かみいた落語塾

噺家さんの指導のもと、小咄から古典落語までしっかり学べる、老若男女うぇるかむの落語団体、上板橋落語塾のかわら版!!

小咄ノート15「鯨蕎麦」

2006年05月30日 | 参考書
*落語の方にはよくお蕎麦の話がでてまいりますけれども、
 これは紀州は熊野の浦に住んでおりましたくじら、
 江戸見物と洒落込んで品川の沖までやってまいりますってぇと、
 大勢の江戸前の小魚たちが集まってまいりまして・・・・・

小魚「オイ、見てごらんよ、えゝ? あすこに大きなのがいるよォ。大きくて向こうが見えねえやな。ちょいと、声かけてやろうじゃねえかな。もし、もし、あのォ、この界隈見かけませんが、どちらさまです?」

鯨「あぁ、これはこれは恐れ入ります。あたくしは紀州は熊野の浦から参りました、くじら と申します」

小魚「くじら。 はぁぁ、あなたのような大きいしとが、あっしらの仲間なんていうのは心強いですよ。えゝ、江戸見物、それはそれは、ようこそいらっしゃいました。じゃァ旅の疲れもございましょうが、われわれで何かご馳走しますんで、好きなものをそう言ってください」

鯨「あッ、これは恐れ入りますな。では、江戸の方が好みます、お蕎麦とやらを・・・」

小魚「蕎麦。あ、なるほど。上方じゃうどんなんてェことを申しますからね。江戸一番のお蕎麦を誂えてきますから待っててくださいよ」

*なんてんでね、江戸前の小魚たちがお蕎麦を誂えにいく・・・・

 その後姿を鯨が呼び止めまして・・・・・

鯨「あぁもしもし、あのォお蕎麦もけっこうでございますがな、
 くれぐれもモリだけは勘弁してください」

安呑

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