台湾のカバシタアゲハ

展翅標本と未展翅標本の整理を始められるようになりました。

台湾の蝶を整理していたら三角紙標本の中にカバシタアゲハを見つけ、展翅することにしました。




カバシタアゲハ Chilasa agestor
南投縣南山渓

台湾は今や採集できない場所が非常に多く、この採集地も採集禁止地域になっていて、もうここでは採れません。

カバシタアゲハはタイワンアサギマダラやアサギマダラに擬態した珍しいアゲハチョウなんです。

そもそも擬態の多くは自分を目立たなくするのですが、逆に目立つように擬態する蝶の代表格がアサギマダラそっくりに擬態するカバシタアゲハです。

翅の色が浅葱色と茶色で目立つアサギマダラは、渡りをする蝶として知られていますが、毒を持っているため鳥は襲いません。

カバシタアゲハは毒を持っていませんが鳥たちからアサギマダラと勘違いされ、食べられずにすみます。
姿だけでなく飛び方までもアサギマダラに似せていてゆっくりとしています。
これ程までに徹底すると立派というほかありませんね。

こんな調子で中断して、整理するはずが展翅になってしまい、これではなかなか断捨離が進みません^_^

まあ、いっか これまた楽しいんだから！

展翅しながら春を待つ北の大地からでした。