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南北朝(日本)時代と漫画家・車田正美先生の作品を瞑想する部屋。

【大河ドラマ】『風林火山』-親離れ-

2007年07月29日 00時19分10秒 | 大河ドラマ『風林火山』(2007年)

武田晴信(市川亀治郎)がずっと怖れていたのは、父・信虎(仲代達矢)の影ではなかったか。

(晴信)「わしはこれまで、いくさに勝つことが怖ろしかった・・・今は負けることが怖ろしい・・・怖ろしい・・・!」(第26回『苦い勝利』)

不義と知りつつ追放したからには、甲斐国経営のすべてにおいて、晴信は父を上回らなければなりません。若い彼は実績を、父から背かせた家臣を束ねるための説得力を必要としました。
そういう背水の陣に耐えかねての「志賀城攻め」であり、「上田原合戦」だった、と思います。由布(柴本幸)の言葉(※01)はきっかけにすぎない(第24回『越後の龍』)。
※01:この時、側室ではなく、母の大井夫人(風吹ジュン)の膝に縋る勇気があれば・・・。

不幸な関係にあろうとも、親子は親子。
子は親に褒められたいもの。知らず、親の悪いところを受け継ぐもの。
親を見て、嫌だな、と感じるところはちゃんと自分の中に刷り込まれている。不思議なものです。受け容れれば、その「敵」は視えるのですが。
正道もはずれてみなければ、どこが道なのやらわからない。
そこで、あの敗北。
傷心の晴信を待っていたのは、母の叱責でも家臣の離反でもありませんでした。

(晴信)「板垣・・・そちはわしを、褒めてくれるか・・・っ」(第29回『逆襲!武田陣』

やっと褒められた。これで、晴れた。
実父よりも父らしかった守り役・板垣信方(千葉真一)は、信虎の“負の遺産”、すなわち晴信の葛藤をもあの世へ持っていってくれたような気がしました。
なにからなにまで、オヤジのカッコよさを見せつけて去った信方。オヤジ、恐るべし。
ヒヤヒヤしたのが、影武者の任を果たした河原村伝兵衛(有薗芳記)。信方もろとも討死かと。汗かいたー。


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