清き心の未知なる者もの為に㊶・・・ダグ・ハマ-ショルドの日記より
おまえは引き立って見えるようにと念を入れて舞台衣装や仮面を作りあげたのであるが、
それらは、おまえ自身と、おまえがほしがっている同情とのあいだに立ちはだかる壁とな
ったのである。おまえは、裸のままで立っていた日には、その同情をかちえたのに。
命令を発する声は、それが衰えて弱々しい泣き声となったときにしか、服従してもらえ
なかったのである。
自己の将来に拘束されながら生きる。
たとえば、それが「死にぎわをよくするように心の準備をする」という意味にすぎない
としても。
日ごとにおのれの権力を正当化する者だけが、その権力に値する。
入り交ざった動機。なにかじゆうだいな決定をくだすさいには、われわれの全存在が、
すなわち全量な面も下劣な面もこれに参与する。われわれがある行動を起すにあたって、
それらの諸面がわれわれの人格の内側でひとつに纏(まと)まったばあい、いずれの面が多
面を欺しすかしたのであろうか。
その行動のあとでメイフィストが現れ出て、にたにたしながら自分のほうが勝ったの
だと名乗りでようととも、その行動の結果にかんするわれわれの活用方法しだいでは、彼
は以前として打ち負かされることがありうるのである。
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