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元号強要は国民への追加的負担ー低労働生産性の象徴的要因ー!! (再掲)

2024-07-06 | Weblog

<はじめに> もうすぐ大相撲が始まるが、過去の成績の比較などの解説に例外なく元号が使われるが、さてそれって何年前だったかなど比較が出来ない。また市区町村から各種の資料が送付されてくるが、全て年号で記載されており、去年のことだったか今年のことだったか混同することがある。コロナ禍の渡航制限の頃にPCR検査の証明書の発給を受け、帰国時に搭乗を拒否された例がある。検査実施日が「04.05.10.」と刻印されており、04年は相当前のことであり証明書は認められないと搭乗を拒否された人がいる。国際化された今日、憲法で天皇の国事行為として決められている10項目は良いとして、一般の経済、社会、文化スポーツ等の日常生活に「年号」を使う必要が無いばかりか、そのために多大の迷惑等がある以上に、国際化して今の時代に一般民間生活に年号使用を義務付けることは、いたずらに日常生活を煩雑にしている上、弊害が多くなっている。もうそろそろ国際社会と足並みを揃え、ガラパゴ化から進化系に前進しても良いのではないか。

 このような観点から、本稿を再掲する。

 

 

 

元号強要は国民への追加的負担ー低労働生産性の象徴的要因ー!! 

 4月1日、政府は新元号が「令和」となる旨発表した。4月末で「平成」は終了し、5月1日に新天皇となるに伴い新元号となる。これをビジネスチャンスと捉え各種の商品やサービスが提案されており、経済効果が期待される。もっとも5月2日の早朝のスポーツニュースで、令和初のホームラン、令和初のヒット、令和初の盗塁などなど、何かにつけて´令和初’を付けて報じていたが、野球と元号は関係はないので耳障りでチャンネルを変えた。ニュースにしたいのだろうが、無節操な報道姿勢の体質は変わっていない。
 世界は急速に国際化しており、元号で物事を世界としても出来ない。外国人が何かしようとしても元号で象徴される日本のガラパゴス制度が障壁となってしまう。外国人による対日投資について特区を設けることを検討しているようだが、それは元号のような国際的に通用しない制度が日本に存在するからであることを証明しているようなものだ。だから日本人は勤勉などと言われているのに、所得は低く生産性も低くなっている。それ自体の廃止・簡素化を図るべき時期になっている。

 新元号のネーミングについての評価はいろいろあると見られるが、元号で物事が変わるものではなく、その後為政者がどのような時代にしていくかに掛かっている。
一般国民にとっては、新元号になろうとなるまいと、増え続ける規則や慣例、慣行に縛られることなく、出来るだけシンプルで、ストレスが少なく、豊かで希望の持てる社会となることを待望している。
新たな時代に取り組むためには、新元号に期待を持たせるだけでなく、「平成」がどのような時代であったかも謙虚に評価することが必要だろう。その評価無くして進歩も改革も期待できない。
 新元号への変更については、政府、政府関係機関で各種申請書、文書、許認可証等の年号が円滑に進められるよう膨大な作業が行われている。地方公共団体や民間企業、団体でも元号使用に関連し各種の対応策が行われている。
 政府は、4月1日に新元号を公表し、混乱なく改元が進むよう対応が進んでいるとしているが、元号の決定プロセスの不明瞭性と共に、改元や元号使用に伴う国民生活や経済活動に追加的な負担となり、また犯罪の種ともなっている側面を見落としてはならない。
 改元に伴いキャシュ・カードなどの交換が必要として巧みにカードを盗む‘元号詐欺’が横行している。元号が使われる限り、今後もあの手この手で‘元号詐欺’は続くことが懸念されている。
 国民生活にとっては、元号が変わること時代計算や各種の申請書、履歴書類の作成などで作業を複雑にし、追加的な負担となっている。特に超高齢化している現在、明治、大正、昭和、平成、新元号と5元号を経ることになり、何年前だったかなど分からなくなってきている。NHKなどでも、元号でニュースを伝えることが多いが、何年前だったかなどが直ちには分からない場合がある。
多くの国民にとっては複数の年号を経るので元号表記は煩雑で、そのために費やす手間暇は可なりのもので、超高齢化の時代では更に煩雑な計算が必要となる。時間の喪失感は無視できないほどで、社会的な損失も大きい。
 元号は、一般国民の生活、各種活動において使用が強制されるものではないので、国民、企業、諸団体自らが西暦年号表記の使用を促進することが望ましい。
 日本にはこの種の伝統や慣習や時代と共に旧弊が多なる上、法律、規則、更には‘通達’などで公的機関への提出文書を細部まで定めていることが多い。一方日本人は良く働き、残業も多く、夏季休暇が以上に短い上休暇も返上して働くのに、労働生産性は欧米諸国が加盟するOECD 35カ国中20位(37年連続という醜態)、先進7カ国中では40日程度は夏季休暇を取るイタリア、フランスよりも低く最下位だ。
 要するに日本人は労働時間が長いのに反して賃金、役員報酬がおしなべて低いということに尽きる。では何故そんなに労働時間が長いのか。その大きな原因の一つが、元号の換算や箸の上げ下げまで規定する規則、‘通達’ずくめの制度にある。米国はじめ多くの国が、日本は市場参入が難かしい、投資が難しい、非関税障壁があるのではないかなど、市場の開放性に疑問に思っている。確かに日本人でありながら新規に何かをしようとすると制度や申請書類などが細かく複雑で大変だ。その上元号記載となることが多い。行政書士や代行業が流行るのもうなずける。  
古い慣習や制度、規則、通達類を、例えば10年ごと、20年毎など、一定期間で廃止することを義務付けるなど、簡素化して行かないと、労働生産性も上がらないし、市場参入などへの阻害要因がアルバム式に増えることになる。
 古い制度や規則を時代の変化に伴い漸次廃止していく意識と努力が必要だ。元号はその一つで、西暦年号の使用を一般化すべきだ。少なくても、地方公共団体を含め、行政への申請書類は西暦年号記載を認めるべきであろう。
 新元号の選定についても不明朗だ。政府は‘新元号選定委員会’を設け、数名の委員を任命しているが、明治天皇時代への復古的思想の強い日本会議のメンバーである女性作家はじめ財界の長老格やなどが中心で、偏向が強く、これが日本国民を代表しているとも思えない。
 元号の使用(その場合必ず西暦年を併記)は、宮中行事の他、憲法に規定されている天皇の「国事行為」に限定すべきではないか。それ以外については、元号使用は任意とし、西暦年号を認めるべきであろう。元号は日本独自の文化であり、伝統であるので、それを保存して行くことは大切であるが、世界がグローバル化し、各種の度量衡、基準、標準などが国際基準で統一されている今日、日本だけが「元号」表記を強要することは、ジャパン・オンリーの独りよがりであり、日本を更に‘ガラパゴス化’して行く恐れがある。現在、世界の人々は、日本の文化や伝統的な技能、技術、建築、日本食などを個々の目で評価しており、ジャパン・オンリーをことさらに強要する必要はなくなって来ていると言えよう。
(2019.5.2.再改定 )

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政党交付金は廃止すべし (再掲)

2024-07-06 | Weblog

政党交付金は廃止すべし (再掲)
 総務省は、2020年11月27日、2019年分の政治資金収支報告書(中央分)を公開した。収入総額は、1,098億円(前年比1.3%増)で、参院選があり借入金が例年の約5倍の36.5億にものぼるので、借入金を差し引くとネットで1,063億円になる。その内自民党の政党本部収入は約245億円で、ダントツのトップである。
 1、政党交付金にあぐらをかく政党、各候補個人への選挙費助成に転換すべ
多数党で最も多く議員を擁しているので当然と言えば当然であるが、自民党本部の収入の72%強の約176億円が税金を財源とする「政党交付金」であることは驚きだ。まるで政府がほぼ丸抱えした政党が与党となっている。これではまるで中央専制国家のようで、政権与党の税金お手盛り振りが明らかのようだ。その上、自民党本部は戦後75年も経っている今日でも、国会に至近の国有地を割安で賃貸しており、まるで国立政党のようだ。
 これはいかにも異常で、民主主義国家であれば、政党は基本的には個人や企業・団体の浄財、任意の寄付で運営されることが望ましい。長期に亘り政権を担ってきた政党の72%強の収入が国民の貴重な税金である政党交付金で賄われ、政党本部が国有地を優先使用している現状は、共産主義国や独裁国家と余り変わらず、民主主義とは言えないのではないだろうか。  
戦後直後ならまだしも、75年も経っている今日、政党助成金を廃止して、候補者個人への選挙費助成金とする時期ではないか。その方が、助成を受けた候補が国民の税金の有難味が分かるのではないだろうか。また各政党が国民から支援を広げる努力をするようになるのではないだろうか。

 2、河井案里議員側が自民党より受領した支援金1.5億円は政党交付金から
 2019年7月の参議院議員選挙に際し、自民党は、擁立した河井案里側に1億5千万円の支援金を提供した。それが、案里側により、車上運動員(通称うぐいす嬢)に法定上限2万円を超える報酬支払いや県議や市議、市長等に配られた疑いで、案里議員事務所と夫である河井克行衆院議員(元法相)が公職選挙法(買収)及び政治資金規正法違反の容疑で起訴され、まず案里事務所の公設秘書が禁固1年6ヶ月、執行猶予5年の有罪判決が確定した。
 河井衆院議員の判決は別途行われることになるが、自民党から通常1200万円/人と言われている選挙支援金の10倍を超える1.5億円もの支援金が出されていなければ、これだけ広範な選挙違反行為が行われていなかったであろう。その支援金は、税金を財源とする政党交付金から出されていることが分かっている。1.5億円の税金で買収等の選挙違反行為が行われたということであり、納税者である国民としては納得できないであろう。
 党の政党交付金管理責任と結果責任が問われそうだ。また政党交付金が選挙違反行為の原資になったと見られることから、遅滞なく全額を国庫に返納することについても問われるのではなかろうか。

 3、共産党、自助努力で204.5億円の党収入を確保
 共産党は、政党交付金を受けず、党員による会費と機関誌赤旗の販売など自助努力により、同年204.5億円の党収入を確保している。自民党に次ぐ高額の党収入であるが、政党交付金無しの自助努力ではダントツの1位となっている。
 要するに、政党交付金無しでも、会費、事業収入などの自助努力で党収入は図れるということであり、与野党を問わず、会費、事業収入などの自助努力で党費、政治活動費を賄うという、民主主義本来のあり方を築いて欲しいものだ。
 もっとも、共産党は中央統制による共産主義というイデオロギーを信奉するグループであり、多様性を基礎とする自由、民主主義、自由市場主義という日本を含む世界の大多数の諸国に共有されている価値観とは相容れない、絶対的なイデオロギー信奉政党であるので、他の政党が会費などの自助努力で党収入を図ることには困難があるだろう。しかし民主主義政治の基本はそういうことであるので、そのような政治環境を構築するのも政党の仕事であろう。
 他方、共産党はこれまで党収入が潤沢であったため、原則として全ての選挙区で候補者を立てているが、野党の票を喰う結果となっているので、野党の発展を阻害する結果となっていることも否めない。共産党の存在は、保守政党にとっては都合の良い存在となっているのが現実であり、同党がイデオロギー信奉を離れ、国民政党となることが問われているのではないだろうか。いずれにしても、野党同士が食い合う状況を解消することが課題だろう。
 なお、公明党は、政党交付金を受けているが、会費収入や機関誌発行などの自助努力で129億円規模の第3位の収入を図っている。もっとも公明党は、宗教団体である創価学会メンバーのいわば下部組織であり、宗教的信仰を基礎とするものであるので、他の政党の参考にはならないだろう。
 いずれにしても、何時までも税金を財源とする政党交付金に依存し続けているのでは、民主主義政党としては努力が足りないと言えるだろう。政党交付金は廃止し一定の基準を設け、候補者個人への公職選挙支援助成金に転換すべき時期ではなかろうか。(2020.12.1.)

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  マイナンバー情報流出の被害者に賠償を!

2024-07-06 | Weblog

    マイナンバー情報流出の被害者に賠償を!
 各種申請や社会保障などに使用される個人番号制(マイナンバー)が10月からスタートし、2016年1月から実施に移される。
 これにより国民のほとんどがマイナンバーを持ち(希望しないものは申請しないで良い)、一つのカードで各種申請や年金、税金の処理等が出来るので便利になる。行政事務処理においても、ほとんどの国民を捕捉出来、税金の徴収漏れなども防げるので便利になる。行政事務の簡素化になると言われているが、新しい制度に当面予算を3,000億円使用することになっており、煩雑な入力作業などが増えるし、旧来の制度は当面残るだろうから、簡素化などにはならないだろう。国民を効率的に捕捉できる膨大な行政システムが構築される。
 しかし利用者側にも行政側にも便利ということは、それを犯罪目的に利用しようとする者にも、マイナンバーには住所、戸籍、生年月日、家族構成、年金事項、銀行口座など重要な個人情報が詰まっているので、情報を入手したら使い勝手が良く、犯罪集団にも便利であろうから、情報保護が最大の課題だ。
 その恐れが現実のものになっている。茨城県取手市や札幌市厚別区でマイナンバーが入った住民票が発給された。住民票の提出先の善意を信じたいところであるが、悪用や再流失等から詐欺等に利用される可能性がある。更に深刻なのは、マイナンバー制度の企画・設計に携わっている厚労省情報政策担当参事官室の室長補佐(事務職)が制度企画・設計入札において受注したIT会社から賄賂を受け取った汚職事件が発生している。マイナンバー制度企画で不正を行ったIT民間会社がマイナンバーの仕様を最もよく知っていることになるので、その仕様が漏れれば犯罪等に悪用される幅が広がり、マイナンバー制度自体の安全性や保秘性が疑わしくなるので、深刻な問題だ。
またマイナンバー制度が実施に移されれば、その情報管理は行政当局が行うとしても、実際の情報処理は外部の民間会社か日本年金機構等と同様、天下りで作る行政法人で行われる可能性が強いので、個人情報が外部に流失する恐れは非常に高くなる。マイナンバーに入れられる情報が財産・口座情報や年金・医療情報、納税情報等と増え、使途が拡大されればされるほど、1億人以上の国民の重要な個人情報が危険に晒されることになる。マイナンバーは、地方自治体にも連結されるので、故意か過失かは別として、情報流失の危険性は更に高まる。
 厚労省の監督下にある日本年金機構でも多数の情報流失が出ており、政府機関による個人情報の流失は現実の問題になっている。マイナンバーについては、使途が複数に亘り、地方当局とも繋がるので、どのように注意していても、情報流失が起こる可能性は高い。それを防ぐためには、使途を限定的にし、外部インターネットと遮断することが必要であろう。
 しかしどのように注意していても情報流失は起こるであろうから、流失を引き起こした行政当局や行政法人等は、責任を認識にし、被害者のマイナンバーの取り消し、再発給等の不利益に対し補償すべきであろう。また情報流失により具体的な被害にあった場合には、関係行政法人を含む行政当局が賠償することが当然ではなかろうか。
 また流失したマイナンバー情報を利用して詐欺等を行って経済的利益を得た個人やグループについては、それぞれの犯罪行為に従って罰せられることになるが、従来中心となっている禁固刑から、利益の3倍以上の罰金を中心とした罰則に転換して行くことが望まれる。経済的利益を目的とした犯罪を抑止し、また被害者の被害を補てんする上でも、高額の罰金を科す方が効果的であろう。現状では罰金が少額過ぎるので、禁固刑を受けても儲かるとの印象を与えてしまい、抑止には余りなっていない。その上、税金で禁固刑中の経費を国民が負担することになり、2重の負担となっているように見える。経済犯には高額の罰金で抑止することがより効果的であろう。
(2015.10.17.)(All Rights Reserved.)

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衆院総選挙もさせてもらえなかった福田総理辞任の「変」― (再掲)

2024-07-06 | Weblog
<はじめに>

 2008年9月1日、福田康夫首相(当時)が、緊急記者会見を開き「新しい布陣の下で政策の実現を図って行かなくてはない」旨述べ、辞任を表明した。後期高齢者医療保険の反発など反発など、内閣支持率の低迷に加え、衆院選の時期をめぐり公明党との亀裂が生じ、参議院で多数を占める民主党が対決姿勢を強める中で、与党内での信頼も失い、手詰まり状態となり、自ら解散、総選挙すら打てずに退陣となった。

 現在国会は衆参とも自公両党が多数を占めているが、旧統一教会に多数の自民党議員が関係し、また政治パーテイ裏金問題で自民党の主要派閥が関与し世論から厳しい批判を浴び、国会運営が円滑に進まず、また岸田内閣への信頼が無くなり支持率が下がり続けている。現在与党自民党は、現内閣の下で総選挙を打っても勝算はないとする意見が強く、早くも9月の自民党総裁選挙に向けて候補者選びに入っている。現内閣はずるずると9月までポストにしがみつき、9月には、総理総裁の座から外され、自らは総選挙などを打てなくなるが可能性が高く、2008年の福田内閣と状況が非常に似ている。

 首相は、安部元首相の3回忌において、「阿倍政治を継承し、次代に引き継ぐ」旨表明したと伝えられている。しかし阿倍政治自体が、7年半もの一本調子の経済金融政策による深刻な弊害、もりかけ問題での担当唐突な配転と証拠隠し、桜を見る会の不正な経理処理と証拠の破壊、更に旧統一教会の擁護や裏金の温床派閥となっていたことなど、法令遵守に反する政治運営をしていたことが明らかになって来たている。それを継承し「懸案を処理し、結果を出す」と言うのであれば、解散、総選挙を行い、自らの信念、主張を国民に問うべきではないだろうか。このような観点から、本稿を再掲する。

 

シリーズ平成の「変」-衆院総選挙もさせてもらえなかった福田総理辞任の「変」― (再掲)
 2008年9月1日、福田総理は辞任の意向を表明した。
 記者会見で述べていた通り、安倍前総理だけではなく、長期に亘る自民党政権で積み上げられた「負の遺産」を引き継ぎ、また参議院が民主党など野党に多数を占めている中で、大変苦労をされた。「負の遺産」は、福祉失政であり、経済失政、経済無策であり、行政のメタボ体質や公務員の綱紀の乱れ、そして閣僚の失言と不明瞭な政治資金など、根は深い。その中で、道路特定財源の一般財源化や消費者庁の設置などに先鞭を付け、一定の功績を残したと言える。ご苦労様でしたと言いたい。
 しかし、「自前の」内閣改造、党役員の入れ替えを行って1ヶ月にもならない中での辞任である。「変」である。今回の内閣改造、党役員人事の裏には森元総理が居ることで知られている。
 内閣改造をしても支持率は上がらず、党内では改革外しや反改革抵抗勢力の巻き返しの中で、これでは選挙が出来ないと「福田おろし」が吹き荒れていた。石油の他、諸物価高騰の中での景気後退により、景気対策が声高に叫ばれ、赤字国債の発行による大型の財政出動論が飛び出し、その先には消費税増税論が見え隠れする。路線の転換圧力である。「改革」による成長の恩恵は、反改革路線で消えた。経済失政とも言える。それをまた大型の公共事業や財政出動で浮揚させようというわけだ。バブル崩壊後、その積み重ねで800兆円以上の公的債務が積み上げられた。当時頻繁に公共投資を売り込んでいたリチャード・クー氏(野村総研主任研究員)がまた顔を出し始めている。800兆円の国の借金はどう処理するのかと問いたい。更に公債を積み上げてどうする積もりなのだろうか。
「変」である。路線転換の「変」である。
 不思議なことに、安倍前総理が政権運営に行き詰まり辞任したのは麻生太郎自民幹事長の時である。今回も、党役員人事で返り咲いた同幹事長の下での福田総理辞任である。同幹事長は2つの政権を党として支えられなかったという結果となっている。党内の路線の不一致から、党として政権運営を支えられなくなって来ているのであろう。
 これから新しい自民党の総裁が選ばれ、国会で首班指名が行われることになろう。衆議院では指名が得られても、参議院では否決される。民意を問うべき時期であろう。 (Copy Right Reserved.)
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