Everyone says I love you !

弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

福島原発刑事訴訟 勝俣恒久被告人(元東京電力会長)が「原発安全の責任は全部現場にある」の無責任!

2018年10月31日 | 福島原発事故

 

 東京電力福島第一原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力の旧経営陣3人の第33回公判が2018年10月30日、東京地方裁判所の大法廷で行われました。旧経営陣3人は、原発事故をめぐって、津波を予測できたのに対策を怠り、病院の入院患者らを死亡させるなどした罪に問われているのです。

 この裁判では、被告人ら東電の元トップに過失があったのか、つまり、福島原発を襲った津波とそれによる原発事故について

1 予見しえたのか(予見可能性・予見義務)

2 結果を回避できたのか(結果回避可能性・回避義務)

の存在が問題になっています。

 

 

 そして、焦点は、国の地震予測「長期評価」に基づく津波対策の採用が2008年2月の「御前会議」でいったん了承されながら、「最大15・7メートル」の津波予測が出た後、旧経営陣が対策の先送りにしたことです。

 つまり、実際に来た大津波がすでに3年前に予測されていた(予見可能性あり)のに、それを避けるための堤防建設などの対策を取らなかった(結果回避義務違反)ことが問題になっているのです。

 

 そこで、経営トップの社長や会長を務めた勝俣恒久被告人が被告人質問に答えたのですが、勝俣被告人は津波対策について

「下が報告してこなかったので特に関心を持たなかった」

と供述し、自らが参加した「御前会議」などでの「報告・了承」を全否定しました。

 また、自らが技術系の幹部ではない点も強調し、原発については

「説明を受けても理解できないことがしばしばあった」

と供述し、原発の安全管理の責任は

「担当する部署が全て担っていた」

「原発の安全は、一義的に現場が全て行うので、責任も現場にある」

と述べ、自分には全く責任はなかったと主張したんです。

 

 一義的とは全部って意味ですからね。全責任は現場にあるって言いやがったんですよ!

 あのね、大津波が予想されたとして、その対策に建屋を高台に移すとか、外部電源が喪失しないように措置を取るとか、高い堤防を立てるとか、そういう津波対策って会社のトップが決めないと予算も付けられないでしょうが!!!!!

 何を言ってるんですか、この人は!現場だけで津波対策なんてできるか!あんたが技術系かどうかなんて関係ない!

 たまりかねて、検察官役の指定弁護士も重ねて

「津波が予測を超えうると考えなかったのか」

と尋ねると

「当時、津波のことまで頭に及ばなかった」

と答えたっていうんですね。

 大津波の報告が上がっているのに見なかったとしたらそれ自体が過失ですし、見ても津波のことまで頭に及ばなかったのならそれがまた過失ですよ。

 ほんとにいろんな意味で腐ってます。

 

この人、原発事故前は東電の天皇と言われた人なんですが、最後は責任は部下に全部あると言い出すとは、上司にしたくない人ナンバーワンの最低人間ですな。

よろしかったら大変お手数とは存じますが、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!

人気ブログランキングへ人気ブログランキング

ブログランキング・にほんブログ村へほんブログ村

Amazon 社会・政治・法律

Amazon Kindle ベストセラー

Amazon タイムセール商品





東電 勝俣元会長「津波予測できず」原発事故裁判
2018年10月30日 18時01分 NHK


福島第一原発の事故をめぐり東京電力の旧経営陣3人が強制的に起訴された裁判で、当時、経営の最高責任者だった勝俣恒久元会長への被告人質問が行われ、事故が起きる2年前に巨大な津波が押し寄せることを認識できたとする指摘について、勝俣元会長は「安全対策に疑義をはさむ状況ではなかった」と述べて、津波の到達は予測できなかったと改めて主張しました。
東京電力の元会長の勝俣恒久 被告(78)、元副社長の武黒一郎 被告(72)、元副社長の武藤栄 被告(68)の旧経営陣3人は、原発事故をめぐって検察審査会の議決によって業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴され、いずれも無罪を主張しています。

30日は事故当時、経営の最高責任者だった勝俣元会長に対する質問が行われ、冒頭、勝俣元会長は原発事故について、「東京電力の会長を務めたものとして、深くおわび申し上げます」と述べて謝罪しました。

勝俣元会長は、事故の2年前の平成21年に開かれた社内の会議で、元幹部から高さ14メートル程度の巨大な津波が押し寄せる可能性があるという報告を受けたと、検察官役の指定弁護士から指摘されています。

これについて勝俣元会長は「元幹部の発言のトーンは非常に懐疑的に聞こえた」と述べたうえで、「社内の原子力・立地本部でしっかりやっていると考えていて、安全対策に疑義をはさむ状況ではなかった」として津波の到達は予測できなかったと改めて主張しました。

このあと、検察官役の指定弁護士から原発の安全を確保する義務は最終的に最高経営層にあるのではないかと指摘されると、勝俣元会長は「一義的には立地本部でやっていくことが重要だと考えます」などと述べ、業務上の決定権限がなかったという考えを繰り返し示しました。
被告人質問終わる 現場検証は行わず
4日間にわたって行われた3人への被告人質問は今回で終わりました。次回の裁判は、来月14日に開かれる予定で、事故に伴って原発近くの病院などから避難を余儀なくされて死亡した44人の入院患者の遺族などによる意見陳述が行われる見通しです。

また、これまでの裁判で、検察官役の指定弁護士が裁判官に、福島第一原発の現場に出向いて検証するよう求めていましたが、30日の法廷で、裁判長は「必要がない」として検証を行わないことを決めました。



大津波試算「知りません」 勝俣元会長、無罪主張 東電公判被告人質問

2018年10月31日 東京新聞朝刊

 東京電力福島第一原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣三人の公判が三十日、東京地裁(永渕健一裁判長)であり、最高責任者だった勝俣恒久元会長(78)は初めての被告人質問に臨んだ。事故前に東電が得ていた原発敷地を超える最大一五・七メートルの津波試算について勝俣元会長は「知りませんでした」と述べ、あらためて無罪を主張した。 (蜘手美鶴)
 公判では大津波を予測できたかが最大の争点で、勝俣元会長は初公判で「津波や事故の予測は不可能だった」と主張。自らが出席した二〇〇八年二月と〇九年二月の幹部会議では、原発敷地を超える大津波が来る可能性が資料などで示されており、検察官役の指定弁護士は「予測は可能だった」と訴えている。
 被告人質問では、社長だった〇八年三月に子会社から東電原子力・立地本部にもたらされた最大一五・七メートルの津波試算について、報告は受けていないと主張した。会長に就任後の〇九年二月の幹部会議で、元社員が「最大一四メートルほどの津波が来るという人もいる」と報告したことについては「聞いたことがある」と認めたが、「部下のトーンが懐疑的に聞こえた。『そういう話もあるんだ』ぐらいに受け止め、いずれ対策が必要なら説明があると思った」と話した。
 この日で三人への被告人質問は終了。武藤栄元副社長(68)は自らの被告人質問で、〇八年六月、最大一五・七メートルの津波試算の報告を受けたが、同年七月に外部機関に試算方法を調査委託する方針を決めたと説明。「先送りと言われるのは大変心外だ」と述べた。武黒一郎元副社長(72)も外部機関への調査委託について「いいと思った」と、武藤元副社長と同様の判断をしたと明かしている。
 永渕裁判長はこの日、検察官役の指定弁護士が請求した事故現場周辺の検証は「必要性がない」と却下。次回の十一月十四日は、事故後の避難で亡くなった病院患者の遺族らが意見陳述する。
津波試算を巡る東電の動き(公判証言などによる)


よろしかったら大変お手数とは存じますが、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!

人気ブログランキングへ人気ブログランキング

ブログランキング・にほんブログ村へほんブログ村

Amazon 社会・政治・法律

Amazon Kindle ベストセラー

Amazon タイムセール商品




コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 韓国徴用工訴訟最高裁判決に... | トップ | 日本の外務省も日韓請求権協... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown ()
2018-10-31 17:49:45
そんな東電なんと福島第1原発建屋内部写真Twitterで#工場萌えとして投稿
事もあろうに世耕経済産業大臣が擁護するかのような発言
https://www.asahi.com/articles/ASLBZ3J1ZLBZULFA00C.html
萌えさせる筈が燃えさせる事にw
返信する
仕事をするのは現場の人だけど (リベラ・メ(私が本物))
2018-10-31 22:17:57
実際に現場で作業をするのは作業員だけど、作業をするしないは社長しか決定出来ないの。だから「私に責任はない。」…なんて話は通用しないの。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

福島原発事故」カテゴリの最新記事