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日本沿岸の中国漁船は政府公認の密漁船団だ!

2024-07-23 | Weblog

<はじめに> 7月5日、中国海洋調査船「向陽紅22」が沖ノ鳥島北方の海域にブイを設置した旨公表。この海域は日本の排他的経済水域で囲まれた海域で公海ではあるが、海洋法上日本の大陸棚として認められている海域。中国側は「津波観測用で日本が大陸棚に対して有する主権的権利を侵害はしない」としている。しかし、1)この海域は公海上ではあるが、中国はここを日本の大陸棚の上であることを承知していながら、事前に日本側に了解を求めることなく、かなり大きなブイを設置したことは認められない。2)また、ここは公海上であり、ブイの設置は自由で安全な公海を妨害するので、撤去を求めるべきであろう。中国側はこのブイを「津波観測用」としているが、西の沿岸は日本であり、東はハワイ、米国であるので、中国大陸とは関係のない第3国に影響する情報観測を目的とした敷設物であるので、敵対的なものと見做されるので撤去を求めるべきであろう。

 またこのような不正な行為を、国際機関である海洋法裁判所(本部ハンブルグ)や国際司法裁判所(本部ハーグ)に即時撤去を求めて提訴すべきであろう。同時に、安全確保の観点から、航路標識を兼ねて日本としても中国側ブイの周辺に複数のブイを構築するなどの迅速な対応が望まれる。

 このような観点から、本稿を再掲する。

シリーズ平成の本音―日本沿岸の中国漁船は政府公認の密漁船団だ!

2014-11-10
 2014年11月4日、海上保安庁は太平洋岸の小笠原諸島から伊豆諸島にかけての海域で中国漁船を205隻(3日現在)確認したと発表した。小笠原諸島は東京から南南東約1,000キロの太平洋側の海域にあり、周辺に103隻(内領海内に約59隻)、更に近海の伊豆諸島の鳥島(東京の南方約580キロ)の南に102隻(領海内1隻)が集結していたとされる。これらの船は、全て領海から200海里(約370キロ)の排他的経済水域(EEZ)内にいたが、中国では古くから珍重され極めて高価な赤珊瑚を密漁する目的と見られているが、外国人漁業規制法やEEZ漁業法は、領海での外国人の操業や、EEZでの無許可操業を禁じている。これは国際的に認められている海洋法規である。
 その上、これらの中国密漁船は、海底300~400mの赤珊瑚を根こそぎ採取する原始的な漁法を用いており、1年に1mm程度しか成長しない赤珊瑚の生息地域の著しい環境破壊に繋がると危惧されている。なお、中国自体が自然保護の観点から赤珊瑚自体の捕獲を禁じているので、赤珊瑚の保護に必要性を知った上での日本海域内での無法行為ということになり、このような中国の密漁、無法行為を世界に訴えるべきところだ。
1. 大型台風20号接近で中国密漁船、無申請で島領海内へ
このような中で、勢力の強い台風20号が北上し、6日前後に中国密漁船が集
結している伊豆諸島周辺に向かうことが予想されていたが、中国密漁船が周辺の諸島に避難し、場合により船員が上陸することを島民が恐れていた。
 所管の国交省(海上保安庁)は取締を強化するとしており、また一部の島には警察が増派されている。このような中で、太田国交相は、4日の閣議後、‘中国漁船に同海域から退避するように発信している。・・・(島などに)上陸しないように厳重な指導を基本方針にして臨む’と表明していたが、翌6日、人道上、島への上陸は認めないが、領海内の緊急避難的な停泊は認めるとした。
中国密漁船は、台風が近づいている6日、ほとんどが南東方面に退避したようだが、13隻が島の領海内に漂泊していた。領海内への避難申請などは行われていない。
 しかし、もし日本側が島領海内への避難を認めない場合、中国側は日本への非難を強める可能性が強く、になる可能性がある。
 日本としては、日中間の非難の応酬などを避けるためにも、事前の同海域からの退避を警告する一方、人道上の観点から台風被害から逃れるための島領海内への緊急避難を容認したことはやむを得ない事であろう。
 しかし、島の領海内に無申請、無許可で入った中国船については、容認するとしても、申請を行うよう注意喚起するべきであろう。また万一中国船の船員が島に上陸等した場合には、赤珊瑚の密漁の可能性を日本当局が検査し、その疑いがある者は日本のEEZ内での不法な密漁として船員を逮捕等するよう措置すべきであろう。
 このような中国船による日本のEEZでの密漁や資源の乱獲等は無法、不法な行為であり、また申請もなく領海内に侵入し停泊等することは初歩的な国際規範の侵害であるので、中国政府に対し強く注意を喚起、警告するべきであろう。
このような国際規範を守らない中国の無法な姿勢は西沙諸島や南沙諸島を巡り、ベェトナムやフィリピン等との関係においても見られおり、国際社会への懸念要因となっている。
2. 中国政府は安倍政権の足元を見透かしているのか?
2012年12月、安倍首相が2回目の政権に就いて以来、尾を引いていた尖閣列島問題に加え、靖国神社参拝や歴史認識、対抗的な安全保障姿勢等を巡り中国との緊張が激化し、習近平中国主席と国際会議における儀礼的な握手程度を除き首脳会談が実現しない状態が続いている。
 11月10、11日に北京で太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開催されるので、日本側としてはその際に日中首脳会談を実現したいところだが、6日現在決定していない。米中首脳会談は決定していることが明らかになっており、国際会議主催国が多くの国と2国間の首脳会談を行うのが慣例だ。
 連立与党内にも日韓に加え、日中首脳会談が行えない状態が政権発足後2年近く続いていることに懸念を示している。緊張を高めるばかりで、安全保障環境にも有害だ。もっともそれが日本の防衛力強化や集団的自衛権議論を含む日米同盟強化に追い風になっていることは皮肉でもある。
 今回、会談形式等は別として、北京で日中間の首脳会談は実現するであろう。国際会議の主催国が参加国首脳から会談要請があれば、会談するのが儀礼であろう。
また福田元首相が7月と10月末に訪中の際、2度に亘り習主席と会談している。異例だ。7月の訪中は、中国で開催された非政府の国際会議に日本側理事長として出席したものだが、習主席との会談の際、安倍首相よりの親書が手渡された模様だ。首脳会談への呼び掛けであろう。それを受けて、福田元首相は再度訪中し、10月29日に習主席と会談している。恐らく7月の会談結果を受けて、首脳会談開催に向けての日本側の考え方を伝え、首脳会談実現を促したのであろう。それでも7日現在、会談は決まらず、谷内内閣官房国家安全保障局長が訪中した。首脳会談の形式的、事務的な詰であろう。
福田元首相が2度に亘り直接習主席に首脳会談を促しているので、まさか中国側も同元首相の顔を潰すような首脳会談拒否はしないであろう。
しかし日本側が首脳会談実現に執着していることは中国側にも見え見えであろう。中国の密猟漁船問題でも、日本側が中国を刺激するような行動はしないと足元を見られていても不思議はない。(2014.11.07.)(All Rights Reserved.)
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衆院総選挙もさせてもらえなかった福田総理辞任の「変」―(再掲)

2024-07-23 | Weblog
<はじめに>

 2008年9月1日、福田康夫首相(当時)が、緊急記者会見を開き「新しい布陣の下で政策の実現を図って行かなくてはない」旨述べ、辞任を表明した。後期高齢者医療保険の反発など反発など、内閣支持率の低迷に加え、衆院選の時期をめぐり公明党との亀裂が生じ、参議院で多数を占める民主党が対決姿勢を強める中で、与党内での信頼も失い、手詰まり状態となり、自ら解散、総選挙すら打てずに退陣となった。

 現在国会は衆参とも自公両党が多数を占めているが、旧統一教会に多数の自民党議員が関係し、また政治パーテイ裏金問題で自民党の主要派閥が関与し世論から厳しい批判を浴び、国会運営が円滑に進まず、また岸田内閣への信頼が無くなり支持率が下がり続けている。現在与党自民党は、現内閣の下で総選挙を打っても勝算はないとする意見が強く、早くも9月の自民党総裁選挙に向けて候補者選びに入っている。現内閣はずるずると9月までポストにしがみつき、9月には、総理総裁の座から外され、自らは総選挙などを打てなくなるが可能性が高く、2008年の福田内閣と状況が非常に似ている。

 首相は、安部元首相の3回忌において、「阿倍政治を継承し、次代に引き継ぐ」旨表明したと伝えられている。しかし阿倍政治自体が、7年半もの一本調子の経済金融政策による深刻な弊害、もりかけ問題での担当唐突な配転と証拠隠し、桜を見る会の不正な経理処理と証拠の破壊、更に旧統一教会の擁護や裏金の温床派閥となっていたことなど、法令遵守に反する政治運営をしていたことが明らかになって来たている。それを継承し「懸案を処理し、結果を出す」と言うのであれば、解散、総選挙を行い、自らの信念、主張を国民に問うべきではないだろうか。このような観点から、本稿を再掲する。

 

シリーズ平成の「変」-衆院総選挙もさせてもらえなかった福田総理辞任の「変」―(再掲)
 2008年9月1日、福田総理は辞任の意向を表明した。
 記者会見で述べていた通り、安倍前総理だけではなく、長期に亘る自民党政権で積み上げられた「負の遺産」を引き継ぎ、また参議院が民主党など野党に多数を占めている中で、大変苦労をされた。「負の遺産」は、福祉失政であり、経済失政、経済無策であり、行政のメタボ体質や公務員の綱紀の乱れ、そして閣僚の失言と不明瞭な政治資金など、根は深い。その中で、道路特定財源の一般財源化や消費者庁の設置などに先鞭を付け、一定の功績を残したと言える。ご苦労様でしたと言いたい。
 しかし、「自前の」内閣改造、党役員の入れ替えを行って1ヶ月にもならない中での辞任である。「変」である。今回の内閣改造、党役員人事の裏には森元総理が居ることで知られている。
 内閣改造をしても支持率は上がらず、党内では改革外しや反改革抵抗勢力の巻き返しの中で、これでは選挙が出来ないと「福田おろし」が吹き荒れていた。石油の他、諸物価高騰の中での景気後退により、景気対策が声高に叫ばれ、赤字国債の発行による大型の財政出動論が飛び出し、その先には消費税増税論が見え隠れする。路線の転換圧力である。「改革」による成長の恩恵は、反改革路線で消えた。経済失政とも言える。それをまた大型の公共事業や財政出動で浮揚させようというわけだ。バブル崩壊後、その積み重ねで800兆円以上の公的債務が積み上げられた。当時頻繁に公共投資を売り込んでいたリチャード・クー氏(野村総研主任研究員)がまた顔を出し始めている。800兆円の国の借金はどう処理するのかと問いたい。更に公債を積み上げてどうする積もりなのだろうか。
「変」である。路線転換の「変」である。
 不思議なことに、安倍前総理が政権運営に行き詰まり辞任したのは麻生太郎自民幹事長の時である。今回も、党役員人事で返り咲いた同幹事長の下での福田総理辞任である。同幹事長は2つの政権を党として支えられなかったという結果となっている。党内の路線の不一致から、党として政権運営を支えられなくなって来ているのであろう。
 これから新しい自民党の総裁が選ばれ、国会で首班指名が行われることになろう。衆議院では指名が得られても、参議院では否決される。民意を問うべき時期であろう。 (Copy Right Reserved.)
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政党交付金は廃止すべし (再掲)

2024-07-23 | Weblog

政党交付金は廃止すべし (再掲)
 総務省は、2020年11月27日、2019年分の政治資金収支報告書(中央分)を公開した。収入総額は、1,098億円(前年比1.3%増)で、参院選があり借入金が例年の約5倍の36.5億にものぼるので、借入金を差し引くとネットで1,063億円になる。その内自民党の政党本部収入は約245億円で、ダントツのトップである。
 1、政党交付金にあぐらをかく政党、各候補個人への選挙費助成に転換すべ
多数党で最も多く議員を擁しているので当然と言えば当然であるが、自民党本部の収入の72%強の約176億円が税金を財源とする「政党交付金」であることは驚きだ。まるで政府がほぼ丸抱えした政党が与党となっている。これではまるで中央専制国家のようで、政権与党の税金お手盛り振りが明らかのようだ。その上、自民党本部は戦後75年も経っている今日でも、国会に至近の国有地を割安で賃貸しており、まるで国立政党のようだ。
 これはいかにも異常で、民主主義国家であれば、政党は基本的には個人や企業・団体の浄財、任意の寄付で運営されることが望ましい。長期に亘り政権を担ってきた政党の72%強の収入が国民の貴重な税金である政党交付金で賄われ、政党本部が国有地を優先使用している現状は、共産主義国や独裁国家と余り変わらず、民主主義とは言えないのではないだろうか。  
戦後直後ならまだしも、75年も経っている今日、政党助成金を廃止して、候補者個人への選挙費助成金とする時期ではないか。その方が、助成を受けた候補が国民の税金の有難味が分かるのではないだろうか。また各政党が国民から支援を広げる努力をするようになるのではないだろうか。

 2、河井案里議員側が自民党より受領した支援金1.5億円は政党交付金から
 2019年7月の参議院議員選挙に際し、自民党は、擁立した河井案里側に1億5千万円の支援金を提供した。それが、案里側により、車上運動員(通称うぐいす嬢)に法定上限2万円を超える報酬支払いや県議や市議、市長等に配られた疑いで、案里議員事務所と夫である河井克行衆院議員(元法相)が公職選挙法(買収)及び政治資金規正法違反の容疑で起訴され、まず案里事務所の公設秘書が禁固1年6ヶ月、執行猶予5年の有罪判決が確定した。
 河井衆院議員の判決は別途行われることになるが、自民党から通常1200万円/人と言われている選挙支援金の10倍を超える1.5億円もの支援金が出されていなければ、これだけ広範な選挙違反行為が行われていなかったであろう。その支援金は、税金を財源とする政党交付金から出されていることが分かっている。1.5億円の税金で買収等の選挙違反行為が行われたということであり、納税者である国民としては納得できないであろう。
 党の政党交付金管理責任と結果責任が問われそうだ。また政党交付金が選挙違反行為の原資になったと見られることから、遅滞なく全額を国庫に返納することについても問われるのではなかろうか。

 3、共産党、自助努力で204.5億円の党収入を確保
 共産党は、政党交付金を受けず、党員による会費と機関誌赤旗の販売など自助努力により、同年204.5億円の党収入を確保している。自民党に次ぐ高額の党収入であるが、政党交付金無しの自助努力ではダントツの1位となっている。
 要するに、政党交付金無しでも、会費、事業収入などの自助努力で党収入は図れるということであり、与野党を問わず、会費、事業収入などの自助努力で党費、政治活動費を賄うという、民主主義本来のあり方を築いて欲しいものだ。
 もっとも、共産党は中央統制による共産主義というイデオロギーを信奉するグループであり、多様性を基礎とする自由、民主主義、自由市場主義という日本を含む世界の大多数の諸国に共有されている価値観とは相容れない、絶対的なイデオロギー信奉政党であるので、他の政党が会費などの自助努力で党収入を図ることには困難があるだろう。しかし民主主義政治の基本はそういうことであるので、そのような政治環境を構築するのも政党の仕事であろう。
 他方、共産党はこれまで党収入が潤沢であったため、原則として全ての選挙区で候補者を立てているが、野党の票を喰う結果となっているので、野党の発展を阻害する結果となっていることも否めない。共産党の存在は、保守政党にとっては都合の良い存在となっているのが現実であり、同党がイデオロギー信奉を離れ、国民政党となることが問われているのではないだろうか。いずれにしても、野党同士が食い合う状況を解消することが課題だろう。
 なお、公明党は、政党交付金を受けているが、会費収入や機関誌発行などの自助努力で129億円規模の第3位の収入を図っている。もっとも公明党は、宗教団体である創価学会メンバーのいわば下部組織であり、宗教的信仰を基礎とするものであるので、他の政党の参考にはならないだろう。
 いずれにしても、何時までも税金を財源とする政党交付金に依存し続けているのでは、民主主義政党としては努力が足りないと言えるだろう。政党交付金は廃止し一定の基準を設け、候補者個人への公職選挙支援助成金に転換すべき時期ではなかろうか。(2020.12.1.)

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‘皇居’を京都御所に戻すべきこれだけの理由!! (再掲)

2024-07-23 | Weblog

‘皇居’を京都御所に戻すべきこれだけの理由!! (再掲)
 2019年4月30日に平成天皇が退位、5月1日の新天皇が即位され、同年10月22日に新天皇の即位を内外に表明する「即位の礼」が実施される。
 新天皇のご即位をお祝いする。しかし戦後の新憲法の下でのあり方には違和感もある。即位の礼についても、詳細は明らかにされていないが、式典に使用される「高御座(たかみくら)」が保管されている京都御所で解体させたうえ東京に輸送された。それだけに掛かる費用が、総重量8トンの解体・輸送経費などで9億円と言われているが、平成天皇同様、新天皇の即位の礼が東京で行われ、江戸城址内にある‘皇居’に住まわれ続けるのであろうか。
 即位の礼は、伝統に基づき、明治天皇はもとより、大正天皇、昭和天皇も京都御所で行われている。天皇は、明治維新後、江戸幕府が無血開城した江戸城内に‘皇居’を新設し、京都御所からそこに移り住まわれている。それは徳川将軍派の再起を封じ込める意味と米欧列強の介入を抑止する上で必要であったと思われる。第2次世界大戦後も、昭和天皇は江戸城址内の皇居に留まった。これは、米国を中心とする連合軍が進駐し、皇居のある江戸城跡内に連合指令本部が置かれることを防ぐためにも止むを得ない措置であったと考えられる。
 昭和天皇崩御後、平成天皇はそれを継承したが、現在は米軍の進駐はもとより考えられず、また国内情勢は歴史上最も安定していると共に、憲法上の天皇の地位は国民に広く認識されているので、もはや天皇が江戸城址内の‘皇居’に留まっている必要はなくなっているのではないだろうか。即位の礼が東京で行われたのは、平成天皇が歴史上唯一の例外となっている。
 むしろ新憲法の下の新時代においては、伝統に沿って天皇は京都御所に復帰され、江戸城址は国民に開放すべきであり、その理由は次の通りである。
 1、歴史上最も平安な現在、天皇が江戸城址に留まる必要はなくなった
 明治維新となり天皇は京都御所から江戸城内に移り住んだが、上記の通り、明治維新直後や戦後直後と異なり、今日国内情勢は歴史上最も安定していると共に、憲法上の天皇の地位は国民に広く認識されているので、もはや天皇が江戸城址内の‘皇居’に陣取っている必要はなくなっていると言えよう。「帝国憲法」が廃止され新憲法となった居る今日でも、江戸城址内に宮内庁が占拠しているのも適切でない。
 新天皇は、歴史に則って京都御所に復帰することが望ましい。天皇が国民統合の象徴であることは認識されているので、京都におられても問題はない。それ以上に関西及び西日本の人々にとっては喜ばしく、誇りにもなることであろう。無論、京都御所には必要な改修等を行った上である。
 天皇のご公務については、憲法上国事行為として10項目掲載されているが、必要な時には東京等、必要な場所に赴くことは交通事情が飛躍的に向上している今日では問題ない。また東京に滞在し、或いは一定の期日東京での公務が必要な時は、赤坂の迎賓館(赤坂離宮)を所定の改築をし、そこで執務、宿泊されればよい。現在赤坂の迎賓館は、年数回しか使用されておらず、著しい無駄になっており、その活用を真剣に考える時期であろう。日本は、少子超高齢化の本格化を迎え、税負担人口が減少する一方、国民総所得の2倍に当たる1,000兆円を超える公的債務を抱え、これが年金支給額の実質削減と並んで国民の将来不安の大きな原因になっている。国家や地方公共団地が無駄な施設や土地を抱えている余裕はなく、無駄を無くしていくことが不可欠になっている。

 2、旧帝国憲法の下での’皇居’の存在は現行憲法の下では時代錯誤
 戦後日本においては、旧帝国憲法に代わり、新憲法が制定され、主権は国民にあり、いわば大政は国民に奉還されているので、国民の偉大な歴史的、文化的遺産である江戸城跡に‘皇居’を置いておく必要性はもはやなく、江戸城址を国民に奉
 3、日本や世界にとっての偉大な歴史遺産、江戸城址は国民に開放すべき
 江戸城を中心とする江戸の人口は、幕府が発足した17世紀初頭には15万人程度と言われているが、18世紀初頭には100万人を超えたと考えられている。
人口はロンドン(1801年約 86万人)、パリ(同約 54万人)と比較しても世界一の大都市であったと推定されている。文化的にも、参勤交代により地方の文化も持ち込まれ還することが望ましい。それ以上に明治維新は過去のものとなり、天皇専制は終わり新憲法になっても江戸城址を‘皇居’により封じ込めて置くことは不適当とも言える。‘皇居’、‘皇居’と言われ、そのような先入観があるようだが、江戸城址なのである。
 そのようにすることが、日本の歴史に沿うことになると共に、東西の文化的、社会的なバランスが回復し、東西のバランスある発展が望めるのではなかろうか。
、多様性があり、また版画や日本画、歌舞伎、相撲そして魚市場など、欧州でも評価される高い文化が華を開いた。
 その中心が江戸城であり、江戸文化は東京だけの歴史、文化遺産ではなく、日本の、そして世界の文化遺産と言えるので、それを再評価し、人々に開放し、可能な範囲で復元、保存して行くことが望まれる。江戸城址は世界有数の観光資源となるであろう。またそれに関連する城外の江戸時代の遺跡を加えると更に豊かな歴史文化遺産となろう。

 4、首都圏直下地震等の大規模災害等に備え、天皇の京都御所復帰が望ましい
 首都圏直下地震等の大規模災害の発生は現実のものとなりつつあり、各種の、緊急対策が検討されているが、それでも自然災害や何らかの不測の事態が想定の範囲を超える可能性も念頭に入れて置く必要があろう。そのような首都圏緊急事態への対応の一環として、伝統に則り天皇の居所を京都御所に戻しておくことが望ましい。そのような緊急事態の際、立法、行政、司法の政府機能が打撃を受けるが、象徴たる天皇をも巻き込むことを避けるため、皇居の京都御所復帰を真剣に検討すべきであろう。天皇が京都御所に復帰される場合の対応については、上記1.の通りであり、十分対応可能であると共に、江戸城址の国民への開放や赤坂御所の有効活用などの可能性が広がり、有益であろう。
 江戸城址が開放されれば、国民の憩いの場、歴史研究の場や格好の観光スポットとして活用できる以上に、大規模災害時の都民の避難場所となると共に、緊急時総合対策センターとして活用できるように整備して置けば、都心の360度対応可能な緊急センターとして活用も出来る。
東京への一極集中を是正し、地方都市の活性化を図るため、従来型の地方への助成金などでは限界的な効果しか期待できず、もっと抜本的なシステムの転換を図らなければ達成できないことは明らかだ。戦後の歴代政権の施策では地方の活性化を実現出来なかったばかりか、逆に東京への集中を招き、地方の人口減や限界集落の増加が加速していることからも明がだ。抜本的な転換が望まれる。
(2019.5.1.改定、同7.4.補足)

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