清き心の未知なるものの為に㊵・・・ダグ・ハマ-ショルドの日記より
(社交的)であること-------黙っていては失礼にあたるというだけの理由からおしゃべりする
こと。心を通いあわせ、触れ合わせているという幻想を作り出すために、たがいに身体をこ
すりあわせること。なんという人間の条件の例証であろうか! そのうえ、われわれの精神的
資源を不当に使うみとがすべてそうであるように、これもまたいたずらに疲労を招く、人類が
人類自身にたいしてあたかも-------霊の死という地獄において-----われわれとわが身を懲らし
める鞭にほかならぬかのようなふるまいを見せる仕方は多々あるが、これもまたそのごく小型
なもののひとつなのである。
(根性のなさ)------。 われわれはあまりに容易に以下の両者を混同する。そのひとつは、みず
からの所信を責任をもって養護せねばならなくなることへの怖れであり、われわれ自身の確信
以上に他人の意見に左右されがちな傾向であり、端的に言うならば確信の欠如である。あとの
ひとつは、成熟し、また強健な人間が、他人の論拠を十分に尊重する必要があると感ずること
である。まるで隠れん坊のようではないか。悪魔は、われわれの根性のなさを利用しようとす
るとき、それを視野の広さという名で呼ぶわれわれに視野の広さをもたせまいとするとき、そ
れを根性のなさと呼ぶ。
善意の人を包んで輝く勝利の後光。この人が発散する魂の甘美さ。-----つるこけももや黄い
ちごの風味、秋霜烈日の感触。
甚だしい傲慢さの破廉恥。そのほこりは王冠を台座からつかみ取り、われとわが手でそれを
額にかぶせる。
人間の秩序を形づくるいっさいのものと無縁なるに至った、甚だしい傲慢さ。
寓話一遍。-----むかしむかし、あるところに、ひとつの王冠がありました。それはたいへん
重かったので、それをかぶっていられるのは、その光輝をすっかり忘れきっていられる人だけ
でした。
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