Fのぼやき

日々の生活、プログラミング、映画なんかをぼやく!!

セマンティックWebは革新をもたらす(2)?

2005-03-11 17:53:40 | セマンティックWeb
セマンティックウェブは革新をもたらすか
昨日寝る前にちらっと書いたセマンティックWeb関連の話題にSEの方にトラックバックしていただいた。セマンティックWeb普及の一番の鍵となるであろう現場の方の意見は本当にためになる。うれしさついでに、今日は自分の中でのセマンティックWeb論をしたいと思う。

昨日セマンティックWebのついての解釈が人によって異なるといった話をしたが、じつは僕の中でセマンティックWeb技術に対してカテゴリわけがしてあり、セマンティックWeb関連の話を聞くときはその中のどれにあてはまるか常に意識するようにしている。とりあえずいくつかピックアップすると次の通りだ。

(1)従来のHTMLファイルにメタデータを埋め込むタイプ
神崎正英さんらが積極的に活動している、GRDDLとXSLTなどを組み合わせた手法。HTMLファイルからさまざまなメタデータを取得できる。また検索エンジンの助けとなるのもこのアプローチだろう。
(2)リソースに対するメタデータを提供するタイプ
RSSやATOMのアプローチで、現在最も成功している例。トップダウン型のアプローチで語嚢を定義するためには政治的な問題がでてくるが、一旦定義されたら一番使われると思われる例。
(3)オントロジを用いることによる柔軟な知識ベースとしての利用
RDF自体の柔軟さと扱いやすさを利用し、知識を格納するための仕組みとして利用する例。RDBのように決まったスキーマにとらわれることなく、またXMLよりクエリ処理が記述しやすいといった利点があり、分散環境に適しているように思われる。
(4)リソースに意味を付加し、動的な発見や合成に利用
Webサービスの合成、発見などで研究されている。
(5)純粋な知識工学などの学問
理論的な論理を追求。

ティム・バーナーズ・リーの提案したセマンティックWebとはこの4つの中では(1),(2)にあたると思われる。一番正統派であり社会的なインパクトも大きいだろう。特に(2)は、RSSを見ればわかるようにかなり強力なインフラとなる。しかし、このようなトップダウンのアプローチでは政治的な問題もあり簡単に語嚢を決めることはできない。また利益が特定の企業というよりも社会全体にもたらされるため、ビジネスが成立しづらいように見える。
逆に(3)あたりは、もともとのセマンティックWebの概念というよりは、RDF、OWLに流れる知識表現の概念と言えるだろう。セマンティックWebというよりも、セマンティックWeb技術を用いた技術とも言える。このアプローチをとる場合、世界全体をつなげるといった方針をとることは無謀に思われる。ただし、少数の企業間やイントラネット内といった限られたドメイン内では、RDF/OWLの潜在能力は革新的なデータ管理を実現するかもしれない。ビジネスチャンスがもっとも多いアプローチだと個人的には思っている。
(4)についても(3)と同様、ある特定のドメインに限れば、かなり便利なことができるだろう。
(5)は学問的に面白いが、応用はできないと思う。

セマンティックWebという技術を使って新たなものを作ろうと思った時、もっとも大切なことは何を作るか把握することだと思う。一言でセマンティックWebとするのではなく、自分がどのアプローチをとるのかをいうことにより、焦点が定まると思う。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
同じレベルで議論する必要がありますね。 (平成維新への挑戦)
2005-03-16 15:30:51
確かに肯定論にしても否定論にしても、それぞれお互いに違う局面を見て議論をしていたのではすれ違いますね。



RSS対応のブログも広い意味ではSemanticWebの応用だという人もいれば、いやもっとAIもどき、オントロジーや厳格なRDF対応にすべきだという人までいろいろいて、現状ではいったい何が正しいのか分からないというのが率直な感想です。



とり合えず、先日聞いたセマンテイックWebコンファレンス2005の報告にトラックバックをかけさせていただきます。
返信する