「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

英国に留学して放射線研究に取り組む日本人医師ブログ

英国大学院留学のための奨学金について

2018-04-14 | 留学全般に関して
昨日のブログ記事でもすこし触れましたが、イギリスの大学院の学費は高額です。EU加盟国の留学生とそれ以外の留学生では学費が異なり、日本から留学する場合、文系で年間200万円くらい、理系(ラボワークあり)だと250~300万くらいかかります。さらに留学期間中の生活費がかかるわけです。
完全に親御さんが負担してあげる自費留学の場合、親御さんが頑張って子供に1年間の英国留学費用、例えば修士課程留学費用を出してあげるとして、生活資金を含めてざっと数百万かかります。裕福なご家庭でなければ、ちょっと厳しいでしょうかね。あるいは、ある程度の期間を就職して、その貯蓄をもって留学費用に充てるという場合もあるでしょう。自力で留学する場合は後者が主になるでしょうか。
とにかく、留学には金がかかるものです。

しかし、別に完全に自費で行く必要はありません。そのための奨学金制度です。
お金がない人たちは、奨学金をくれる大学や団体や財団などに「お金ちょーだい」と応募して、なんとか採択してもらって、そうやって得たお金でなんとかやりくりするわけです。奨学金をくれる先としては、大きく分けて、現地(英国)でもらえるもの、日本でもらえるものがあります。奨学金には給付と貸与の2種類があります。ただし、貸与はつまり借金ということであり、いずれは返さなければなりません。
私の場合、在籍している大学院からの奨学金や、日本の民間団体・財団からの留学助成金など、これまでに全部合わせると1千万には届かないものの数百万の額を頂いており、これから頂戴する予定の分もあります。しかし、それでも博士課程在学中にかかる費用全てをまかなうのは厳しいだろうと思っています。以前に働いていた期間の貯蓄もあるので、まあ、それなりの水準で研究生活が出来てはいますが。

では、どうやったら留学奨学金を獲得できるのか。
よく聞かれる質問なのですが、普通にあちこち応募して、採択して頂いているだけです。もちろん、合格するだけでなく、不合格になることもあります。私の場合、医師として働いて論文も10報くらい書いていた経歴が、奨学金の趣旨に依っては有利になったり不利になったりするようです。落ちても腐らずに「駄目でもともと」の精神であちこちの奨学金へ申請してきました。

ただ一つ言えるのは、ちゃんとそれなりに努力すれば、奨学金は獲れる可能性が高いです。
努力をしても奨学金が獲れるとは限りませんが、獲れない人はやはり努力が(絶対的に)足りていないと思います。
「どうして留学したいのか」
「留学における具体的な目標は何か」
「留学先として英国を選択した理由は何か」
などをしっかり考えて理論武装し、留学に向けて実力を養えば(IELTSである程度の点数を取る等)、どこかで拾ってもらえるチャンスが出てきます。まさに捨てる神あれば拾う神あり。
私の親しい友人は、日本人ではなくハンガリーの出身ですが、ハンガリーでトップの大学を卒業した後、英国の大学院に入る前にロンドンで4年間下積みといいますか、色々なところで働きながら英語を勉強してお金を貯めたそうです。彼は現在、欧州の某製薬企業から奨学金を獲得し、うちの大学院医学博士課程に在籍しています。
諦めなければ、努力すれば、道というものはいつか拓けるように出来ているものなのでしょう。

日本人留学生で留学助成金を獲得している人の多くは、おそらく所属大学の奨学金を取得しています。英国の大学院の幾つかのコースは奨学金付になっており、これに応募して合格し、そのまま入学するタイプです。ただ、いかんせん競争は激しいので、あまり数は多くないですね。
日本の留学助成団体としては、google検索してもらえれば判ると思いますが、日本学生支援機構JASSOの海外留学支援制度(大学院学位取得型)、本庄国際奨学財団、村田海外留学奨学会、平和中島財団などがあります。理系ならば船井情報科学振興財団などもあります。いずれかの奨学金を取得出来れば、完全にまかなえるかどうかはともかく、ある程度の英国大学院留学費用にはなると思います。


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