地獄に技術者・・・インド人タブラー奏者、アニーシュ・プラダーンから。
ある技術者が死んだので、天国の門に報告しにやってきた。
聖ピーターが彼の書類を審査してこういった。
「君は技術者だったか。だったら間違ったところにきたようだ」
そこで、技術者は今度は地獄の門をくぐった。
まもなく彼は、地獄の環境があまり快適でないことに不満を抱いた。
地獄環境改善に取り組み、新しい設計の建物を建て始めた。
そのうち、地獄の建物にはエアコン、水洗便所、エスカレーターなどがつくようになり、男は大変な人気ものになった。
ある日、神は、地獄の主であるサタンに電話をした。
「どうだい、そっちの地獄の様子は。最近は暖かい陽気じゃないの」
とバカにしたように話した。
「そうなんだよ。いい感じなんだよ。今じゃ、エアコン、水洗便所、エスカレーターなどがあるし、この技術者、次に何を作ってくれるんだろうなあ」
「なんだって。君んところに技術者がいるのか。それはなんかの間違いじゃないのか。彼はそっちにいていいはずがない。こっちに返してほしい」
「ダメだね。地獄に技術者がいるってのはいいもんだ。ここにいてもらうよ」
「なんだって。君が彼をこっちに送り返さなければ、訴えてやるぞ」、神が答えた。
するとサタンは、笑いながらこういった。
「いいよ。で、君はどこで弁護士を見つけるつもりだね」