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森にようこそ・・・シャングリラの森

森に入って、森林浴間をしながら、下草刈りをしていると、自然と一体感が沸いてきます。うぐいすなど小鳥たちと会話が楽しいです

清き心の未知なるものの為に㊳・・・ダグ・ハマ-ショルドの日記より

2025-05-28 09:52:07 | 森の施設

 

    清き心の未知なるものの為に㊳・・・ダグ・ハマ-ショルドの日記より

 

    もっとも長い旅は

    内面へむかっての旅である。

    自己の運命を選びとって、

    おのれの存在の根源をたずねつつ

     (根源があるのであろうか。)

    旅路に立った者は、

    いまだにおまえたちのあいだに留まりつつも、

    それでいて仲間はずれになっていて、

    おまえたちの気持ちからは孤立している------

    まるで、死刑の宣告を下された者が、

    それとも告別がさし迫って、

    万人の避けえぬ定めである孤独へと

    いち早く運命づけられてしまった者のごとく。

 

    おまえたちと彼との間には介在する、

    -------距離が、疑惑が、

    気がかりが。

 

    彼は見るだろう、おまえたちが

    遠く、さらに遠く、さがってゆくのを、

    彼は聞くだろう、おまえたちの呼び声が

    かすかに、さらにかすかに、薄れてゆくのを。

 

 

 今晩の会合が終ってから、罪障感と隣あわせの空虚感が不安の念をかきたてた。この

不安は、無為と不満とに必然的に伴ってくるものである。。

 それというのも、おそらくはこの夕べの集いがなんの意味もなかったからであり、さ

らに無益だったからでもある。-------これほど判明しきっている人間関係においては、

なにを配慮してみても、結局は無益という死に至る罪に譲歩することになるのが落ちで

あるのに、それを承知で、いろいろ配慮して演出した集いだったのである。

 このような事情のもとでは、この喜劇は生ある実在の品位をおとしめる無駄話といった

調子のものとなったが、それでもこれを最後まで演じとおさねばならなかった。

 

 彼が生命の通った接触を求めて、取り乱してみえるまでに苦悩している前にたったとき、

おまえの厚い皮で蔽われて自足している孤独が、なんとあからさまに露呈したことか!

おまえ自身と同じ問題を抱えている者------その同じ問題が彼に腐れのきていない本来の

ままの姿をしているのに、おまえは出会ったのである。------を助けることが、おまえに

とってなんと難しかったことか。

 

 突然、私はこのことを理解した。すなわち、私が私自身にとって実在的であるよりも、

彼は彼自身にとっていっそう実在的なのである。そして、私にたいして要請されているの

は、私の実在に参与するよりいっそう緊密な仕方で彼の実在に------これを客体でなく主体

と見なして------参与せよ、ということであった。

 

 

 

   

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