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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

人生の大きな勝負に敗れたときには、オバマ氏に敗北した時のマケイン候補を思い出そう。「この戦いは、これまでも、そしてこれからも私の人生にとって大きな名誉です。」

2020年11月08日 | 感動と人生

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 アメリカ大統領選挙で負けたトランプ大統領。

 大阪市廃止住民投票で敗れた松井・吉村維新の会。

 コロナ対策でしくじって病気が悪化したと言い出して辞めたのに、右翼議員と会食しまくっている安倍前首相。

 敗れた日米の政治家が醜いあがきをしている今、12年前のアメリカ大統領選挙でバラク・オバマ氏に真正面から挑んで散った共和党のジョン・マケイン候補の敗北受諾演説が、静かな感動を呼んでいます。

 

 

 マケインさんは、ベトナム戦争でハノイ上空で撃墜されて北ベトナムの捕虜になり、5年間の捕虜生活から奇跡の生還をしたという、アメリカの伝説のファイター。

 有名なおじいさんの代からの軍人で、人格円満、誰からも認められる保守中の保守でしたが、オバマ旋風には勝てませんでした。

 

 

 オバマ大統領誕生がはっきりしたその日、マケイン氏は支持者にこう切り出しました。

「ありがとう。友人たちよ、ありがとう。美しいアリゾナの夜に、ここに集まってくれてありがとう。

みなさん、私たちは長い旅の終わりに来ました。 アメリカの国民は意志を表明しました。はっきりと示したのです。少し前、私はバラク・オバマ氏に電話をして、私たち2人が愛する国の次期大統領に選出されたことを祝福しました。

これほど長く困難な選挙に成功した彼の能力と忍耐力を、私は尊敬しています。そして、彼はそれだけではなく、何百万人ものアメリカ人に希望を与えました。

大統領選に自分はほとんど影響も持てないと誤って信じていた多くのアメリカ人に、希望を与えたのです。私はそのことに心から敬意を送り、称賛したいと思います。

これは歴史的な選挙です。アフリカ系アメリカ人にとって特別な意義があり、いかに彼らが誇らしげな気持ちであろうか、私はわかっています。  」

 

 

「今日のアメリカは、当時の残酷で傲慢な偏見の時代からはかけ離れています。アフリカ系アメリカ人が米国大統領に選出されたことは、そのことを示す、これほどない証拠となります。

 地球上で最も偉大なこの国で、黒人の市民権を大切にしないアメリカ人がいるということは、あってはならないことです。

 オバマ氏は、彼自身と彼の国のために素晴らしいことを成し遂げました。」

 アフリカ系の候補者が大統領になる瞬間に、いわゆる「白人」の大統領候補としてこれ以上のはなむけの言葉があるでしょうか。

 

 そして、マケイン氏はこうも言いました。

「オバマ氏と私は違う考えを持ち、議論を交わしてきました。そして、彼は勝利しました。私たちの意見の違いは、今後も残り続けることは間違いありません。

私たちの国は困難を迎えています。

私は今夜、この国が直面する多くの課題と向き合う私たちを、先頭にたって率いるオバマ氏を助けるため、全力を尽くすことを誓います。

私を支えてくれたすべてのアメリカ国民に、お願いしたいことがあります。

オバマ氏を祝福するだけでなく、この国の繁栄のために次の大統領に善意を送り、共に集い、必要な妥協点を探し、異なる意見を持ちながらも譲り合い、協力する努力をしてください。

この危険な世界で国の安全を守り、より強く、より良い国を私たちの子どもや孫たちに受け継ぐために。

どんな違いがあろうとも、私たちは皆アメリカ人です。そして、私にとっては、この共通点ほど重要なことはありません。お願いですから、そのことを信じてください。」

 

 

 いつの日か、安倍前首相に続いて、菅政権も倒し、自民・公明党から政権を奪取した時。

 関西から維新勢力を一掃した時。

 私もこう言いたい。

 マケインさんの地平から、さらに国籍や人種さえ乗り越えて。

「どんな違いがあろうとも、私たちは皆、日本に暮らす市民です。

 そして、私にとっては、この共通点ほど重要なことはありません。

 お願いですから、そのことを信じてください。」

 

 

マケイン氏やトランプ氏に比べれば私の戦いなんて小さな小さなスケールのものではありますが、私も自分の人生で何度も挑んでは敗れてきました。

だからこそ、人として、敗れたときにはかくありたい。

そう心から、マケイン氏の言葉を受け止めました。

皆さんはどうだったでしょうか。

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2020年11月06日 18時45分 JST | 更新 2020年11月07日 00時01分 JST

ジョン・マケイン氏の敗北宣言、時を超えて話題に。「どんな違いがあろうと、私たちは皆アメリカ人」(2008年大統領選)

「私たちの力は及びませんでしたが、失敗したのは私です。あなたではありません」。

大統領選の開票が続く中、マケイン氏の名スピーチに注目が集まっています。

MANDEL NGAN via Getty Images
2008年の大統領選で敗北宣言をするジョン・マケイン氏

開票が続く2020年のアメリカ大統領選。民主党のバイデン氏が優勢だが、現職のトランプ氏は投票の不正を訴え、民主党への批判を続けている。そんな中、アメリカのTwitterユーザーの間では、2008年大統領選でのジョン・マケイン氏の「敗北宣言」が話題になっている。

潔く敗北を認め、アメリカ初となる黒人大統領に協力するよう呼びかけたマケイン氏のスピーチは、美しい敗北宣言として知られている。

どんなスピーチだったのか

2018年8月に81歳で亡くなった共和党の重鎮ジョン・マケイン氏は、2008年の大統領選でバラク・オバマ前大統領と争い、敗れた。

オバマ氏の勝利確実が伝えられたあと、マケイン氏は地元アリゾナ州で支援者を前に敗北を宣言。オバマ氏に電話で祝福を送ったなどの発言に聴衆からはブーイングが巻き起こったが、マケイン氏は「please(お願いですからやめてください)」と制し、スピーチを続けた。

そして、「オバマ氏を祝福するだけでなく、この国の繁栄のために次の大統領に善意を送り、共に集い、必要な妥協点を探し、異なる意見を持ちながらも譲り合い、協力する努力をしてください」と伝え、「どんな違いがあろうとも、私たちは皆アメリカ人です」と連帯を呼びかけた。

トランプ氏と比較?「ジョン・マケイン」がトレンド入り

2020年大統領選で劣勢のトランプ氏は、「郵便投票などで不正が行われている」と一方的な主張を続け、法廷闘争に持ち込む構えを見せている。

そんな中、Twitterでは当時のマケイン氏のスピーチが話題に。動画メディア「NowThis」が投稿したマケイン氏のスピーチ動画は1万7000回以上リツイートされ、「John McCain」がアメリカでトレンド入りした。

Twitterより
アメリカでのTwitterトレンド。「John McCain」がトレンド入りしている。

マケイン氏のスピーチはどんな内容だったのか。全文を以下に紹介する。

 ◇

 

ありがとう。友人たちよ、ありがとう。美しいアリゾナの夜に、ここに集まってくれてありがとう。

みなさん、私たちは長い旅の終わりに来ました。 アメリカの国民は意志を表明しました。はっきりと示したのです。少し前、私はバラク・オバマ氏に電話をして、私たち2人が愛する国の次期大統領に選出されたことを祝福しました。

これほど長く困難な選挙に成功した彼の能力と忍耐力を、私は尊敬しています。そして、彼はそれだけではなく、何百万人ものアメリカ人に希望を与えました。大統領選に自分はほとんど影響も持てないと誤って信じていた多くのアメリカ人に、希望を与えたのです。私はそのことに心から敬意を送り、称賛したいと思います。

これは歴史的な選挙です。アフリカ系アメリカ人にとって特別な意義があり、いかに彼らが誇らしげな気持ちであろうか、私はわかっています。  

JIM WATSON via Getty Images

 

私は常に、アメリカという国は、機会を求めて努力するすべての人に対して機会を与える国だと信じていました。オバマ氏もそれを信じていました。かつてこの国の名誉を汚した不平等の歴史や、一部のアメリカ人に与えるべき市民権の恩恵を認めなかった歴史から、私たちは大きな発展を遂げましたが、その記憶は未だに多くの人の心を傷つけています。

1世紀前、セオドア・ルーズベルト大統領がブッカー・T・ワシントン(元奴隷の黒人指導者)をホワイトハウスでの食事に招待したことは、多くの地域で怒りを呼びました。

今日のアメリカは、当時の残酷で傲慢な偏見の時代からはかけ離れています。アフリカ系アメリカ人が米国大統領に選出されたことは、そのことを示す、これほどない証拠となります。地球上で最も偉大なこの国で、黒人の市民権を大切にしないアメリカ人がいるということは、あってはならないことです。

オバマ氏は、彼自身と彼の国のために素晴らしいことを成し遂げました。

私は彼に拍手を送り、この日を迎えることができなかった彼の最愛の祖母に、心からお見舞いを申し上げます。彼女は創造主の前で安らかに眠り、彼女が育てた素晴らしい男性のことをとても誇りに思っているでしょう。

オバマ氏と私は違う考えを持ち、議論を交わしてきました。そして、彼は勝利しました。私たちの意見の違いは、今後も残り続けることは間違いありません。私たちの国は困難を迎えています。

私は今夜、この国が直面する多くの課題と向き合う私たちを、先頭にたって率いるオバマ氏を助けるため、全力を尽くすことを誓います。

私を支えてくれたすべてのアメリカ国民に、お願いしたいことがあります。オバマ氏を祝福するだけでなく、この国の繁栄のために次の大統領に善意を送り、共に集い、必要な妥協点を探し、異なる意見を持ちながらも譲り合い、協力する努力をしてください。

この危険な世界で国の安全を守り、より強く、より良い国を私たちの子どもや孫たちに受け継ぐために。

どんな違いがあろうとも、私たちは皆アメリカ人です。そして、私にとっては、この共通点ほど重要なことはありません。お願いですから、そのことを信じてください。

皆さんが今夜、落胆したのは当然のことです。しかし、明日にはそれを乗り越えて、国を再び動かすために協力しなければなりません。私たちは戦いました。私たちは、一生懸命に力を尽くして戦ったのです。

そして、私たちの力は及びませんでしたが、失敗したのは私です。あなたではありません。

私を支え、私のために尽力してくださったみなさんに、心から感謝を申し上げます。私の友人たちよ、違う結果ならよかったのにと思います。

この道のりは初めから困難でした。しかし、あなたたちのサポートと友情は決して揺らいでいませんでした。私がどれほど深くあなたたちに恩義を感じているか、言葉にできません。 

Jason Reed / Reuters
シカゴで勝利宣言をする当時のバラク・オバマ氏

 

特に、妻のシンディや子どもたち、親愛なる母、家族のみんな、この浮き沈みのある長い選挙戦を通して私の側にいてくれた親愛なる旧友たちに心から感謝します。私はいつも幸運に恵まれていますが、あなたたちが私に与えてくれた愛と励ましほどの幸運はありません。

ご存知のように、選挙運動は候補者よりも候補者の家族にとって難しいことが多く、それはこの選挙戦にも当てはまります。私が彼らに返せるのは、愛と感謝の気持ちと、そしてこれからは平和な日々を過ごせるという約束だけです。

もちろん、私が今まで見た中で最高の運動家の一人であり、共和党に改革をもたらすため新しい声をあげてくれたサラ・ペイリン知事(当時の共和党副大統領候補でアラスカ州知事)にも非常に感謝しています。

彼女の夫であるトッドと5人の美しい子どもたちは、私たちの大義のために休むことなく力を尽くしてくれました。荒々しい大統領選が続く中で、素晴らしい勇気と優雅さを見せ続けてくれました。アラスカ州と共和党、そして私たちの国のために、彼女がどう力を尽くしてくれるのか、楽しみにしたいと思います。

選挙戦を共に戦ってくれた仲間であるリック・デイビス、スティーブ・シュミット、マーク・ソルター。そして近年で最も苛烈な選挙戦で、何カ月もの間、懸命に戦ってくれたボランティアの方全員に、心から感謝をしています。選挙に負けてしまったことは、あなたたちとの信頼と友情以上に意味があるものではありません。

 

この選挙に勝つために、これ以上何ができたのかわかりません。評価は他の人に任せたいと思います。すべての候補者は間違いを犯しますし、私にも間違いがあったのでしょう。しかし、私は今後、あの時ああすればよかったと後悔することは決してありません。

この選挙戦は、これまでも、そしてこれからも私の人生にとって大きな名誉です。

そして私の心は、今後4年間にわたって国を率いるべきはオバマ氏と私の旧友であるジョー・バイデン氏だと決める前に、私の言うことにも公平に耳を傾けてくれたアメリカ国民への感謝に満ち溢れています。

私は、半世紀にわたりこの国に奉仕するという並外れた特権を与えられました。この運命を後悔したとしたら、私はアメリカ人としてふさわしくありません。今日、私は愛する国の最高位を争う候補者でいられました。そして今夜も変わらず、私はこの国に忠誠を誓っています。これ以上幸せなことはなく、私はアリゾナの人々に感謝します。

今夜ーー。今夜、どんな夜よりも、私はこの国とすべての国民を愛してやみません。彼らが私を支持していようとも、オバマ氏を支持していようとも。私の対立候補であり、私の大統領になる彼に、神の祝福を祈っています。

そして、私はこの選挙戦を通して伝えていたように、目の前の困難に絶望するのではなく、アメリカの可能性と偉大さを常に信じてほしいと国民の皆さんに伝えたいと思います。

アメリカ人は決して諦めません。私たちは決して屈しません。私たちは歴史から決して逃げません。私たちは歴史を作るのです。

ありがとう。あなたとアメリカに、神のご加護がありますように。

 

 

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2 コメント

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ヒラリー・クリントン氏 (時々拝見)
2020-11-10 09:51:02
きちんと見てませんが、ヒラリークリントン氏の大統領選敗北時の演説も良かったそうですね。「以前の」歴代敗者の弁を見ると、USAと時には保守・共和党の良識を再認識させられます。
父ブッシュは日本軍と戦場で戦った最後の大統領でしたね。
前回、ファーストジェントルマンの誕生、期待したんですが、結果は、共和党にとって、最低候補の当選でした。

今回、トランプ氏がホワイトハウスからどかなかったら、
バイデン氏:その時は、軍が彼をエスコートするだろう。
軍:軍はホワイトハウス内のことには、一切、関与しない。
在郷軍人会:その時は、我々が喜んで、彼を丁重にエスコートするだろう。
軍・在郷軍人会ともにナイスです。
どっかの自衛官は親分の爪の垢を輸入するように。
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学者のことなどどうでもいい… (sound_moon810)
2020-11-10 10:18:56
 まあ私も含めて多くの庶民はそう思っています。金ばかりかかって役立たず、だから総理から嫌われても仕方ないと言うわけです。私も大学で退屈な講義を受けていた時のことを思い出します。それの成れの果てが学術会議なのでしょう。

 菅義偉は間違いました。それだけです。6人の任命拒否は彼の器の小ささ、度量の狭さを露呈しただけです。これを野党は寄ってたかっていじめています。菅に説明できるわけがない。強いて言えば「いやなものはいやなのだ」ということです。安保法制や秘密保護法の討論の折、あの6人にコテンパンにやられたわけですから。

 学術会議に問題があったとしてもそれは学者たちの自治で解決するべきです。総理が権力者として任命拒否する必要はありません。むしろあの6人が入っている方が会議の批判はやりやすかったはずです。6人を拒否れば一応問題はなくなったことになっているのにごちょごちょメモを読みながら答弁を繰り返して墓穴を掘っています。つまり最初から学術会議のことなどどうでもよく、あの6人への復讐が目的だったわけです。熟慮などしているわけがない。

 野党はここぞとばかりいじめています。やり過ぎると庶民の支持を失います。正解を答えられるわけのない菅義偉の珍問答が飽きられてしまうからです。

 大阪の都構想でも松井・吉村、そして橋下の発言は奇妙なものばかりでした。山本太郎が丁寧のその矛盾を突いていました。それでも賛成派の多くは「いやなものはいや」で反対派の議論に耳を貸しませんでした。大元には学者のプレゼン能力が落ちている現状があります。彼らは退屈なのです。学問、知性の後退。だから思考力の落ちた自民や公明は負け惜しみの維新に煽られてせっかく大阪市が守られたのにまた変な議論を始めています。

 いちばんの原因はお金なのです。庶民にお金が足りないのです。学者のこととか都構想のことより、それが最大の問題です。かつての大阪が栄えたのは放っておいてもお金がバンバン集まってきたからです。堺の港にいっぱい全国から人が欲しいがるものが集められていました。戦国時代を変えた鉄砲と堺の港はセットでした。江戸時代は圧倒的に大阪の文化が金回りが良かった。忘れたのでしょうか? 都構想などといった政治の仕組みを変えただけでお金が集まるわけがない。IRや万博などあれで金が集まりますか? 何を言っているのでしょう。庶民の懐から奪うだけです。無駄な税金を取られます。

 今、大阪だけでなくおそらく日本全体“同情するなら金をくれ”の状況なのです。
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