アパートを訪ねてきたマリを大輝は軽蔑します。マリは、「色が見える事を聞きに来ただけ」と言い張りますが、大輝には、彼女を取り巻く色から欺瞞を見抜きます。
この10数年後、エリカと大輝は界に出会います。場所は、奥多摩の水川神社。界は神主です。横を向いた顔が、犯人に刺殺されたあかりに似ている。とエリカは思います。
「もっと物騒な感じだ。僕達の関係を元に戻したい?そんな感じかな?戻すものさえ元々無いのに。」そう冷たく言われて、マリは大輝の深い人間不信ととじている心を思い知ります。
多感な時期に刑事事件に巻き込まれ、家庭が崩壊して、それまで成功した父親を持った誰の目にも幸せな家族が、ハリボテの偽物だと知り、世間から叩かれた家族。を大輝の大きな心の傷。変わった男だと思ってはいたが、彼が辿ってきた人生に関わろうともしなかったマリ。
ここで、初めてマリは、大輝も大久保も愛していなかったことに気が付きます。愛しているのは、30歳までに結婚して裕福な主婦になって幸せにしてもらうはずの自分だった事に気が付きます。
醜い自分を自分で幸せにしなければ、私は不幸なままだと考えながら、涙をこぼしながら帰宅するために歩いて行きます。
この話には、大輝の父、翔とマリが会うシーンもあるのですが、カットしました。翔は、浮気相手と不貞をしていません。下心があっただけです。
でも、下心だけで妻シャインの心は離れていきます。浮気相手が、翔の従姉妹のあかりを刺殺した事により、浮気では済まなくなり、翔は仕事も家庭も失います。
「私の今の境遇が懲役みたいなものです。」と翔は言います。
魔が刺す。逢魔時に翔は足を掬われました。
やったことの証拠はあるかも知れない。でも、やってない事の証拠はないとも翔は言います。浮気心はあったものの、男女関係はないと翔が弁明してもシャインは信じません。信頼が無くなってしまったから。
この10数年後、エリカと大輝は界に出会います。場所は、奥多摩の水川神社。界は神主です。横を向いた顔が、犯人に刺殺されたあかりに似ている。とエリカは思います。
優しい語り口で、20年以上前の事件のカラクリと翔の弁明をします。
明日からは、この奥多摩の話。
「幸せな家族」