「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

英国に留学して放射線研究に取り組む日本人医師ブログ

Belfast Waterfront で国際学会

2017-11-27 | 2017年イベント
Belfastでは27日(月)から30日(木)まで欧州個別化医療学会が開催中であり、このクソ忙しいのに私も参加せざるを得ないという立場なので、Waterfrontというカンファレンス会場まで足を運んでいます。ウェルカムパーティーの招待状も届きましたが、残念ながらドレスコードに適した服が手元にないですし、色々と忙しいのでそちらは断りました。欧州中から個別化医療のエキスパートが集まるという大々的な宣伝ではありましたが、残念ながら、参加者数はそこまで大した規模ではないようです。おそらく日本人の参加者も私だけでしょう。
しかし、医療の方向性として、早晩、Personalized Medicine(個別化医療)、Precision Medicine(精密医療)に向かわなければならないのは明らかであり、今後、この学会の重要性もより増してくる可能性があるとは思います。2015年に当時の米国オバマ大統領がPrecision Medicine Initiativeを発表して以来、「個別化」を目指す世界の医療競争は激化しています。米国に負けないように、欧州も精一杯の様子ですね。

私たちひとりひとりは、言うまでもなく、それそれが唯一の存在です。たとえば、厳密に言うと、薬の効き方もひとりひとりで微妙に異なっていて、中には副作用が強く出る人もいれば、そうでない人もいるわけです。このような個人差に着目して、ひとりひとりに適した医療を提供するべきであるという考えが、近年、強くなってきています。それでは、具体的にはどうするべきか。様々な遺伝子やバイオマーカーが報告されているわけですが、それらをどうやって臨床現場に持ち込むべきなのか。まだまだ判らないことが多いです。
私は放射線感受性の個人差に関する発表を行う予定ですが、普段はお会い出来ないような他の参加者の方々と色々とお話しできる機会はやはり貴重ですね。

来週、某国際学会に参加する予定で、日本に帰国します。今年もそろそろ12月になりますが、忙しいせいか、時間の流れはあっという間です。残念ながら、今回もまた日本に滞在できる時間も限られておりますが、出来るだけのことをしたいとは思います。来年も日本と英国の間を頻回に往復することになりそうです。