セリカ魂

「初代セリカに乗りたい!」
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映画「君の名は。」観てキタ━(゚∀゚)━!

2016年08月31日 01時22分00秒 | つぶやき

​8月28日(日)

新海誠監督の最新作、「君の名は。」を観て来ました。
かつてないムーブメント、正直“何が起こってる?”と困惑してます私。
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だって前作「言の葉の庭」って、単館上映に毛の生えた公開規模。
しかも劇場で、今から観る作品の“DVD販売”をしている異常事態。
ネットでも既に有料配信していたりと、劇場公開を軽視する姿勢。
監督本人も「わざわざ劇場で観る必要性を感じない」的な発言を。
DVD販売だけで、制作費を回収出来るって目算だったのでしょうか?

そんな新海さんが、全国を行脚してマメに試写会で挨拶してる。
まぁ、各地に出向いての挨拶は以前からやってたけど。
今回の頑張り様は、以前から注目して来たファンには珍しい光景。​
神木くんや上白石さんや長澤様まで(!)、全国番組で番宣を。
流石に、その露出具合から“今回はマジ大金掛かってる”と窺えました。
でも、観客動員が振るわなければ赤字って危機感は感じなかった。

本作といい「シン・ゴジラ」といい、東宝の英断には感嘆する。
本当に良いものを見抜き、認め、そして任せた。
今夏を席巻する話題作2本が、邦画の雄・東宝さんとは頼もしい。

絵のクォリティも、過去作より当然向上しているが特にキャラがいい。
今までは新海監督の描くキャラか、その延長線上だった。
どちらかと言うと、リアル系。
それが今回は、明らかにポップでキャッチーなアニメ的キャラ。
これは、万人受けするという点で大成功したと思う。
さすがは田中将賀と言える、安定したキャラデザでした。
Z会の「クロスロード」で、互いの力量を認め合った賜物ですね。

それを活かす作画監督にも、安藤雅司という実力者を据えた。
新海監督より4つ年上で“ジブリ出身”という経歴を持つ。
つまり、監督にとっては“年上の部下”になる。
一般論として、使い辛いだろう。
職人気質のベテランアニメーターとかだったら、尚更である。
いくら「ジブリに影響を受けた」と公言する新海監督でもねぇ・・
などと、裏方仕事での苦労話、あるんじゃね?って邪推をw
でもまぁ、スタッフの人選も新海さんだろうからね。
やり難い人を要職に迎えたりはせんでしょう。
仕事面だけでなく、人間的にも一緒にやれると踏んだから。
パンフを読んだ感じでは、安藤氏って作画に徹するタイプっぽい?
「いつか監督やりたい」なんて野心を持たないタイプに思えた。

今作では新海さん、ビジュアルに手を出していないそうだ。
殆どを自分がこなす“自主制作上がり”で知られた深海さんが?
それは軽い“驚き”だったけど、作品はしっかりと深海カラー。
ふと浮かんだのが、細田守監督のこと。
「時かけ」「サマー」「おおかみ」と貞本キャラだった。
それが最新作「バケモノ」では細田監督自身がキャラデザを。
(3人共同とされているけど、分担具合は不明)
細田色が強まった途端に、作品クオリティが下がった印象なのは皮肉。
自分を出し過ぎて失速した細田監督を、新海監督どう見てたんだろ。
細田監督も次回作では修正して来るだろうから、そちらも期待。
この二人には、互いを意識して高め合う良きライバルで居て欲しい。

劇中の岐阜側の舞台「糸守町」って、文字を見てると、ん?
 糸田田守 ⇨ 糸(田田)守
細田監督の名前を「タヌキ」すると糸守になるけど関連性はないよね?
細田作品には「中身がない」なんてこと、暗示してないよね?
実は、ダーク新海が発動されてたりしてw​
新海さんが次回作で「キャラデザに貞本を起用」なんてことしたら・・
相当面白くなりそうだな〜w

よく“ポスト宮﨑駿”という言葉を耳に(目に)する。
かつて「秒速」を劇場で観た時、“この人かも”と予感した。
だから私的には、細田監督と新海監督は“同列”で争って来たのだ。
何故かメディアは、新海監督のことを「ポスト細田守」と表記。
それじゃまるで、細田監督がポスト宮﨑駿みたいじゃん。
個人的には、そんな誤報を引用して繰り返すメディアに苦笑している。
で、最後にポスト宮﨑の座を射止めるのが、庵野氏だったりしてw
まぁ、“宮﨑駿ロス”してる暇もない活況は、良いことですね。

映画を観終わって、ようやくこれで小説を読めます。
キャラの心情など、見えにくい細部が描かれていることでしょう。
ネタバレしたら勿体ないと、今まで読むの我慢してたのですよ。

さて、ここからは感想を交え、ネタバレも含めてレビューします。
これから観るよって方は、読まないよーにヽ(´▽`;ノ





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実際のところ、作品の中身はCM見てれば少なからず伝わる。
CMの映像見ると、明らかに“クレーター痕”だと分かる。
更に、夜空を流れる“彗星”と降りそそぐ流れ星の数々。
極めつけは、テーマ曲の題名が「前前前世」と来たもんだ。
あれ?もしかして、オチって“マーニー”かい?
入れ替わる2人、実はご先祖様と子孫って関係だったりして。
んー、でも同じ時代っぽいから“パラレルワールド系”かな?
少なくとも、片方は“彗星落下で滅んだ時間軸”だろうな。
その位のアタリはつけて観始めた。

まず最初に面食らったのは、“劇場作品なのに普通にOPあるぞ”
まるで、毎週放送されるTVアニメのごときオープニングでした。
再編集して、1クール程度の連続アニメ化する気?とさえ思ったw
まぁこれは、監督の遊び心だったのかな。

発破での爆発シーン辺りから、物語は“大事”になって行く。
話しにしっかり起伏があり、映画作品として見応えがあった。
ともすれば、平凡になりがちな学園モノなので重要な要素。

物語の起伏に合わせ、ラッドの歌入り楽曲が4曲も使われる。
過去の新海作品では「ここぞ」という場面で、たった一回のみ。​
そのセオリーは短編、頑張っても中編までということだろう。
これだけの長編なら、複数の見所が必要だから4曲も妥当か。

オレンジ色の組紐が、まるで“運命の赤い糸”みたい。
つい先日、豊島八百万ラボを訪れたばかりなので、連想していた。
まぁ、組紐といえば“真田紐”が真っ先に浮かぶんだけどね。

同級生だった2人、3年のタイムラグで再会したら歳の差が。
この“3年”ってのが微妙で切なくて、何とも良い。
これ以上離れたら、女性の劣化や童●(だよな?)の幼さが漂う。
かろうじて、互いの経験値に大差ない年数。
それがきっと、3年。
(その点「言の葉」でのユキノ先生、くっついても長続きは・・)

でも、入れ替わってる時に“3年のタイムラグ”に気付かないか?
タネ明かし後、そればかりが気になって仕方なかったw
パンフでの氷川さんの例え、“時をかける転校生”って秀逸だな。

口噛み酒って、ギャートルズの猿酒みたいなもんだよね。
最近じゃ「もやしもん」でも出て来たけど。
その昔から、例え猿でも“メス猿”が噛むのがお約束。
なんてこと連想しながら観てた。
そうしたらまさか、何年も寝かせたブツを飲むとは!
人間の口、超バイキンだらけって印象なんですけど。
まぁ、その場で出したのスグなら“プレイ”の一種として・・
いやいや、せめて“口移し”で・・
まぁ、ココは人それぞれのレベルで、受け止め方も違うでしょうw

ラスト近く、奥寺先輩が会いに来る。
結婚して人妻になった身で、以前ちょっと意識したオトコに会う。
自分の選択は正しかったのか、それを確かめに来た気がする。
かつて「秒速」で“男は引きずる、女は忘れる”と恋愛観を説いた。
(少なくとも私は、そう受け止めた)
その理論に沿えば、奥寺先輩が会いに来たのは違和感。
大人の女性の感性について監督、宗旨替えした?w

とまれ、ファンがディープに、あれこれ外野で楽しむのはお約束。
それは置いといて。
今作で新海作品に初めて触れた人、全国に大勢居ることでしょう。
光を巧みに使った新海マジックに、心を射抜かれたんじゃないかな。

宮﨑駿、庵野秀明、細田守らは新作が待ち望まれる“メジャー監督”。
その列に加わることを、従来の新海ファンは信じ、待ち望んでいた。
そしてこの作品には、そうなるだけのパワーがあった。
今回レベルの大作を作れる環境を、新海監督は手にしたのだ。

いざ“メジャー化”が確定した途端、心に寂しさが生じている。
それはきっと、ファン心理の身勝手さなのでしょう。



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