が誕生するというような悪夢です。

 kojitaken氏は安倍・橋下の連携はもはやなく、ないとすれば、のし上がるのは橋下維新の会でなく、安倍自民党だと恐れておられるわけですが、松井府知事らの安倍氏への執着はかなりのものです。橋下氏も相変わらず安倍氏にリップサービスしていますし、両者の連携の可能性はまだまだあると思うのです。

安倍晋三自民党新総裁誕生 暗黒の騎士(岸)再び

(金返せ?と国民に詰め寄る安倍総裁(左)と橋下市長)

 

 

 安倍氏が自民党議員の多数の支持を得られたかという大きな理由は、安倍氏なら飛ぶ鳥を落とす勢いの橋下維新の会と連携できるから、ということがありました。もし、橋下維新の会と選挙で対決するということになった時に、橋下維新の会抜きの安倍ちゃんが、ぬかりなく選挙をやれるとは思えません。今の自民党の支持率上昇も一時的なことで衆議院選挙まで持ちません。持っている間は野田首相が解散しないのです。

 そもそも、A級戦犯容疑者だった岸信介元首相から三代目の世襲である安倍氏には、思想的には祖父譲りの不気味さもありますが、日本の法律学の泰斗である我妻栄博士を抑えて東大法学部の金時計を物にした祖父の超絶天才性はもちろんありません。

 というか、彼が無能の極みであることは前回の首相在籍1年間で国民は嫌と言うほど思い知らされましたし、所信表明したのに代表質問は受けられず辞めるという、憲政史上初のへたれぶりはまだ我々の記憶に新しいので(病気で辞めることを決めているのに所信表明演説をしたのがおかしい)、もし、安倍・橋下が袂を分かち、安倍単独で政治をやることになるのなら、橋下氏よりはくみしやすいと思います。

 逆に、一代で成り上がった橋下氏には、岸元首相の思想の怖さとコンピューター付きブルドーザーと呼ばれた田中角栄元首相のバイタリティを感じます。良く言えば、橋下徹は岸信介の怖さと田中角栄の凄みと小泉純一郎の魅力をあわせ持った男。簡単にいうと、岸と田中と小泉を足して3で割ったような男。橋下氏に(悪の)魅力と才能があることが、大阪府知事になった当初から私が批判を続けている最大の理由です。

 安倍自民党が失敗して人気が下がれば下がるほど、相対的に二卵性双生児である橋下維新の会への期待が高まるというのもおいしいところ。

 恐ろしいのは、橋下維新の会が国政を席捲したときの権力の濫用。人権蹂躙。「権力は腐敗する。絶対的な権力は絶対的に腐敗する」

 橋下府政誕生から最近まで、絶大な危機感を持っておられたkojitaken氏などと違い、橋下氏をテレビタレント出身だと侮るような人が絶えませんでしたが、彼の発信力、持久力、回復力をゆめゆめ軽視してはなりません。

 それが証拠に、共同通信社が2012年10月1、2両日に実施した全国緊急電話世論調査によると、日本維新の会の政党支持率は10・7%となり、12・3%の民主党に次ぎ3位。次期衆院選比例代表投票先では13・9%で、12・3%の民主党を上回る2位で、維新の風はまだ吹き止んでいないのです。

 10月20日から始まる全国遊説がテレビで連日放映されれば、支持率なんてすぐに回復しそうです。

橋下徹大阪市長に使い捨てにされる人々

(東京タワーにの横にいるのが後続の番組ウルトラマンでの人気者ピグモン・・・そっくりのガラモンで、一番右下隅が有名なカネゴン。幼稚園の時の番組なのであとは忘れちゃった)


 

 では、なぜ、そんな(悪)賢い橋下氏の人気がそれでも下降気味かと言うと、要は頼みのテレビ的に飽きられたということなんですね。敵も大体出し尽くして、身内でも取り込んだ国会議員は小物ぞろいですから、あとは松井府知事とやりあうくらいしか面白そうな話がありません。全国遊説も毎回目玉を用意しないといつまでもテレビで流してくれるとは限りません。

 小泉元首相でも「自民党をぶっ潰せ」とか「守旧派に対する刺客」って一回やっただけですからね。それに引き替え、橋下氏は維新八策を5回も公表するとか、おんなじようなことばかりやってますし、一記者をいじめるとか、敵のスケールもどんどん小さくなっています。

 というわけで、橋下氏は橋下氏なりに、失地回復の技を日々練り上げているとは思うのですが、岡目八目(周りでみている人の方が良い案が出る)という慣用句もあります。ここは、橋下維新の会の人気回復のためのウルトラQレベルの大技の数々を見ていただきたいと思います。



1 人権派になる

 どうですか?最初から度肝を抜かれたでしょう??あの人権蹂躙の橋下氏が人権派になるのです!人が変わったというか、別人のようというか、もはや別人です(笑)。

 もちろん、即時原発ゼロを徹底しますし、生活保護など福祉に手厚い政策を打ち出します。財界・アメリカべったりもやめ、TPPは絶対反対に転じます。公務員いじめや教員いじめ転じて、市職員をうまく使って市政改革を進め、教育は教育の専門家に委ねます。憲法違反の教育基本条例、君が代条例、職員基本条例などはすべて廃止。

 これまでの方針を次々変えていくことになるので、これはテレビも大注目で、連日大報道になるに決まっています。話題には事欠きません。朝令暮改は今までと同じことですから、誰も変節だと批判はしません。

 そして、極右の松井府知事や維新の会メンバーが反対したら、「抵抗勢力!」とレッテル張りして、連日ツイートで「維新の会をぶっ潰せ!」と攻撃するのです。な~に、維新の会なんて、橋下氏の個人商店に過ぎないのですから、誰も橋下氏から決定的に離反したりできやしません。

2 いい人になる

 自他ともに認める性格の悪い橋下市長が、めっちゃええ人になります。これぞ、橋下徹改造計画第二弾です。

 ツイッターでも、毎日、これでもかというくらい人を褒めちぎります(笑)。

「平松前市長は実際有能でした!わたくしが実は財政赤字を悪化させてます!!」とか、「俺の内緒の不倫相手を見つけてきた週刊文春、すげえよ!」とか、「教職員は聖職者。リスペクトなぅ」とか、これまでけなしまくってきた人々への謝罪の気持ちで素直に表現するのです。

 でも、これまでの悪行が悪業なので、なかなか世間は信じてくれないでしょう。

 そこで、人柄良い人で売っているタレントのご協力を仰ぎます。

 まず、お身体の具合が悪いという話の西田敏行さんを助け、探偵ナイトスクープの探偵に就任します。そんで、身体を張って国民の依頼に応じるあるべき弁護士的な姿を視聴者に見ていただくのです。

 さらに、笑福亭鶴瓶師匠と一緒に田舎を回ります。所ジョージさんのダーツで動いてもいいです。日本各地の人情に触れあう姿を見ていただいて、国民を感動させるのです。さだまさしと番組をやるのも手でしょう。24時間でも27時間でも走ってもいい。外交問題ではイッテQでハンターイモトと世界も回りましょう。

 これぞ維新の会が国民政党に脱皮する最良の手段です。決して、やしきたかじん、ビートたけし、上沼恵美子、和田アキ子、ロンドンブーツ1号・2号とかマツコデラックスなどの番組に出てはだめです。

(お昼ご飯を手に入れて喜ぶイモトとハシモト)



3 政治家を辞める

 以上のようなまったりとしたテレビ番組に出ている間に、ふと気づくのです。

「僕の天職は、政治家ではなく、タレントではないのか」

 彼が政治家を辞めてくれれば、国民の敵は野田民主党政権と安倍自民党に絞られてとってもわかりやすくなります。

 橋下氏にとっても、大阪府知事と市長を歴任した経験を活かしてのコメンテーターとしての説得力は絶大です。しかも、もはや人がいい人権派ですから、国民的な人気は否が応でもうなぎのぼりでしょう。久米宏、古館伊知郎両氏のあとをついで、報道ニュースステーションなどという番組のキャスターも夢ではありません。

 ・・・って、あれ?

 橋下維新の会の支持率アップという趣旨から外れましたあ?


 

俺ってやつはつくづく橋下徹が嫌いなんだな(笑)。

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毎日新聞 2012年10月03日 東京夕刊

政治資金パーティーで日本維新の会に参加した国会議員7人を紹介する橋下徹・大阪市長(左端)。議員は右から松野、松浪、小熊、石関、桜内、水戸、上野の各氏=大阪市北区で2012年9月12日、幾島健太郎撮影
政治資金パーティーで日本維新の会に参加した国会議員7人を紹介する橋下徹・大阪市長(左端)。議員は右から松野、松浪、小熊、石関、桜内、水戸、上野の各氏=大阪市北区で2012年9月12日、幾島健太郎撮影

 ◇TPPの主張にずれあり/比例の政党移動「裏切り」/「橋下氏飽きてきた」の声

 橋下徹・大阪市長が代表を務める新党「日本維新の会」(維新)に国会議員9人が合流する。「国の統治機構を根本から変える」と「大義」を掲げ、3日に両院議員総会を開いた。だが、政党関係者や有権者からは「選挙目当て」「節操がない」との批判が渦巻く。彼らの言葉、行動に筋は通っているのか。【瀬尾忠義】

 「『維新で道州制実現を目指す』と言って出て行ったが、道州制は自民党だって主張している。筋が通らず、(前回衆院選の選挙区で敗れた)民主党の辻元清美さんに勝ちたいがための票目当ての行動としか思えない」。自民党大阪府支部連合会の奴井(ぬい)和幸・総務会副会長(大阪府議)は、自民党に離党届を出し、維新に合流した松浪健太衆院議員への怒りを隠そうとしない。

 奴井氏の言うように、維新に合流する議員の主張を過去の言動から検証すると、首をひねる点がある。

 例えば、維新は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉への参加を掲げるが、民主党を離れ維新に加わった元内閣官房副長官の松野頼久氏は確か、超党派議連「TPPを慎重に考える会」の幹事長を務めていたはず。昨年12月にあった熊本県と県選出国会議員の意見交換会では「TPPについては(県選出国会議員)全員が反対の立場」と明確に述べている。この問題では、維新とは「水と油」の関係ではないのか?

 反論を聞こう。松浪氏に会ったのは9月26日、偶然にも自民党総裁選の投票日だった。まず道州制について「この国をゼロベースで変えるには、中央集権的な発想から抜け出し統治機構を変えなければと考え、橋下さんよりも前から主張し、研究してきた」と「本気度」を強調。「自民党の総裁選で道州制を語った候補がいましたか? 実現するには維新のような新たな勢力が不可欠なんです」と、自らの行動の正しさを力説した。

「選挙目当て」との批判には「自民党に残ったとしても生き残る自信はあった。今度の行動で失敗したら、政治生命は逆に短くなるかもしれない。選挙への恐怖はあるが、今やるしかないんです」。

 「離党の結果、支援団体はない、選挙資金もない、ないない尽くしの未知の世界に身を投じた。国会議員として約12年間積み上げてきたものをゼロにしてスタートするのになぜ『選挙目当て』などと言われるのか分からない」と語気を強めたのは松野氏だ。TPPについては「各国がルールを作っている段階で、この場に日本は参加し立場を主張していくべきだ。悪影響が大きいと判断すれば交渉から撤退すればいい。橋下さんの考えとも一致している」。態度を変えたことへの説明はない一方、消費増税法案を成立させた野田政権と民主党執行部をこう指弾した。「3年前の衆院選で掲げた『4年間は増税しない』という有権者との重い約束を破った。離党は当然の選択だ」

 水戸将史参院議員も「民主党は意思決定が非常に遅く、政界再編を含めて国を良くしていく力はうせた。未知数だが潜在的な力がある政党に身を置き、道州制実現などを目指したい」と離党理由を説明したが、「(合流前は)公開討論会と結党大会の2回しか橋下市長と会っていない」とも。確かに民主党の迷走は目に余るし、9議員は「維新とは価値観を共有している」と口をそろえるが、自らの政治信条と維新の政策のすり合わせは本当に十分なのか。有権者の不安は消えない。

 維新合流議員の顔ぶれで目立つのは、9人中6人が衆参の比例代表からの選出であることだ。「政党に投票する選挙」との趣旨から、比例選出議員の政党間移動は国会法などで禁じられている。ただし選挙時になかった新党への移動は違反にならない。

「法的に問題はないといっても、有権者への裏切り行為であり、議員を辞職するのが筋だ。容認している維新の責任も重い」。政治アナリストの伊藤惇夫氏は厳しく批判する。奴井氏も「比例当選である以上、松浪氏が維新に行くのであれば議員をいったん辞めるのが先だ」と憤る。

 比例議員は何と答えるか。みんなの党から飛び出した小熊慎司参院議員が言う。「シェークスピアの戯曲『ベニスの商人』のせりふにあるように、血を流さずに肉を切ることはできないのと同じで、当選が候補者の努力によるものか、党の力によるものかは切り分けて考えられない。地元の後援会が流した汗も忘れないでほしい。政治家の出処進退を決めるのは国民に誠実に対応したかどうかで、当選の仕方は関係ない」

 消費増税に反発して「議員辞職を考えた」と言うのは民主の今井雅人衆院議員だ。後援会に相談したら「民主党ではなく議員個人を応援した人も多い」などと説得され、思いとどまった。「党への不信感がピークになった末の離党だが、事情を知らない人には選挙目当てに映っても仕方がない。維新で結果を出すしかない」と話す。

 みんなからは小熊、桜内文城、上野宏史の3参院議員が参加する。同党は結党宣言で「政党横断的に改革派を糾合する『触媒政党』の役割を果たしたい」と掲げ、渡辺喜美代表らが「大阪維新の会」との連携を目指してきたが、交渉は頓挫してしまった。「党に求心力があれば、他党からの参加者があったはずだが、誰一人来なかった」。小熊氏は、みんなへの“失望”が離党理由の一つと明かし、「みんなと維新の1プラス1ではなく、(他党を巻き込んだ)掛け算にしないと」と語る。桜内氏もやはり「触媒政党を掲げた党自体が変質してしまったから」と言う。

「TPP慎重派が推進派の維新に合流したことからも分かるように、政党は政治哲学や政治生命を共有する者がつくるという『いろは』をわきまえていない。政党をつくるために頭数を集めるだけの維新にも、新しい政治を行う力はない」。9議員や維新をこう切り捨てるのは、政界再編の動きとは一線を画する志位和夫・共産党委員長だ。

 「橋下人気が長続きするとは思わない。国のシステムは人気だけで変えられない」と松浪氏は自戒する。事実「維新八策の実現の難しさが徐々に明らかになり、橋下氏のパフォーマンスへの飽きも出始めた」(伊藤氏)ためか、毎日新聞の世論調査などで維新の支持率は伸び悩む。

 橋下氏とともに維新の顔になれるか、それとも党旗揚げの「頭数」として利用され、埋もれていくのか。大きなカケであるのは間違いない。

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 ◆「維新」への合流国会議員◆

民主 衆・松野頼久(熊本1区)52歳 当選4回

   衆・石関貴史(群馬2区)40歳 当選2回

   衆・今井雅人(比例東海)50歳 当選1回

   参・水戸将史(神奈川) 50歳 当選1回

自民 衆・松浪健太(比例近畿)41歳 当選3回

   衆・谷畑孝(同)    65歳 当選5回

                   参院で当選1回

みんな参・小熊慎司(比例)  44歳 当選1回

   参・桜内文城(同)   46歳 当選1回

   参・上野宏史(同)   41歳 当選1回

 (敬称略、3日現在)

 

橋下氏に国会議員不満・反発…維新、主導権争い

 新党「日本維新の会」で、代表の橋下徹大阪市長と、所属国会議員団の間で主導権争いが表面化した。

 次期衆院選に立候補せず、大阪を拠点に活動するとした橋下氏が外交など国政の重要課題に関する方針決定を担うとしたことに対し、国会議員側が反発したためだ。

 これに対し、橋下氏は一歩も引かない姿勢を崩さず、今後の火種になりそうだ。

 対立のきっかけは、橋下氏が、島根県・竹島や沖縄県・尖閣諸島について、国際司法裁判所(ICJ)に訴えて周辺国と共同管理するルールを設けるべ きだとの考えを示したことだ。国会議員団は、領土問題が存在しない尖閣諸島と領有権問題のある竹島を同列に論じた橋下氏の共同管理案を「受け入れられな い」と不満を抱いた。

 国会議員団の松浪健太衆院議員は9月29日、「橋下独裁にはしない」と題したブログで、「日本維新の会は分権の党だ。よほどのことがない限り、国政における決定は議員団ですべきことを橋下代表も認めた」と批判した。

 国会議員団には「自分たちが集まらなかったら、維新の会が国会議員5人以上という政党要件を満たせなかった」との思いがあり、強気の要因となっている。谷畑孝、今井雅人両衆院議員の入党が2日までに了承されたことで、国会議員団は9人に増える。

 だが、松浪氏らの主張に橋下氏は猛反発した。1日、大阪市役所で記者団に、「大きな方針、戦略は僕がきちんと出すべきだ。国会議員団の大きな方針や戦略で有権者がついてくるのであれば、自らの戦略でやればいい」と突き放した。

 維新の会メンバーからも「選挙で助けてもらおうと、自分たちが頼った橋下代表に文句を言うなんて本末転倒だ」との声が漏れた。

(2012年10月3日08時02分  読売新聞)
 
 

自民支持率11ポイント上昇、改造内閣は微増29% 共同通信世論調査

2012.10.2 16:59 産経新聞
第3次改造内閣が発足し、記念写真に納まる野田首相(前列中央)と閣僚=1日、首相官邸

第3次改造内閣が発足し、記念写真に納まる野田首相(前列中央)と閣僚=1日、首相官邸

 共同通信社が1、2両日に実施した全国緊急電話世論調査によると、自民党の政党支持率は30・4%で9月調査より11・1ポイント上昇、民主党は 12・3%で0・6ポイント下がった。一方、野田第3次改造内閣の支持率は29・2%で、前回9月調査の26・3%よりやや上がった。不支持率は55・ 3%だった。

 野田佳彦首相が改造で田中真紀子文部科学相を起用したことを評価するとの回答は34・6%にとどまった。評価しないは53・8%。

 初めての調査となった新党「日本維新の会」の政党支持率は10・7%となり、12・3%の民主党に次ぎ3位だった。次期衆院選比例代表投票先では13・9%で、12・3%の民主党を上回る2位。

 野党第1党自民党は衆院解散を求めるよりも公債発行特例法案など政策課題の処理をすべきだとの回答は81・5%を占めた。

 
 
 

毎日新聞 2012年09月30日 19時43分(最終更新 10月01日 02時46分)

政党支持率の推移
政党支持率の推移

 毎日新聞は9月29、30両日、民主、自民両党の党首選を受けて、全国世論調査を実施した。消費増税法 を巡り、8月に野田佳彦首相と自民党の谷垣禎一前総裁が交わした「近いうちの衆院解散」の合意について、「首相は安倍晋三総裁とも約束を守るべきだ」と答 えた人が71%に達し、「守る必要はない」(18%)を大きく上回った。自民党総裁に返り咲いた安倍氏に「期待する」との回答は40%にとどまり、「期待 しない」の55%を下回った。

 「近いうち解散」を巡り、首相は代表選前の9月18日に「参院での問責決議可決という状況変化がある」 として見直しを示唆している。しかし、「近いうち解散の約束を守るべきだ」との回答は、民主支持層でも69%を占め、早期の衆院解散論が強まっている。 「約束を守るべきだ」との回答は自民支持層では78%、「支持政党はない」と答えた無党派層でも69%だった。

 自民党の政党支持率は25%に上り、9月15、16日の前回調査から6ポイント上昇した。過去最多の5人が立候補した総裁選に関心が高まった影響と みられ、09年9月の政権交代後、最も高い。一方、民主党は前回調査から2ポイント下落して11%。内閣支持率も25%と横ばいで、不支持率が前回比3ポ イント増の53%となった。

 橋下徹大阪市長が代表を務める新党「日本維新の会」の支持率は、やや伸び悩んでいる。政党支持率は前回 調査比3ポイント下がり8%。地域別にみると、地盤となる近畿では21%を占め、民主、自民両党を抑え最も高い。しかし、東京2%、北海道・東北、南関東 でともに4%にとどまり、全国規模での支持拡大が課題となっている。

 民主党代表選で首相が再選されたことについて「良かったと思う」と答えた人は50%に上り、「良くな かった」の39%を上回った。民主支持層では「良かった」が85%に達したものの、無党派層では「良かった」(42%)と「良くなかった」(43%)が拮 抗(きっこう)した。

 一方、自民支持層で安倍氏に「期待する」と答えた人は63%で、「期待しない」は34%だった。憲法改正や教育改革など政策の近い日本維新の支持層は「期 待しない」が57%に上り、「期待する」(41%)を上回った。無党派層も「期待しない」が66%と多数を占め、「期待する」は29%にとどまっている。

 

 

   日本経済新聞社は2012年9月28日付朝刊で、テレビ東京と共同で実施した緊急世論調査の結果を発表した。

   次期衆院選で投票したい政党や投票したい候補者がいる政党について、「自民党」と答えた人が35%で最も多く、次いで「民主党」の14%、橋下徹大阪市長が党首を務める「日本維新の会」が12%だった。

   自民党新総裁に安倍晋三元総理が就任したことについて「評価する」と答えた人は38%、「評価しない」が49%だった。一方、次期衆院選後の総理大臣にふさわしいのは「安倍総裁」が41%、「野田総理」が28%と、安倍総裁がふさわしいとする人が上回った。

   政党支持率は自民党が37%で、8月の前回調査から12ポイント上昇した。民主党は前回より2ポイント下落して19%、日本維新の会は4%だった。

   調査は日経リサーチが福島県の一部地域を除く全国の20歳以上の男女を対象に電話で実施し、856件の有効回答を得た。

 

大阪維新の会、比例投票先3位 朝日新聞緊急世論調査

 民主党代表選と自民党総裁選にあわせ、朝日新聞社は8~9日、全国緊急世論調査(電話)を実施した。自民党総裁にふさわしいのは誰か6人の名前をあげて聞くと、石破茂氏が23%でトップとなった。

世論調査―質問と回答〈9月8、9日実施〉

 石原伸晃氏が19%、安倍晋三氏が13%と続き、10日に出馬断念を表明した谷垣禎一総裁は、7%で4位にとどまった。町村信孝氏が4%、林芳正氏が2%。「この中にはいない」という人も24%いた。

 5人の名前をあげて民主党代表にふさわしいのは誰かと聞いた質問では、野田佳彦首相が最多の34%となり、原口一博氏8%、馬淵澄夫氏2%、赤松広隆氏と鹿野道彦氏が各1%。ただ、「この中にはいない」が46%に上った。

 一方、政党支持率は民主16%、自民15%。新党「日本維新の会」を近く立ち上げる大阪維新の会(代表・橋下徹大阪市長)は、公明と並んで3%。「いま 投票するとしたら」として聞いた衆院比例区の投票先で維新は5%となり、自民23%、民主15%に次いで3番目に高かった。

 野田内閣の支持率は25%(前回8月調査22%)、不支持率は53%(同58%)。

     ◇

 大阪維新の会は、近く国会議員が参加する新党「日本維新の会」を設立するため、今回集計に加えた。政党支持と比例区投票先の質問は、政党名を読み上げずに回答を得ている。

     ◇

 〈調査方法〉 8、9の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、全国の有権者を対象に調査した(福島県の一部を除く)。世帯用と判明した番号は1950件、有効回答は1006人。回答率52%。 

 


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6 コメント

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Unknown (K)
2012-10-04 09:57:29
> 2012年9月2日に14.7%だった支持率は、13日に9.4%、20日には4.8%

これはちょっとすごい(^^;。
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Unknown (ブログ作成者は全くの問題外、論外だな)
2012-10-04 13:13:16
オマエの書いてる橋下氏批判はデタラメの間違いだらけだよ。どこがという指摘をするまでもなく全てだな。
支持率が落ちたのは日本維新の会であって橋下氏は歴代の市長が手も付けなかった膨大な市政の難題課題に取り組み既に高い給与、退職金だけもらってやめた平松より遥かに実績を残している。努力、仕事量、実績どれをとってももっとも優秀な首長だろ。知事時代の膨大な実績も含めてな。
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いまだに (mikicha)
2012-10-04 14:07:35
知事時代の膨大な実績とかおっしゃってる方がおられるとは驚きです。
あ、府知事だけに負の実績かしら。

それにしても、橋下氏。
私ってやつ・も・つくづく嫌いです。
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Unknown (Unknown)
2012-10-04 14:33:24
言葉使いが悪いから損をします
言い分が有れば丁寧な言葉のほうが信頼性がありますと感じました。
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Unknown (1大阪府民)
2012-10-04 18:34:48
 先生はもしかして私と同世代なのでしょうか。今の若い人に言っても全然通じない「コンピューター付きブルドーザー」等を使用なさって(笑)
 日本維新の会が支持率を落としているようですね。日本国民は飽きっぽいので…飽きられないようにする努力が大切ですね(笑)
 さておき、大阪では「発達障害は親のしつけが」云々の条例案が堂々と出され、轟々たる非難を浴びて撤回されました。大阪維新の会の案ですが、どうやら橋下氏とは関係ないところで出された、という説を信じる人が多いです。
 この条例については橋下さんは悪くないんだ!橋下さんは可哀想!大阪維新の会が悪いんだ!というわけですが、こういう論理でマスコミも報道したんでしょうかね?
 まあ、彼自身、何か叩かれると他の人のせいにしますからねえ。こういうのにも毎回飽き飽きしていたところです。私も飽きっぽい国民なのです。
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(mikichaさまへ ( 浪速姫)
2012-10-05 02:29:26
「府知事時代の膨大な実績とかおっしゃってる方がおられるとは驚きです。」<
 「膨大な実績」はきっと「(針小)棒大な実績」か「膨大な自責」の変換ミスですよ。 
 
「あ、府知事だけに負の実績かしら。」<おもしろい!
「腐の実績」とも言えますね。

 ついでに申せばそのお方の「努力、仕事量、実績どれをとってももっとも優秀な首長だろ。」の「優秀な首長」も「憂愁な腫脹」の変換ミスとも。
 まあ「有終」はあり得ないでしょうね。


 
 
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