「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

英国に留学して放射線研究に取り組む日本人医師ブログ

Good FridayとEaster holidays

2017-04-14 | 2017年イベント
今日はGood Friday(聖金曜日)です。
キリスト教においては、イエスの受難と死を記念している日であり、特別な一日です。3日目のEaster(復活日)に復活したことで「イエスは死を克服した」と、宗教上、考えられています。Belfastにはプロテスタント各派、カトリック各派の協会がひしめいており、それぞれEasterに対する認識には若干の差異もあるようですが、概ねGood Fridayから翌週にかけて1週間前後を休日とする公共施設が多いようです。

したがって、本学もまた、この期間はEaster holidaysとして休暇になります。もちろん、病気には休暇なんてありませんし、その意味において、病院や医学研究所には厳密な意味でのお休みなんてものは存在しないのですが、事務部門が閉鎖され、基本的には学生も研究所内に許可なく立ち入り禁止です。したがって、キャンパスも閑散としており、多くの学生やスタッフはすでに里帰りしました。日本でいうとお盆休みのようなものでしょうか。
私もこの期間に溜まったデータ解析や書類仕事を片付けることにします。

19年前のGood Friday(1998年4月10日)に、ここBelfastで英国とアイルランド共和国の間でThe Troubles(北アイルランド紛争)に関する合意(いわゆるベルファスト合意)が締結されたことから、この合意のことを英語でGood Friday Agreementと呼びます。聖書の記述からEasterが移動祝日になっているので、Easter直前の金曜日であるGood Fridayも同様に移動祝日となっています。19年前とは日付が異なるのはその為です。

BelfastにおいてGood Fridayは、宗教上の意義だけでなく、あの泥沼の紛争に一定の解決をみた歴史的な1日を意味します。合意がこの19年間概ね守られてきたのはとても素晴らしいことであり(残念ながら数件のテロ事件が合意後も発生しましたが)、この街の現在の平和と繁栄は、まさにこれまでの先人達の偉大な努力の積み重ねによるものです。
正直、国家間の合意や約束を理性的に履行できる隣人を持った英国とアイルランド共和国の方々がちょっと羨ましいです。