「Crystal Ball」田中陽(あかり)
これです。白人。金髪碧眼。
25歳。葵が医者になってから二年後、別れてから7年。陽は葵が勤めるクリニックに患者として現れます。
7年で陽の容姿は別人になっていました。
もう2度と葵には会わないと決めていた陽でしたが、養父の晃から「田中家の本家の者は長生き出来ない。50歳まで生きられない。」と知らされて葵の顔が見たくて病の身を引きずって奥多摩から赤坂に来るのです。
母も叔母も40代で亡くなった。
葵に会えたとしても他の女の人と幸せなのかも知れない。帰りは泣いて帰るのかも知れない。でも、顔が見たい。人生の半分が過ぎている。彼は私を見ても、こんなに変わってしまった私なら気づかない。
葵の方は、まだ陽に捨てられたことから完全には立ち直っていません。前の年には、付き合ってた人がいましたが、その彼女が陽の写真を見て「綺麗だけど頭空っぽ」と元カノだと気づかずに言って、葵は大喧嘩して別れました。その容姿は
これです。白人。金髪碧眼。
葵と陽。7年ぶりに再会。葵は日本人になってしまった陽にびっくりします。
別れることになった理由も分かりました。
7年前の夏、彼女は連続殺傷事件に巻き込まれPTSDと記憶障害を起こしていました。葵の記憶は無くしていたんです。思い出したのは、葵に最後に会いに来た日の朝。
既に翔と結婚して奥多摩の神社の後継になることが決まっていました。葵が大学で大変なのも分かっていた。巻き込みたくなかった。
それを聞いた葵は、精神科医になるって決めていたのに、あんな事件に遭って、心が無傷であるはずなかったのに。。。と、ここでまた、自分のダメさにショックをうけます。
翔は、もう陽に興味を無くして遊び歩いています。でも、同じ一族の女で家業のことは分かってる。離婚はしないと決めています。
葵は、葵の花をデザインしたルビーの指輪を陽にプレゼントして約束します。いつか一緒になろう。
葵と翔は昔は親友。今も疎遠ですが仲が悪いわけではなく性格は分かりきってる。葵と陽が付き合ってたことは翔は知らない。
陽の人生は、山の中の神社で巫女装束をして2人の息子を育てます。1人は葵の子。1人は翔の子。
40代までは生きられる。なんとなく信じていました。
いつ、終わりが来るのかなんて人間は誰も知りません。
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