ジジィ殿 フィリピン満遊記

とあるホテルのレストランで友人と寿司を食っていた。
本当に不味い。値段は３５０ペソ。日本円で８７０円。六本木でも一寸は外れた場所であれば結構旨いい寿司が食る。

ブツブツいいながら寿司を食っていた。
年の頃８０歳は過ぎているだろうと思われる老人が、杖をついてと隣の席に座ってきた。何か話していたようだが、気にもせず食いに没頭していた。

又何かブツブツ隣の席でその老人が話している様子。

途端、話し掛けられた。しかも英語で。
ジジィ殿「貴方はどちらの方ですか？」（心の中では俺は日本人だ！）
私は日本人です。
ジジィ殿「このお店は日本料理店ですか？」(何を見て入ってきたのだろう？）
ハイ。日本料理店です。
ジジィ殿「このレストランにはすき焼きがありますか？」
ハイ。メニューに書いてありますから、大丈夫と思います。
ジジィ殿、なんとなく落ち着かない様子。席を立つにもちょと足元がふら付いているかな？
入り口のほうから見たことのあるような男が、オネーチャン４人引き連れ「パパ！」と言いながら入ってきた。途端に座っていた席の周りに、キングコング軍団がずらりと。
みたことがるたちの悪いブガウだ。
どうやらキングコング軍団はジジィ殿へ紹介する売春婦のようだ。
ブガウ「パパオナカシイタ。ゴハンタベルダイジョウブカ？」
ジジィ殿「随分時間がかかったね。貴方が私と話したのは午後の２時。私に電話くれたのは７時ですよ。？ところで両替はどうした？」
ブガウ「パパダイジョウブ、アコモッテルダカラ？」
ジジィ殿「そのお金は、私のでしょう。どうしてすぐに私に渡さないの？」
ブガウ「危ないだから。ココフィリピンホントアブナイ」
ジジィ殿「ぜんぜん危なくないですよ。ホテルからは決して出ることがないですから。」
ジジィ殿がブガウから茶封筒を渡された。ジジィ殿おもむろに数え始めようとした。
ブガウ「パパ、キョウノチェンジレート３５００ペソだけ。１０マンだから３５０００ペソダケナ」
ウエイトレスが来て注文をとり始めた。すき焼きが６人分。ビールに刺身、ジジィ殿は日本酒。天婦羅も人数分。このブガウジジィ殿など全く関係ないようだ。飲っぷり、食っぷりは凄い。あっという間にすき焼きはなくなった。ジジィ殿解せないか押しながら、オネーチャンの選択に入った。念入りにオネーチャンを見射ている。
ゴリラ軍団、そのなかでも一人一寸長身で細身のオネーチャンを選んだ。
ブガウ「パパアナタイツマデソノオンナイッショ」
ジジィ殿「４日間です。」
ブガウ「ダイジョブ。４デイスナ。オーケー１０マンダケ。」途端俺は噴出した。その辺の置屋のオネーチャン４日で１０万円。頭をよぎった。せいぜい２０００ペソとして８０００ペソ、一寸チップ弾んでも日本円で２万円程度。１０万円？
ジジィ殿「１０万円？高いですね。これお支払いします。帰って結構ですよ。」といって１０万円渡した。
ブガウ「ホカノオンナカワイソウ。モウシゴトデキナイダカラ。オンナチップダイジョブカ」
ジジィ殿「私は一人しかお願いしていない。勝手にあなたがたくさん連れてきただけではないか？」
ブガウ「シゴトダカラ」
ジジィ殿「仕事だから当然の事だ。あなたの仕事の経費まで私が負担する必要も権利もない」
ブガウはチンプンカンプンな顔して理解に苦しんでいるようだ。
チェックして帰ろうとした際、ジジィ殿の態度が急変、怒りはじめた。請求金額を見て仰天したようだ。あれだけ飲み食いされていれば相当な金額になるのは当たり前。ブガウが両替した金で支払ったのだが大して手元には残らなかった様子。
あまりにも馬鹿にした行為に。ジジィ殿「あなたが食べた分はあなたが払いなさい。」
ブガウ「ワラアコペラ」
ジジィ殿「貴様知らないと思ってなにをたくらんでいる」お互い全く自分のことだけ言って意味が通じていない。気の毒とは思いながら帰ろうとしたとき。
ジジィ殿「日本人のお方、もし通訳できるようでしたら一寸通訳していただけませんか？」
通訳してもこの国の連中はこのような事を平気でしますから、先ほどのお金をとりあえず返して頂いてオネーチャン全部返したらいかがですか？とアドバイスだけした。其の通りブガウに話したら、ブガウが居直った。キャンセルしてもかまわないが女全てが今日の仕事ができなくなった。ついては女性一人につき補償として３０００ペソ支払ってくれとの内容だ。
連れの友人が其の話を聞いていてついに切れた。あまりにも酷いこのブガウの行状に外へ連れ出しジジィ殿が支払った１０万円を取り返し、両替の誤魔化し分まで支払わせた。
友人に対し、結構でかいことを言ってきたブガウ、友人が一言はなしただけで何も言えなくなった。
ブガウは尻尾を巻くように売春婦を連れて消えた。
ジジィ殿の話し聞いた。どうやら、一人でマニラへきたようで、奥様に先立たれ、戦争中に駐留したこのマニラへ海外旅行にきたようだ。ロハスボリバードをわたってマニラベイを散策、ホテルへ戻る際にこのブガウが執拗に迫ったようだ。
このジジィ殿、一緒にいてくれる女性が必要のようだ。友人が友達を開始、看護婦のインターンを２名紹介した。杖をついて歩く様相から出来る事であれば車椅子が良いと判断、手配をした。
２日ほど過ぎた日に、看護婦のインターンから電話があった。日本食が食べたいのだが違う店に行きたい。カメラを買いたいとの事。使い捨てもカメラを買ってあげ、レストランもホテルの近くの中華料理店を紹介してみた。結構日本食といっていたにもかかわらず気に入ったようで蟹をおいしそうに食べていた。自分の孫みたいなオネーチャン２名に介護して頂いて慢心の笑顔、クシャクシャのシワだらけの顔に満足感が感じられた。
ジジィ殿オネーちゃんたちに「私はこのマニラで終戦を迎えました。皆さんの国に対し本当に申し訳ないことをしました。」と深々と頭を下げていたようだが、」オネーちゃん達はチンプンカンプン。６０年も過ぎれば過去の事。騒ぎまくるのは韓国と中国だけのようだ。

ジジィ殿、決してこのマラテ界隈のブガウトは関わらないようにしましょう。柳の下の泥鰌狙いなどと関われば最終的には自分が裸になります。